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バレンタイン2009-3

 

 ナルトは視線の先に、ぎゅっと握ったシーツが皺くちゃになっているのが見えた。シカマルの悪戯な指が、恥部の敏感な先の方を弄る。親指の腹で擦りつけるようにされると、足の先までがくがくと震えた。

「は…ぁ」

ナルトは肩越しに振り返ると、じっとシカマルを見つめる。ナルトと視線の合ったシカマルは視線だけで「どうした?」と尋ねてきた。口にしたい言葉を喉で飲み込んで、ぎゅっと唇を噛む。ぽろぽろと流したくない涙が瞳から零れる。

「だから、泣くなって…苛めてるみたいで、変な気分になるってーの…」

 快感が強くて自然と流れてくる生理的な涙を、どうやって止めればいいのかなんてナルトには分からない。顔を振るとシカマルの手が顎に掛かった。唇を求められて素直に応える。まるで労う様な優しい口付けにナルトは夢中になってしまう。絡めた舌にはまだチョコレートの残余が甘ったるいテイストを残していた。キスの余韻とは違う直接味覚を刺激する甘い感覚。

「シカ…マ、ルッ…も、したいってば」

「ん?」

 シカマルはナルトの性器を扱く手を強くする。

「いけよ」

「…やだって、一緒がいいって…」

 一人だけ先にいくのは嫌だった。一人だけで快感に浸るのは嫌だった。二人でする事なのだから、二人で気持ちよくなりたい。一方的に攻められるのは好きじゃないのだ。二人一緒に達する事は物理的に無理でも、お互いに快感を分け合いたい。ナルトはいつもそう思っているのに、いつも先にシカマルによって高みに追いやられてしまう。

「一緒に気持ちよくなりたいってば…」

 ナルトにはその為に肌を重ねている感覚がある。

「お前のイク顔が見てぇんだよ…」

 耳元で囁かれて、ねっとりと耳朶を舐められる。

「ん…っ」

「お前が俺の事しか考えられねぇって顔が見てーんだよ」

「シカ…ッ、ア…ア…んっ…ああ…」

 ナルトの意思とは反対に追い詰めるようなモーションを続けるシカマルの手を意地悪だと思う。

「や…あ……んっあ…」

 それを止めるようにナルトの手が、シカマルの手に掛かる。背中に感じる素肌が熱っぽく、またシカマルの下半身も熱く昂ぶっているのを感じた。

「シカ…やっ」

 シカマルの指にはナルトの先走りが絡み着いており、触るとぬるりとする。その手を止めようとして自分の指をかけた。

「…ったく、今日は強情だな」

「ンな、問題じゃ…ないってば…よ」

「まだ、コッチの準備できてねぇだろ?」

 シカマルの片方の手が、ナルトの後腔に当てられる。十分に解されて居ないそこはシカマルを受け止めるには辛い状況にあると言えよう。指を一本だけ潜り込ませると、奥までぐいっと押し込む。

「熱いけどな…」

 シカマルの言葉にかあっと赤くなったナルトは、彼の顔を見ないように俯く。そうする事で、シカマルに慰められている自分自身を目にする事になってしまい、また赤面した。シカマルの指を感じながら、ひくつくそこは熱の解放を求めているのか、先から透明な体液が零れている。それがシカマルの指に絡まり摩擦されることで、卑猥な音となって響く。そんな情景にナルトはぞくぞくするのを感じてしまった。自分は充分にシカマルの事しか考えられない。彼の手によって、生み出される悦楽に酔っていると言える。今、この時シカマルの事しか見えないのだ。

「オレも…見たい。シカマルが、オレの事しか考えられなくなるの……見たいってば」

「ナルト…?」

 強請るように呟くと、シカマルの驚いた声が聞こえた。ナルトの言葉に満足したように笑みを見せたシカマルは、自分の弄っている外陰部を、ナルトの手に握らせる。

「なに…って」

「自分で触れんだろ?俺はこっち…」

「ひゃ…っ」

 ナルトの後腔にシカマルの指が増やされる。その圧迫感にナルトの腰が引けてしまう。

「逃げんな」

「ああ…あっ…シカマ…」

 ばらばらに動く指がナルトのいい場所を引っかくようにして、ぐっと押した。ぎゅっとシカマルの指を締め付けてしまい、くすりと笑った気配を感じた。

「こっちは嫌じゃねぇみたいだけど…?ほら、ナルト。ちゃんと自分でシテるとこ俺に見せてくれよ」

 ナルトはふるふると首を振る事で、シカマルの懇願を否定した。

「俺のこと考えながら、してくれよ」

「…んな、コト…」

 シカマルは人差し指と中指で抽出を繰り返す。自分の指にねっとり絡み付いてくるナルトの肉襞を指に感じて、強情なナルトの手に空いている方の手を重ねた。ナルトに行為を強いるようにナルトの手を滑らす。自分の陰茎に手を添えるだけが精一杯だったナルトはシカマルのいきなりな行いに驚く。結果的に自らを慰めるような形で動いてしまった事になる。

「あっ…や…ンン…あっ」

 燻った熱を煽るようなその行為が直接的な刺激になって、背筋を駆け上がる。ナルトの指に一緒に絡まるシカマルの指。上下に動く単調なリズムに自分の吐く熱い息が重なる。ナルトはおのずとその速度に自分の手の動きが合わさっている事に気が付いた。シカマルの言う通りになっている自分自身が不思議にも思え、それでもそれが当然のような気がしてくる。自慰などあまりしないナルトも、その経験が無いわけではない。上下する指と掌の粘膜の擦れる動き、淫らな音が重なり鼓膜を刺激する。自分の局部を出たり入ったりするシカマルの指の動きに合わせて動くそのリズムにも気づいて居ない。それから、既に一緒に上下していたシカマルの指が離れている事にも。

「は…あっあっ…アア…ンっ」

 シカマルは三本目の指をナルトの中に入れて、かき回すようにしてから動きを止めた。随分と解れた後腔はシカマルの指をぎゅうっと締め付けてくる。震えたままシカマルに視線を送ったナルトは潤んだ瞳で訴えるように見つめる。

「も…挿れ…てくれって…ば」

 瞬きをした瞬間に零れた雫が、静かにナルトの頬を伝う。シカマルはナルトの中から指を抜くと、彼を仰向る。ナルトの手に自分の手を重ね、ついでに唇も重ねた。

「ん…あっ…」

「ナルト…」

 一緒に気持ち悦くなりたいと言ったナルトの気持ちが嬉しくない訳がない。虚ろな瞳で自分を見つめてくる青い瞳が愛しい。ナルトの腕がシカマルの首に巻き着き、ぎゅっと引き寄せられた。

「シカ…マルッ…も…」

 ナルトの脚を広げて、その間に身体を滑り込ませる。何もしていないシカマルの陰茎は十分に硬さを増しており、ナルトの中に入る事を待ち望んでいる様にも見えた。その熱を後腔で感じたナルトがぶると震える。

 熱が解けあう感覚。擦れる体液の感触。シカマルによってシーツの上に縫い付けられているというのに、その身体は浮遊しているかの如く不確かな感覚の中に居た。ずっしりと重たいものがナルトの中を埋め尽くすと、ようやく感覚が熱を伴って戻ってくる。

「ん…っ」

「一緒に、気持ち良くなんだろ?」

 こくりと頷いたナルトは、そっとシカマルに口付けをした。それが合図の様に、シカマルの腰がゆっくりとグラインドを始める。揺さぶられ昂ぶった快感が深みに嵌まっていく。

「ああ…ンン…あんっ……ああ…」

「ナルト…」

「シカマ…あっ…」

 身体と精神が一つになり、どこかへ落ちていってしまいそうになり、ナルトはシカマルに絡めた腕に力を込める。

「や…こわ…シカマル…んん…あっ」

「俺の事だけ…考えろよ」

「う…はあっ…やっ」

 ぎゅっとシカマルの背に爪を立てたナルトは、必死に頷くとシカマルの顔を見上げた。優しく微笑まれて急に泣きたくなるくらいの恋しさが込み上げてきた。

「…きっ、す、きっ」

 伝えたい言葉は他にもあるかもしれないが、ナルトにはそう告げるのが精一杯だった。シカマルの腕がナルトを強く抱き締める。

「ナルト…っ」

 シカマルの声が遠くに聞こえる。世界の音がなくなって、ガクンとどこかに落ちてしまうような感覚を感じながらナルトは達する。そして、自分の中に熱い迸りをかんじて全身が痙攣した。呼吸を荒らくしたシカマルが貪るように唇を求めてくる。虚ろになりながらそれに応えたナルトは、視界が白くなっていくのを朦朧とした意識の中感じた。

 

 

 

 

 ナルトの前には、待ちに待った限定味噌ラーメンが湯気を立てている。シカマルが作ってくれるときは、いつものインスタントラーメンとは少しだけ違う。いつもならカップに入っているラーメンを、ちゃんと器に入れてくれるのだ。シカマル的には、カップで食べるのがなんだか味気なくてなんとなくそうしているのだが、ナルトはそれがお気に入りだったりする。

 シカマルの手によって清められた身体は、さらりとしたパジャマを身に付けている。

「わ〜い!いただきますだってばよ〜」

 ナルトは顔の前で手を合わせると、へへへと笑う。

「ほんとにお前ラーメン好きだよなぁ」

 呆れた様に言うシカマルの前にもちゃんと丼があったりする。

「だから、限定だってばよ。ラーメンは一楽がサイコーだけど、こうやってシカマルと食べるラーメンも大好きだってばよ」

 蕩けるような笑みをラーメンに向けたナルトは、嬉しそうに箸を取っている。それを見て自分も嬉しい気持ちになったシカマルは、ある事を思い出す。

「そう言や…ナルト、サクラに逆チョコの事聞いたんならちゃんと用意しとけよ」

「へ?」

 ナルトは麺をすするのを止めて、シカマルをじっと見つめる。

「なんでだってば?」

「サクラがそれを持ち出してきたっつーことは、催促されてるって事だからだよ。これで無視でもしてみろ。滅茶苦茶めんどくせーコトになんぞ?」

 シカマルの頭の中にも、いのの姿が浮かんでいる。あれだけ強くアピールされたのだから、チョウジと本格的に相談した方がいいだろう。

「サクラちゃんはオレからのチョコはいらないって言ってたってばよ?」

「……繊細な乙女心ってやつだ、そりゃ。めんどくせーもんなんだよ」

 ナルトは少し考えてから、軽く顔を横に振る。

「あげないってば」

「なんでだよ?」

「だって、好きな人にあげるもんなんだろ…?じゃ、もういいってば。オレはシカマルにあげたし」

 シカマルは気持ちは嬉しいが、ため息を着く。

「全く…バカだな」

「あっ!」

 ナルトも何かを思い出したように大きな声を上げる。それから、きっとシカマルを睨みつけた。

「オレのあげたチョコレート………」

 ナルトは自分の渡したチョコレートの行方を思い出して、むうっと唇を尖らせる。シカマルはにやりと笑うと、箸先をナルトに向けた。

「ちゃんと食っただろうが」

 どうやって食されたか思い出したナルトは、げほっとむせ込んだ。

「忘れたんなら話してやってもいいぜ?」

「ノーセンキュだってば!」

 顔を真っ赤にしたナルトは、シカマルを無視するようにラーメンに目を向ける。

「シカマルも……逆チョコ禁止だかんな」

 ぽつりと呟かれて、近い将来を考えたシカマルは億劫な気持ちになった。

「ったく…めんどくせえな」

 言い逃れを考えなければならない面倒臭さは、可愛い事を言う恋人に免じて目に瞑る事に決める。結局は惚れた弱みなのである。今は目の前のラーメンが伸びないうちに食べる事が先決だろう。

 シカマルはため息を飲み込みながら、ラーメンを啜ったのである。

 

 

 

 

   

 

 

果てしなく終わりの見えないバレンタインでした(泣)

当初の予定すっ飛ばし、おわってみればこんなもん?みたいな…

来年、バレンタイン話を書くならもっと可愛い話にしたいです!!

もうエロはいいや…って感じです。

苦情はノーセンキューで(><)