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悲しみや苦しみを笑顔で誤魔化して
差し伸べる手に怯え逃げていくナルト。
どれほどもどかしくて、切なかったか。
優しさや愛情に慣れていないナルトは、まるで自分は愛される資格はないというように、幸せから目をそらしてしまう。
求めながら拒み
欲しながら逃げて
でも・・・・
自分にだけは心開いて、本当の笑顔を見せてくれていた。
だからきっとナルトも自分と同じ気持ちでいてくれると、彼の素直すぎる瞳から、嘘のつけない表情から、無防備な態度から、確信して。
今日という聖なる夜に。
この想いを告げるのは悪くないと思った。
里中が幻想的で、夢の世界に紛れ込んでしまったような素敵な夜だから。
ナルトの頑なな心も少しは解れると思って。
でも・・・・
仲間で計画したパーティーに
たった一人姿を現さない最愛の人。
なぜだと思えば・・・誰も彼も、常に明るく振舞う彼が来ないなどということは思いもよらず、ひりとして声をかけなかったという。
自分が声を掛けなくても必ず誰かがかけると思っていたと・・・・
もちろん自分もまさかナルトに限って来ないなどと思いもしなかった。
来て当たり前と・・・・
でもナルトの中では当たり前ではなかったのだ。
常に曝される悪意やいわれのない暴力に。
それでも前を向き笑い続ける彼の勝気に煌く瞳の奥。
確かに揺れる悲しみと苦しみをちゃんと自分は気づいていた。
孤独と隣り合わせの日々。
笑うことでしか自分の心を守れなかったのだろう。
一度でも下を向いてしまったら、きっともう二度と立ち上がれないから・・・・
そんな彼の『恐れ』が、笑顔で全てを拒絶することに繋がっている。
受け入れて失うことがどれほど怖いか、何度も味わった裏切り行為で、嫌というほど知っているから・・・・
そして今日
そんな怖がりなナルトに、どうやら自分も拒まれたらしいと知って。
シカマルはいても立ってもいられず、会場から抜け出した・・・・
降り積もる雪が
吹き抜ける風が。
まるで自分からナルトを隠してしまいそうで・・・・
必死に探し、やっと見つけ愛しい気配は、この里の一番高い場所で儚く揺れていた。
シカマルは迷うことなく駆け出す。
そして見つけたナルトは
真っ白な雪のカーテンに閉ざされて、そのまま消えてしまうかと思った・・・・
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