注意 ナルトさん女装してます。好きでない方はブラウザの「×」で閉じてください。
女体化でないので、ナルコさんに非ず(笑)
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Candy Girl 8
苦しい。 嘘とか本当とか、全部が何もかもがよく分からない。 偽りのない気持ちを口にして、苦いものが口の中に広がる。ナルトは真っ直ぐ見つめていたシカマルから膝の上で握り締めた両手へ視線を落とした。 「ナルト…」 今にも新しい涙を零しそうな顔で瞼を伏せたナルト。その肩が震えているように見えて、思わず抱きしめたくなる。 そして、感情よりも先に行動している自分が居た。 「や…やだって…やだっ…」 小さな拒絶。腕の中で自分を押し返そうとするナルトをぎゅっと抱きしめた。 「嫌じゃねえなら、嫌いじゃないって言うなら……―――――」 それは、好きと同じ意味を持つのではないのか。なのに、どうして今も尚ナルトは自分を拒否するのか。 「なんでだよっ?!」 「嫌いっ、大嫌い、嫌いだっ!めちゃ嫌いなんだってばよっ!」 「は…? ナルト?」 思わずナルトの肩を掴んで自分の方へ向かせる。やっぱりその顔は泣き顔で、シカマルは言葉では言い表せない気持ちになった。必死に何かを我慢しているように、目を真っ赤にして目尻から零れた透明な雫。シカマルを見るその瞳はとても真剣で、茶化していたり誤魔化しているのではない事が分かる。 「シカマルが好きなのは……本当の、ナルトじゃないってばよ」 視線の先に居るのは、シカマルの好きになったナルトは、―――――― 自分じゃない。 「だから、シカマルの事が嫌いっ」 「嘘つくなよ」 はったりでもカマかけでもない。全身で自分の事が好きだと言っているナルトの、その言葉のどこに嘘や偽りがあるのだろう。 「お前だって、俺の事好きなはずだ……」 ナルトは首を横に振った。 好きだけれど、好きで好きでたまらないけれど、やっぱり交わる事が許されない。このまま別れてもこの苦しい気持ちは変わらないのだろうか。体中を支配する苦痛。全身がココロになったみたいな悲傷。憐れみを向けるのは叶えられない思いと、引き裂かれる事が決まった虚偽の代償だろうか。 「シカマルは何も知らないから……何とでも言えるってばよ」 やっぱり自分の中には、狡い自分が竦んでいる。 「そう言うなら、お前を全部教えろよ」 静かな声の中には激高の響きがあり、ナルトはハアッと息をついた。 「シカマルを好きな……アタシは、シカマルの好きなナルトじゃないから……」 「わかんねえよ……」 「しょうがないじゃん…、も、嫌われなくないくらいに――――― 好き、だから」 ナルトの言葉が終わらない内に、再びシカマルが心細い身体を抱きしめた。ナルトは肩口にそっと頬を寄せる。今と言うこの瞬間も、誰よりも怖いのはシカマルと言う存在。彼に嫌われたくない。だから、全部が怖くて堪らない。自分の中を支配しているのは、感情の中心にいるのはいつもシカマルだ。 「ごめん……」 「ナルト?」 ぎゅうっと抱きしめられて、ナルトはこの僅かな間だけでも幸せな気持ちを与えてくれた彼に心から感謝した。 「ごめんってばよ、シカマル」 少しだけ、もう少しだけ許されるのならば……あと少しだけ、初めて心から好きになった人の体温を感じる時間が欲しい。許されなくても、それに対する罰が計り知れないものであっても。 「ごめん……好きになって、……ごめ…ん」 静寂の中に終焉を告げるようなベルが鳴り響いている。それは全てのリスクを知らせる本能。ナルトは口元に笑みを浮かべ、抱いてくれるシカマルの腰に自分の手を回した。 嫌いなふりなんて出来ない。会わないと決めても、惹かれてしまう。求めてしまう。そして、こんな温かな場所を知ってしまった自分の中で答えが決まっているような気がした。 「シカマル。お願いだから、……嫌いって言ってくれってばよ。もう、顔もみたくねえって……お前なんか嫌いだって言われたら、もう――――――― 大丈夫だから」 シカマルがくっと笑った。 「できねえ相談だな。全部自分一人で抱え込んで、俺とお前の問題だってのに俺だけ蚊帳の外で終わりましょうってか? ンなの……納得できるかって」 「シカマ……」 最後までナルトの言葉を聞くことはない。全てを飲み込むように唇を押し付けた。びくりと反応したナルトの身体を床に押し倒す。ばたばたと暴れる足に、膝丈のスカートが少しだけ捲れた。 「…だっ……やっ」 駄目だと言おうとしたのか、それともまた拒絶の言葉だろうか。唇が触れるだけとは違う深い交わり。ナルトの咥内に舌を差し入れて、逃げるナルトを追う。逃がさない、逃がすつもりは毛頭ない。 言葉なんて必要のないオーラルコミュニケーション。絡まる舌も滴る唾液も全部が甘くて、吐息すら飲み込んでしまう。 ナルトの身体から力が抜けてくったりする。シカマルはキスを楽しんでいた唇を離した。間近にある唇からは浅い息。頬が触れて、ナルトの温かい涙を舌先で掬った。 「も……人の話、……――――― 聞いてない」 「悪かったな」 見え透いた嘘なんてつけない。ナルトは腹を括る。 小さな頃の思い出。シカマルへの恋心に向き合った夜に見た夢。
大きな神様の家で、大好きな人と、ずっと一緒にいるって約束するの。 ずっとずっと、大好きだよって約束のキスをする。 神様に、誓う。ずっと、一緒にいますと。 慈しみます、支え合います。苦しみや喜びを分かち合い、共に歩むことを。 二人を分つのは死なのだからと。
ナルトはぼうっとシカマルを見つめる。本当は怖かった。本当の事を知った時のシカマルが。自分を否定されることも、嫌われる事も怖くて怖くてしょうがなかった。 それでも、本当の自分を見て欲しくて……また好きだと言われたら、どんなに幸せなんだろうと、叶わない夢物語を綴った。 ナルトは自分の顔の近くにあるシカマルの手を取る。それから、ゆっくりと自分の胸元に彼の手のひらを当てた。 「ドキドキしてるの、分かる?」 「ま、待てよ……俺はっ……こんな、」 「ちゃんと、ちゃんと全部…見てくれってばよ。シカマル」 何故だろう。今なら笑える気がする。いつの間にか新しい涙が溢れてしまうけれど。 「結婚なんて、できねーってばよ? わかんねえの…?――――――“オレ”は男だもん」 固まったシカマルに、当たり前の反応だと感じる。好きだと思っていた女の子が、実は男でしたなんて信じられないだろう。しかも、親がすすめた婚姻。嘘で固められた物語の中の主人公。 「嘘……だろ?」 嘘なら良かったのにと、何度思っただろう。ナルトの唇に悲しい微笑が浮かんだ。ナルトは胸元で結ばれたリボンに手を掛ける。すっとそれを解いて、ボタンを外した。 「すっごい、可笑しい。シカマルの事、好きにならなかったら…ずっと嘘のままでいられたのに」 「ナル…ト……」 「ずっと、偽物なままでいられたってのに。なんで、好きになっちゃったんだろ……?」 ひとつ、ひとつボタンを外して胸元を肌蹴る。そこに豊かなふくらみがある訳ではない。シカマルは黙視して眉を顰めた。ナルトはシカマルの胸に手を当てて、その身体を押し返そうとする。だが、意に反して彼がナルトの上からどく事はない。それどころか、スカートの裾から熱い手のひらが忍び込んできた。 「シ、シカマル? ちょ…っ、なに…」 ナルトは中心に行き着いたシカマルの指先に硬直してしまう。自分以外の誰かの手が、そこに触れるなんて思ってもみなかった。 「マジかよ」 ナルトはかあっと顔を真っ赤に染める。 「離せってばよっ!! シカマルと同じモンしかついてねえっ」 羞恥で焼き切れそうな感覚に声が上ずる。 「もう、やだっ…さわんなっっ!!」 「ホントに男、なんだな」 拍子抜けしたような声にナルトはぷうっと膨れるだけだ。ある意味辱めを受けているのだけれど、シカマルの声が真剣なので過剰に激怒する事も出来ないでいる。 「騙しやがって」 ナルトは怒りを抑えるような一言にぎゅっと目を瞑る。どんな蔑みの言葉も受けるつもりでいたのに、傷つくのが怖い。謝っても許してもらえる訳でなく、嘘をついたというのが真実。 緊張したナルトに気が付いたシカマルが、あっと短い声を上げた。 「違う、お前にじゃねえ」 「……え?」 意外な言葉にナルトがゆっくりと瞼を上げる。困ったように笑みを浮かべるシカマルを見て、何度も瞬きを繰り返す。 「クソ親父に決まってんだろ?こんなフザケタ事考えんのは、アイツしかいねえ」 「あ…それは、……うちの父ちゃんとかも、同じだから……その」 「くそっ」 シカマルがぼやきながら、ナルトの鎖骨辺りに額をくっ付ける。 「ナルトは男だって、わかってんのに……」 「これはウチの事情で……悪いって本当に思ってて……」 必死になっても弁解の科白が空しく響くだけ。ナルトがシカマルの事を好きになった事が一番の誤算なのだ。 「なんでだよ?なんで、お前が男だって分かっても……」 シカマルが溜息を付く。 「……なんで、萎えねえんだ?そっちのが問題だろ!」 「なえ…?…なにが?なんだってばよ……」 シカマルはすっ呆けた質問を口にするナルトの手を自分の中心で息づくものに誘う。 「ぎゃっ!」 「大袈裟だな…同じモンなんだろ?」 指先でシカマルのイチモツが熱を持っているのを感じる。それはきっちりと反応している。これは、悲しい男の性というやつだろうか? 「しょうがねえ」 「……まあ、しょうがないってばよ。男だし、一応お年頃みたいな感じだし……」 「しょうがねえよな? お前も同意したな」 「ん? うん…?」 シカマルの手の支えがなくなったから、そっと彼の股間から手をどける。 「しょうがねえから、俺は勝手に納得する事にした」 「だから、何をって聞いてるってばよ」 すでに乾いてしまった涙。告白する時は一大事だったはずなのに、現在に至っては間抜けな問答を続けているだけだ。 「俺はナルトが好きだ。好きになったナルトが男だった……ってことで」 「シカマル! オレってば、男だってばよ」 「だから、しょうがねえって言ってんだろうが。男だったんなら、それはそれでしょうがねえし」 「しょうがなくねえっ!ここはシカマルが怒るトコだってばよ。変態とか男女とかオカマとか!人の事騙してサイテーな奴だとか、好きなのは間違いだったとか、嫌いだとか、二度と会いたくないとか……それと、それに……えと、聞いてんのかって」 話す度にくすくすと笑うシカマルにナルトがギロリと視線を鋭くする。 「お前こそ、俺の話聞いてんのかよ。結構驚いてんだけど、俺はお前の事が相当好きらしいぜ?」 他人事のように告げるシカマルに、ナルトの頬がかっと赤くなった。 「性別よりなにより、お前って存在が可愛くてしょうがねえ……」 囁くような声にナルトの涙腺が堰を切る。 「みてーな感じ?」 「う…嘘…」 「ばーか、こんな事で嘘つくわけねえだろ。さすがによ……」 「こんなんオレが…都合よすぎる」 シカマルが耐えられないと言ったように肩を揺らして笑う。 「お前がどんな気持ちだったとか、そうゆうのは全部後で聞いてやる。泣いてもいいし、…いや、泣くのは止めだな。心臓に悪りぃ……ま、全部ひっくるめて聞いてやるから」 「…から?」 「据え膳食わぬはナントヤラ……?」 艶を持った笑みにナルトは瞳を見開く。自分の耳を疑いたい。何がどうなって、今が存在しているのが飲み込めない。数分の間の激動に神経が麻痺している。頭の中がぐちゃぐちゃになって、うまく考えがまとまらない。 「ちょ…ちょ、待ってくれってばよっ」 「待たねえ」 短い一言は真剣な声色で、ナルトが放心している間に唇が再び重なった。
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ママンのいるお家(でも多分お屋敷/笑)でナンテコトしてんですか!
まったく、近頃の若い者は。とか言いながら、ヨシノママが隣の部屋で
壁にコップ押し付けてるとかのオチはありません。
前半と後半の雰囲気、めっちゃ違いますね。
あれ?ってなくらい呆気ないと思われた方すみません。
次回にちゃんとシカマルの気持ちとかも書きたいです。
今回はナルの気持ち優先だったような。