札幌 美容外科 二重瞼

 

 

 

Innocent loveU-5

 

 

 シカマルに対して、自分の気持ちを告白してしまった。その現実だけにナルトはパニックに陥る。口にしても良い言葉だったのか…その答えはでないままで、首筋にシカマルの唇を感じる。

「シカマ…ちょ…」

 夕方抱きしめられた時とは全く違う、熱い抱擁。この先に考えられる展開を頭に思い浮かべたナルトは恥ずかしくてしょうがない。抱きたいと言われた。最後まで関係を結びたいと。それに近い行為は何度もしているのに、いざ始まってしまうとなるとどうしても恥ずかしくてしょうがない。

 止まらないと言ったシカマルはナルトを抱く腕を緩めるつもりはないらしい。

「シカマル…!…っあっ…」

 ぺろっと首筋を舐められて吐息に近い声が漏れた。はぁっと息を吐いて、自分を見てくれたシカマルを確認する。

「先生、止まらないんじゃなくってさ…―――止められねえんだよ」

「バカ…野郎」

 生意気な事を言うシカマルの鼻をつまんでやった。くすぐったそうに笑ったシカマルがナルトの頬にちゅっとキスを落とす。

「すげえ、幸せだから…俺」

「シカマル…?」

「先生が俺の事、見てくれただけでも嬉しいのに…好きだって言われて舞い上がってんだって…」

 ナルトは気恥かしい気持ちを隠すように、シカマルの視線から顔を背ける。シカマルは少し不思議な気持ちになりながら、照れるナルトを見つめた。頬も首筋もほんのりと赤くなってそれが艶っぽい。ナルトが自分の事が嫌いではないと気が付いたのはいつだったろうか。

確信がないままで、無理矢理に口実を作りその身体を求めた。元から素直すぎるのだろう。ただの遊び言葉の口約束。それに乗る必要なんてナルトにはない。それなのに、キスを受け入れてくれたり抱きしめるのもその先も許してくれるようになった頃、シカマルの中にある種の確信に近い感情が生まれた。気持ちがなければ抱きしめる事も許さないと言ったナルトが自分の愛撫に応えてくれるだけで、笑い返してくれるだけで、すこしは過信してもいいのではないかと思える様になった。あとは、どうやってその確信に近づいて行けばいいのかを構想するだけで良かったのである。

シカマルにとっては、それはとても楽しい時間。どれだけの手間や時が掛かっても構わないと思っていた。学校を卒業して、自分がナルトの元教え子になったとしても……いつかナルトを自分の手中に入れる、人生という長くも短いスタンスの中ではそれも楽しみのひとつの様な気がして。もちろん、手間をかける相手は渦巻ナルトと言う人間、只一人なのだけれど。

「先生って……呼ぶなって言ったのに」

 口癖のようになっているソレ。いつもナルトが気にしている事は知っている。

「悪りぃ…」

「それに…やっぱ、ダメ」

「は?」

 真っ赤になった顔がようやくシカマルを見上げる。その瞳はきれいな青色。吸い込まれてしまいそうな空の色。態度でも言葉でも好きだといってくれたのに、どうして「ダメ」なのだろう。シカマルは首を傾げるばかりである。間抜けな声を出してしまったようにも思う。ぎゅっと唇を噛みしめたナルトは視線をシカマルから外さないで、じいっと見つめ続ける。

「なんでだよ…今、」

「オレとお前………こ、恋人とか、そうゆうんじゃねえもん」

 その言葉に二重の驚きだ。つい今先程お互いの気持ちを確認したではないか。あれは夢か幻なのだろうか。シカマルは一瞬戸惑う。

「恋人、じゃねえの?」

「…じゃないってばよ」

「…ンで?先生も俺の事好きで、俺も先生の事好きで……それって相思相愛っちゅうことじゃねえのかよ」

 拗ねた子供のような、まるで駄々をこねる口調にナルトも頬を膨らました。

「そ、相思相愛でも!」

「なんでだよっ!だから!!」

「だから……オレたち、いつ恋人になったんだってば?」

「今、さっき!この口が、俺の事を好きだと、言った!俺は何回も先生に告白してるだろ?!」

 ナルトはふうっと息を吐く。所謂、溜息というやつだ。ナルトはシカマルの両頬をむにっと掴むとぽつりと呟く。

「言った…ってばよ?」

「認めてんじゃねえか。何が、ダメなんだよ」

「シカマルってば、頭いいくせに……全然、分かってねえ」

「今の事に、頭いいとか悪いとか関係あるのかよ」

「………オレとシカマルは、主語が抜けてる関係だってーの!」

 色っぽい雰囲気など吹っ飛んだ二人の間には、疎通しない何かが存在して居る。だが、ナルトの言葉をじっくりと頭の中で反芻させた。これは大切なキーワード。ナルトが何かをシカマルに伝えるために選んだ言葉なのだ。

「主語が…抜けてる?」

「わかんねえの?」

「考えてる…けど―――――…」

 シカマルが理解してくれない事にナルトは、やっぱりむすっとしてしまうのだ。肝心な事がスッポリと抜けているのに、なかった事のようにこの先へ進む事はナルトには出来なかった。

「…ちょっと、考える」

「真剣に考えろってばよ!」

 シカマルは押し倒したナルトを拘束する腕を解いて、胡坐をかいて座った。じっと瞳を閉じる。

 とても、大切な事。それはナルトの中では絶対に譲れない事。

 だから、お互いの気持ちを確認し合った現在でも先に進めない、確固とした理由。

 主語が抜けている関係………そこまで考えて、シカマルは眉をひそめる。喉元に引っ掛かったような、この感覚はなんなのだろう。

 ナルトは元々、感性で物事を結論つける性格である。ひとつひとつのキーワードを頭の中で組み立てる。それは難解なパズル。重要な言の葉のカケラたち。

 ゆっくりと瞼を上げると、同じく床の上にぺたんと座ったナルトの姿が目に映る。

「先生…」

「だーかーらー…!先生は今は言っちゃダメなんだっての!シカマルのバカ」

「ナルト」

 名前で呼ばれたナルトは、俯いた顔を上げると視線をシカマルに向けた。

「なんだよ…」

「俺はせんせ…ナルトが、好きだ。好きで好きで堪んねえ。こんな気持ち、すげー初めて」

「ウン…」

 少し朱の走る頬。こくりと頷いたナルトが可愛く見える。年上だとは思えない様なその態度に愛しさが溢れる。

「好きだって、何度も…離すつもりねえって……何度も言ったよな?ソレ信じてる?」

「………――――― ウン」

 やっぱり頷いてしまうナルトの手をそっと取る。

「俺のこと、見てくれって」

「…ウン」

「顔上げて、俺の事見てくれよ。ナルト」

「見、てる…」

 視線がぱちっと合う。シカマルはふっと笑った。全てがシカマルの中で繋がったのだ。それがナルトの発した言葉の答えである確然はない。

「俺はナルトの事が、好きだ。ナルトは…?俺の事、“多分”好き?」

 意地悪だと思うが、ナルトの揚げ足をとるつもりで言葉にする。

「…多分じゃなく、―――――― 好き、かな」

「なんだよ、…その“かな”っての!一言多いぜ、ナルト」

 ナルトの指に自分の指を絡める。温かなその指先の感覚にシカマルの心もあたたかくなる。

「暴走して、悪りぃ…」

「しょうがないから、……許してやるってばよ」

 思うだけで満たされていた。相手の気持ちが手に入った事に浮かれていた。シカマルは浮かれてしまった自分が少しだけ恥ずかしい。それでも、この気持ちに嘘はつけないのだ。勝手に結論付けてしまった結果。ナルトの「主語が抜けている」という意味が、心の中でしっかりとした確信に変わった様な気がした。

 これは妄想でも暴走でもない。

「…俺は、ナルトの事が好きだ。離せねえ……ずっと、好きだし変わらねえって言ってんじゃん?だから、俺と付き合ってくれる?先生」

 瞬きもしないでシカマルを見つめていたナルトの瞳から、ぽたりと落ちた透明な雫。ぐずっと鼻をすすったナルトの頬に唇を寄せる。

 好きだと何度も告げてきた。それは強引に自分の気持ちを相手に押し付けて居たに近い。

だから、「主語」が抜けた「関係」。

大切な、大切にしなければいけない、一番の重要な言葉をナルトに向けた事は一度もなかったのだ。最初からそう。シカマルは一方的に自分の恋情をナルトにぶつけ、それを無理矢理に近い形で飲み込ませたに過ぎない。それでも、ナルト自身の意志でこの答えを導き出してくれたならば、相手に対してとても失礼な事をしていた事に、ようやく気が付けた。

「せんせーって…呼ぶなって、言ってんのに……バカシカ」

「そうだな………で、答えは?せん…ナルトの気持ちは俺に向いてんだよな?傲慢になっても自惚れても構わなねーよな?」

 イエスだと言って欲しい。全てを受け入れて欲しい。

独りよがりな感情がこんなに無力だと感じた事はない。

「ナルト、ずっと……一生も絶対も、俺の中には在る。それを、信じてくれよ。好きだ…」

「シカマル…」

「俺と、付き合ってください」

 次々と溢れる涙の雫を舌で掬う。

「ウン……こんなオレだけど、シカマル…オレでいいの?」

「ナルトだから、良いに決まってんだっての!」

「ウン……」

 親指の腹で目尻を拭うと、ナルトの瞼がそっと隠れた。自分の気持ちを伝えたのには、ある種の期待とそれを実現させる為のシカマルなりの打算があった事は隠せない。

 純粋すぎるのだ。

 きっと、この年上の愛しい人は…純粋過ぎる。だけれど、お互いに向けている心情は重なってぴったりと重なっているはず。それを確かなものに変える為の、かけがえのない告白。

「もう、主語が抜けた関係じゃねえよな?今、この瞬間からちゃんと付き合ってる恋人同士ってので先生は、……オーケイ?」

「オレが、好き?先生じゃなくて…」

「当たり前だろ?じゃねえと、こんな回りくどいのは面倒なだけだろ?ナルトに関しては、全部が面倒じゃねえし……だからさ、俺とナルトの関係、恋人って事で了承?」

 すごく近くにある顔。ナルトはそっと目を開けて見た真剣な表情のシカマルにまた涙が零れた。

「ウン…シカマル……―――――― 好きだってばよ」

「もう多分じゃねえ?」

 シカマルはくすりと笑うと、ナルトの返事を飲み込む様に触れるだけの口付けをする。

「……も、待てねえからな。離さねえから…覚悟しとけよ」

「それはオレのセリフだってばっ!!」

 再び視線があって、どちらともなくふっと笑った。

 

 お互いの一方通行な気持ちが、ようやく隔てて居た薄い壁を取り払う。

もう、障害となるものは二人の間にはないのだ。

 この瞬間、二人はようやく「恋人」となったのである。

  

 

 

 

  

 

 

ナルトが乙女でめっちゃ恥ずかしいって!!!

気が付いてくれた方はいますか?

シカマルは好きだと告白してるけど、ナルトを自分のモンにしたいと

いつもうるさいくらい言ってますが「付き合ってほしい」と告白したことはないのです()

お互い「好き同士」ならイコール恋人ってのにはなりませんよね?

と、私が勝手に思っていた。

次回こそラスト〜!