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考える余裕など、すでになかった。
ただ失いたくないという焦燥感に飲まれて。
気づけばその冷え切った華奢な身体をかき抱いていた。
そしてその怯えながら自分を切なげに求める素直な青く潤んだ瞳に吸い込まれて・・・・
好きだと告げて。
驚き固まるナルトの後頭部に手を添えて。
そっと・・・・想いを伝えるように、そしてナルトの気持ちを確かめるように、唇を重ねた・・・・
ピクリと震えたナルトの身体を尚も後ろから抱きすくめ。
どうか逃げないでくれと・・・冷え切った唇に熱を伝える。
抗おうと思えば出来る力で。
でも決して逃がさないように抱きしめて。
それがナルトの逃げ道で
そしてナルトの本当の想いの行方を知る方法・・・・
ゆっくりと離れた唇にヒラヒラと舞い落ちた雪が触れ、消えていった。
ナルトの瞳から涙が零れ落ちる。
シカマルは切なげに目を細めて。
ナルトの身体が可愛そうなほど震え強張って。
それを溶かすようにシカマルはナルトを前から抱き直し、柔らかな金色の髪に、白くまろやかな額に、寒さに赤く色付く頬に、涙の零れる目元に・・・・そしてもう一度、想いを確かめるように唇に、口付けを落として・・・・
「ナルト・・・俺を拒まないでくれ・・・・」
囁かれた言葉にナルトは涙目でシカマルを見上げて。
「俺・・・・」
何か言いたげに震える唇。
でもそれ以上は言葉にならないまま、また涙がポロポロ落ちて。
「ナルト・・・」
シカマルはその涙を唇で拭いながら、安心させるようにナルトの背中を撫ぜてやり。
そして無理に促すでもなく、ナルトが落ち着くのを待って・・・
優しい気配をまとったシカマルにナルトもしだいに落ち着いて。
胸元の手が、まるで離れたくないというようにシカマルの服をぎゅっと握りこんで。
拒むのではなく、求める仕草に・・・・
シカマルは切ないほどの愛しさがこみ上げてきて、自然と抱きしめる腕に力がこもる。
「シカマル・・・俺・・・怖いんだってばよ・・・」
「あぁ・・・」
「拒まれることも、他のみんなと同じに扱われることも・・・どっちも怖くて・・・・こんなんおかしいって分かってるのに・・・どうしてもとめられねーんだってばよ・・・シカマルを・・・す・・き・・・って気持ちが・・・・」
一番伝えたくて。
一番怖い気持ち。
全てを失うかもしれない・・・たった一言の『想い』。
でもシカマルは・・・・
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