キャッシング






 

風が吹き抜けた。

 舞う雪が乱れて純白のカーテンを引く。

 そしてまるで最初からそこには誰もいなかったかのようにナルトを隠してしまい・・・・








 風が止み

 再び訪れた静寂に

 雪も優しく舞い落ちて

 ゆっくりと純白のカーテンも消えていき・・・・









 そして再び姿を現したナルトは、もう『独り』ではなかった。









 重なる影。

 包む温もり。

 それはまるで、暗闇から・・・孤独から・・・・不安や恐れから・・・・すべてからお前を守るというように・・・・

 後ろから伸びた優しい腕がナルトを抱きしめていた。












「こんなとこでなにやってんだ・・・・」







 切なげな声にそう問われ。

 冷え切った自分の体を尚いっそう強く抱きしめられて。

 まさかの相手にナルトは目を見開いたまま身動きすら取れなくなるが。









「お前、来ると思って・・・ずっと待ってたのに・・・・」




「え・・・・」









 思いもしなかった言葉。

 だって抗われることばかり、拒まれることばかり恐れていたから・・・・









「お前がいなきゃ、意味ねーんだよ・・・・お前と一緒じゃなきゃ・・・・」









 カクカクと震えだした身体。

 見開かれた瞳には涙が揺れて今にも零れそうで。

 でも・・・・その言葉を、あまりにも幸せすぎる言葉を、信じきれない心が確かにあって。

 否定しなければと恐怖に怯えて・・・








「だって・・・ほかにも・・・みんないるってば・・・俺じゃなくても・・・・」








 そう言いながら自分の言葉に傷ついて、きつく唇をかみ締める。

 でも、もしも信じて、期待して、裏切られたら?

 独りよがりの思い込みだったら?

 あまりにも大きすぎる想いだからこそ、自分は耐えられない。







 だから拒絶する。

 目をそらす。

 でも・・・・









「馬鹿ヤロ・・・ほかのやつなんかどーだっていいんだよ!!お前だけなんだよ・・・俺の心にいるのは・・・」








 ビクリと慄いたナルトがゆるゆると振り返る。








「し・・・かま・・・る・・・」








 震え掠れた声がナルトから零れ、涙を湛え揺れる青く透明な瞳が、信じることを恐れ戸惑いながら、それでも信じたいと・・・・切なげに見つめているから。








「ナルト・・・好きだぜ・・・・」








 想いがあふれる。

 ずっと見守ってきた大切な存在だから。

 こんな悲しく切ない顔などさせたくなくて。