注意 ナルトさん女装してます。好きでない方はブラウザの「×」で閉じてください。
女体化でないので、ナルコさんに非ず(笑)
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Candy Girl 10
「はあっ!?」 ナルトの驚愕する声。そんなナルトに逆に驚いたのはミナトとクシナである。 「もう、いきなり大きな声出すからびっくりたってば」 一瞬だけ動きを止めた両親はにこやかに笑って食事を再開した。 「だ、だって……いきなり、そんな、なんでとか思うじゃん!」 「そんなに驚くような事じゃないよね、クシナ」 「そうねぇ、うん、まあ」 ナルトは思わず握っていたスプーンを落としそうになってしまった。来週である自分の誕生日に奈良家の皆様と会食をしようと、いきなりミナトが言いだしたのだ。と言うか、すでに決定していて……見合いをしたホテルのレストランを予約しているらしい旨がナルトに告げられる。 「ちょうど祝日だしランチにしたよ」 「……う、うん」 シカマルに遊びに誘われている事は内緒にする。口にしたらミナトの機嫌が急降下しそうで怖い。 「最近は仲良くしてるって、クシナから聞いたけど?」 「仲良くって……たまに、その、勉強みてもらってるってか……」 「ふ〜ん、だから帰りが遅いのかな?」 ナルトが帰宅する時間にミナトが自宅に居る事はほぼない。シカマルと親密になったのもここ数日の話である。確かにメールや電話の回数は増えた。それに、寄り道をして帰ることもある。しっかりとナルトの行動を把握しているミナトは、息子の変化が寂しく感じているだけなのだけれど、後ろめたさのあるナルトからしてみれば余計な気を回してしてしまう話題。眉間にシワを寄せた息子にクシナはふふっと笑う。 「……お父さんはちょっと寂しいだけなんだって。シカマルくんと仲良くしてるから、ナルトの誕生日もフラれちゃうかもって先回りしたって事! ね〜」 「フラれる…?」 「うん。どっかに二人して遊びに行っちゃったりしたら、お父さん寂しいもんね」 「ちょ…っ、クシナ!」 照れるようなミナトにナルトは思わずポカンと口を開けた。溺愛されている自覚はあるけれど……ここまでだったか?と少しだけ昔を振り返ってみる。確かに女の子の恰好で居るのが嫌だから寄り道をしないで帰宅していたし、たまに遊びに出かける相手もサクラなど同級生の女の子ばかりであった。最近は帰り道にシカマルと会う事が増えた。まだ気持ちが伝わってから遊びに行った事はなかったから、次の休みにはなんて約束をしたけれど、ミナトには言わない方がいいかもしれない。 「ごちそう…さま〜」 クシナが笑顔で「は〜い」と答える。ナルトはそそくさと両親に背を向けて自室に向かったのだった。
衣替えを迎えたばかりの今は、日中暑く感じることが多い。ブレザーは着用して登校しているが、学校ではほとんどベストのまま過ごした。 ナルトは無意識のまま溜息をつく。 「今日のナルもなんだかアンニュイ」 にやりと笑ったいのがナルトの前で肘をついていた。両手に乗った小さな顔には、くりっとした大きな瞳。ナルトをまるで面白いおもちゃを見るような目で見ている。 「…そんな事、ないってばよ」 「そう?」 「うん、……ない」 「嘘が下手だなあ…アンタって」 むすっとしたまま見上げたいのの口角が上がっている。敵わないな〜なんて思いながら、ナルトもふっと笑った。 「誕生日に、ご飯食べに行く事になったんだけど……」 「シカマルと!?」 いのとシカマルは幼馴染だ。深い関係は詳しく聞いてないけれど、彼女なりにシカマルの事を認めている節がある。 「正しくは……シカマルも居るけど、他にもいっぱい居るってか……」 「いっぱい?」 首を傾げたいのの肩から、さらりと髪が落ちた。 「ウチの両親とシカマルの両親と……」 「へええ〜。婚約者ってのもなかなか考えモノだわね。親公認ってのはいいけど」 「……別に」 嫌な訳ではない。ナルトは曖昧に返事をする。 「なによ。シカマルと二人きりの誕生日が良かったとか、そーゆうオチじゃないの?」 ナルトは首を捻る。上手く言葉にできない。本当の二人の関係は、親公認の偽装婚約なんだという事は口にできないのだ。一応は、ミナトとシカクはもろもろの牽制の為に二人を婚約させたと言うだけで、自分とシカマルが親密になる事は望んでいない。両親はもちろんの事シカクもナルトの事情を知っている一人なのだ。 「ゴメン、上手く説明できないってばよ」 「ならシカマルに話を聞いてもらえばいいじゃない。最近、帰りに待ち合わせしてるでしょ?あいつは頭の回転早いしなかなかの切れ者だから、ナルトの満足いく答えを出してくれるかもよ?」 「シカマルに…?」 シカマルもナルトの誕生日に催された食事会の事は耳にしたかもしれない。そんな事をぼうっと考えて居ると、手の中の携帯が震えた。ついつい視線を膝の上に移して、はっと顔を上げる。もちろん、にやりと笑ったいのとパチリと視線がぶつかった。 「噂をすればナントヤラ……ほ〜んとナルトって分かりやすいんだから」 「えっ…ンな事ないってか!その…別に、あのさっ……」 「はいはい。もういいからメールの内容、確認したら?」 何か言いたげな表情のまま再び視線を下に向けたナルトを微笑ましい気持ちで見つめる。頬が緩んで自然と笑顔を浮かべるナルトが可愛い。本人は気が付いてないだろうが、シカマルからのメールを読んでいるナルトは正に恋する乙女を地で行っている。今まで色っぽい話題なんてちっともなかった。どちらかというと興味なさげで恋の話題には無頓着。もろもろをすっ飛ばして、いきなり婚約者というのには驚いたが、ナルトにはちょうどいいくらいのテンポだったのかもしれない。放っておいたら“おひとりさま”を続けていたかもしれないし、色恋自体に興味を持っていなかったかもしれないのだ。 「それで、なんだって?」 いのの問いに顔を上げたナルトが首を傾げる。 「一緒に帰ろうってのは分かるんだけどさ……迎えに行くってなんだろ?」 「ズバリそのままじゃない?」 「そのまま?」 いのが大きく頷くが、ナルトは不思議そうに首を捻るだけ。 「サクラ〜…たまにナルトって超天然なんじゃないかと心配なんだけど」 話の水を向けられたサクラは雑誌から視線をあげると、くすりと笑う。 「やだ、いのったら今さら気が付いたの?ナルトって天然じゃない。生粋のね」 「て、天然ってバカって事?」 「いや、バカとはちょっと違うって言うか……」 疑問符を浮かべるナルトを余所に、いのとサクラは放課後に行くケーキ屋の話で盛り上がっている。甘いものが好きなナルトは、それはそれで気になってしょうがない。 でも……放課後になればシカマルに会える。ゲンキンだけど今はケーキよりもその事が嬉しくてしょうがなかった。
数歩先を歩くその背中は「話しかけるな」オーラを放っている。 分かりやすい態度にシカマルは小脇に持った鞄を抱えなおすと、くすりと笑う。 放課後。校門近くでナルトを待ち伏せしてみた。もちろん先にメールで“迎えに行く”とは伝えておいたのだが、彼にはそれが伝わっていなかったらしい。友達と一緒に出てきたナルトに手を上げて挨拶したシカマルは驚愕したナルトの間抜け面と対面したのだ。 耳まで真っ赤にして、冷やかしと興味の交じる視線を潜り抜けてきたナルトは大きな瞳でシカマルを睨みつけると背中を向けてしまったのだ。 「お〜い、ナルト」 ギャラリーが居なくなった小道で話しかけてみると、一応シカマルの声に振り返る。その頬がまだ赤い。 「なんだってばよ」 「せっかく一緒に帰ってんだから、隣歩こうぜ」 「やだってば」 ぷうっと頬を膨らませて、まだ憤慨冷めやらない表情のまま仁王立ちだ。一応、歩みを止めてくれているのでナルトの気が変わらない内に彼の隣まで歩く。 「なに、怒ってんだよ。意味分かんねえぞ?」 「いきなり学校まで来るからっ!」 「いや、それは先にメールしただろ?」 ナルトは言葉に詰まる。そう、確かに迎えに行くとはあった。それが、学校まで迎えに来るなんて思いもしなかったのだ。女子部の中で、シカマルの制服は目立っていたし明日は噂の的になるに違いない。彼氏が迎えに来るなんて事は、他の生徒もしているし目くじらを立てる事ではないかもしれない。だけれど自分は違うのだと主張したい。 「迷惑だったのか?」 「……え」 「悪かったよ」 シカマルはひょいっと肩を竦めて、ナルトを追い越して先を行ってしまう。 「あ…っ」 ナルトはびっくりしてしまった。 「ちょっちょっ……シカマル!!」 慌てて自分に背を向けたシカマルを追いかける。追いついてその腕を掴むと、彼はすんなりと歩みを止めてくれた。 「迷惑じゃないってばよ!ただ、……すごく困ったってか恥ずかしかったってか。別にシカマルが嫌とかじゃなくて……」 ナルトはシカマルを怒らせてしまったのだと必死に言葉を重ねる。本当に恥ずかしくて、いのやサクラの笑みの意味も気になったし、婚約者の事を知らない同級生たちも目を丸くしていた。困惑してそれが理不尽な怒りに変わり、矛先が見つからないからシカマルに甘えてしまったのだ。 「……シカマル?」 彼の肩が震えている。ナルトは小首を傾げると、シカマルの顔を覗き込んだ。そこには笑みをかみ殺しているシカマルの顔がある。 「……あ」 からかわれているような気分になりナルトは再びむっとした。ナルトの変化に気づいたシカマルはにやりと笑うとぺろりと舌を出す。 「置いてかれた俺の気持ち、少しは分かったか?」 「う……ごめん」 「可愛いから許してやる」 「……やっぱ悪いのって、アタシ?」 「いや。俺もナルトも悪くねえよ」 「……そうかな」 「どこか店入るか?」 優しい言葉を掛けられて、あからさまにホッとしてしまう。ナルトは首を横に振った。サクラたちと食べ損ねたケーキの存在は気になるのだが、なるべくなら学校の生徒たちと鉢合わせしたくないと言うのが本音なのだ。 「駅の近くの公園とかでいいってばよ。シカマルに話したい事もあるし」 「話したい事?」 「うん。いのはシカマルに話聞いてもらうのが一番いいって……」 友人の名前が出た一瞬、シカマルが眉を寄せたように見える。不思議に思うが口には出来ない。だけれど些細な表情の変化に気が付いたシカマルがナルトの頭を撫ぜた。 「わっ!シカマル…髪の毛くしゃくしゃになるっ!!」 「いのってさ、親同志が仲良くて。嫌でも小さい頃から顔つき合わせててよ。なんか、アイツは鋭いトコあるっつーか人の痛いとこばっかついてくる女で、面倒くせーんだよな」 親同士のつながりと言われナルトはサスケの事を思い出した。確かに幼馴染として気がしれている分お互いに遠慮がない間柄になっているような気がする。 「シカマルはいのの事が苦手なんだな」 「苦手とかじゃなく、面倒なだけ」 ばつが悪そうな顔をしたシカマルにくすりと笑う。自然にシカマルに手を取られたナルトは、少し頬を赤らめながら彼の隣を歩く。 次に会う時にはシカマルの苦手なケーキ屋に誘うおうと、ナルトはへへっと笑った。
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無駄に長くなっていることに気が付いたのは
タイトルの後に話数の数字を入れたトコロででした…
ナルの誕生日の食事会のシーンまで書きたかったのですが
ちょい諦め。
なんだか、シカさんがめっちゃナルさんを甘やかしてます(笑)