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夏祭り

 

 

「うん、ちょうどいいみたいね〜」

 ヨシノの顔に笑顔が浮かぶ。ナルトは照れ臭くなりながら、ぽりぽりと頭をかく。

「なんか、照れるってばよ」

「いいじゃない。折角のお祭りなんだから、いいでしょう?浴衣、涼しいのよ」

 ナルト用に誂えられた浴衣。シカマルと一緒に近所の神社の夏祭りに行こうと話していたのを、ヨシノは聞いていたのだ。その日は、木の葉でも一番大きな花火大会もあり、少しばかり里中がにぎやかになる。

 ヨシノもシカクも浴衣姿だ。そんな所に、シカマルが任務から帰還する。

「ただいま〜っと…ナルト、先に来てたんだな。悪りぃ、遅くなっちまって」

「オレが先に来てたんだって!」

 シカマルに任務が入っている事は承知していた。なんだか、待ちきれなくてついつい奈良家にやって来てしまった事。そこで、ヨシノに手を引かれ浴衣を着せられてしまった。

「おばちゃんが用意してくれてたんだって…」

「似合ってるぜ。俺は、とりあえず風呂入ってくっから」

「うん」

 にっこり笑ったナルトの頭を一撫ぜして、シカマルが風呂場に向かって行く。

「あら、機嫌いいわね…あの子」

 ヨシノの言葉にナルトが首を傾げる。ナルトにはいつもと同じようにしか見えない。そう告げると、ヨシノがふふっと笑う。

「あの子って、小さい頃から夏祭りだとか花火とかちっとも興味がない子でね」

「そうそう…可愛げない子供だぜ」

 途中から会話に参加したシカクは、おちょこをくいっと煽る。

「たまに連れてこうとしてもよ…人ごみはめんどくせえとか、花火は庭から見えるからいいだの……構い甲斐のない奴だったぜ?」

 今回の事は、ナルトからシカマルに誘いをかけた。もしかしたら、迷惑だったのではないだろうか。そう考えると不安になる。無理やり付き合わせているとしたら、申し訳ない。それも、彼は任務明けである。疲れていないはずがないのに。

「庭から花火見えるんだったら、今日は行くのやめよっかな…」

 思わず口にした所で、がらりと戸が開く。ヨシノが用意しておいた浴衣を着て、いつも通りのシカマルが登場する。

「…何の話してんだ?」

「あ、その…ここの庭から花火見えるって聞いたからさ。わざわざ行かなくてもって思ったんだってばよ」

「ふ〜ん…でも、ここにゃ出店はねえぞ?」

「あ…来年も、あるし」

 シカマルは首を傾げてから、じいっと両親に視線を移した。

「なんかこいつに話したのかよ?」

 ヨシノはくすりと笑った。

「お前が可愛げのないガキだった事くらいだな」

 シカクが、くくっと笑った。

「さあ、いってらっしゃい。ナルトくん、庭からは打ち上げ花火は見られるけど仕掛け花火は見られないのよ?それに、お友達とも約束してるんでしょ?楽しんでいらっしゃいな」

 ヨシノはナルトの背を押す。

「あ、でも…」

「さっさと行こうぜ。チョウジが切れる前にさ」

 特別な約束をした訳ではないが、一緒に出かけられるなら出かけようとチョウジやキバたちとも話をしていた。ナルトは少し暗い気持ちのまま、うんと頷く。

 

 

 

 

 カランカランと鳴る下駄の音。

「ホントに良かったのかなぁ…」

 ナルトの手に握られている、小さな白い包み。ヨシノから出がけに渡されたものだ。所謂、お小遣いというやつで。一応、忍として仕事をしている以上、お給料と言うものをナルトも貰っている。なのに、こんな風にお小遣いをもらってもいいのか、悩む所だった。シカマルは、袖の中に同じものを仕舞っている。

「いいんじゃねえの?親の楽しみの一つなんだからよ。それに、金は持ってて損はねえよ」

「ん…だけど」

 気持ち程度のものだと言われたが、ナルトには初めての体験だ。イルカにラーメンを奢ってもらうのとは少し意味合いも違う。それに、浴衣も用意してもらったのに。そこまで甘えてしまっていいのか首を傾げる。

「しゃーねえ、お前の事構いたいんだからよ。親父も母ちゃんも。ナルトはそれに付き合ってくれるだけでいいんだ」

「なんか、くすぐったいってばよ」

 これが、嬉しいという感情なのだと言う事は分かる。甘えられる存在が増えた。仲間も、周りにいる大人たちも。上手に自分を甘やかしてくれる。一番はシカマルなのだけれど。

「シカマル、オレに付き合ってくれてサンキュだってばよ」

「なんだよ、いきなり?」

「おっちゃんが、シカマルはこーゆうのあんま好きじゃねえって言ってたから」

 シカマルは合点が言った様にくすりと笑う。

「別に、親父とはめんどくせえけど…お前とは楽しいぜ、俺は」

「…へ、オレ?」

「お前じゃなきゃ、来てねえかな。確かによ」

 賑やかなお囃子の音が聞こえる。

 ここは、まだ暗い農道だ。ナルトはぐっいっとシカマルに手を引かれた。その意味が分かったナルトは目を閉じる。それが、合図かのように温かい唇が重なった。

「ふ…んっ」

 ぴちゃっと鳴る口付けの甘い響き。

「シカ…マ…」

「ナルト…」

 口付けの合間にお互いの名前を呼び合う。そして、腕は背中に回されぎゅっと抱きしめられた。何度も角度を変えて交わされる唇。足りなかった何かを満たす様に。

 ナルトは甘い息を吐いて、シカマルの胸に額を寄せた。

「シカマル……」

「ん?」

「好きだってばよ」

「知ってんよ」

 シカマルに手を引かれる。提灯がいっぱい吊るされたそこは、昼間のように明るくて。その光に照らされるシカマルの横顔に笑顔を見つけた。

「シカマル〜ナルト〜!!」

 チョウジの声を聞いたナルトが、ぴょんぴょん飛び跳ねながら手を振った。

「遅せ〜って。なんだ?ナルトもシカマルも浴衣じゃん」

 キバの声にナルトはにししと笑った。

「ヨシノのおばちゃんが着せてくれたんだってばよ!」

「だよな?ナルトが浴衣着られるとか思えねえし」

「なんか、今の一言むかついたってばよ!」

 口喧嘩を続けるナルトとキバを見ているチョウジとシカマルが顔を見合わせて笑った。

「あのさ、いい場所取っといたから。一緒に仕掛け花火見ようよ」

「サンキュ、チョウジ。お前に任せといて正解だったぜ」

「いのやサクラも後で合流するって」

 いのとサクラの名前を聞いたキバが思い出したように付け足す。

「そういや、ヒナタやシノも誘ってあるからよ」

「同期、勢揃いだってばよ!」

 ナルトの声が嬉しそうに響く。

「ナルト〜。その前に腹ごしらえしようよ。もう、ボク待ちくたびれちゃって…」

「おい、チョウジ。さっきそう言いながら、タコ焼き食ってたじゃねえかよ?」

「あれは、いわゆる前菜だよ。ナルト、何から食べる?」

 キバの言葉にむっとしながら、チョウジはナルトに視線を向けた。

「そうだな、イカ焼きにタコ焼きに……かき氷だろ?」

「イカ焼きの美味しそうなとこはリサーチしといたよ!」

「さすが、チョウジだってばよ〜」

 騒ぐ二人の背中を見つめたシカマルが、はぁっと溜息をついた。

「色気より食い気だな。ありゃ…」

「あいつらに、それを求めるのかよ。シカマル…」

「いんや、楽しんでんだから…いいんじゃね?」

 シカマルの言葉に、赤丸のワンという声が重なる。

「赤丸も同意見みてえだな」

「そうだな〜…俺らも行こうぜ」

 あの騒がしい二人を見失う事はないだろうけれど。腹が減ったのは同類だ。

 

 

 昼間の暑さの残る沿道に、子供たちが楽しそうに笑いながら走り去って行く。シカマルは袂を少し緩めて、ナルトとチョウジの後を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏なので、夏っぽい話を…

RUIは人ごみが苦手なので、お祭りは嫌煙しちゃいます。

そういや、地元のお祭りがもうすぐ始まるなぁ…

忘れてた()

大人になると、そうゆう事に疎くなるような……

仕掛け花火は見たいんだけど。暑さと人ごみと渋滞に耐えられません!

子供の時以来、仕掛け花火見てないなぁ〜