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夏祭り おまけvr
チョウジがキープしていた場所は、仕掛け花火を見るには絶好の場所である。先に来ていた、サクラといのがナルト達を見つけて手を振った。 「ちょっと〜遅いわよ!始まっちゃうじゃない」 サクラといのは文句を並べながらも、ナルトとチョウジの手にある戦利品を見てくすくすと笑う。 「どんだけ食べるつもりよ?」 「ほんとに食い気よねぇ…」 ナルトとチョウジは顔を見合わせてから、べーっと舌を出した。 「食料調達は大事だってばよ!」 「いのは分かってないな…ボクとナルトの気遣いってやつをさ」 キバはきょろきょろと辺りを見回した。サクラは首を傾げる。 「どうしたのよ、キバ」 「いや…ヒナタとシノも誘ったんだけどよ。あいつら来てねえなって思ってさ」 「そうなの?迷ってるのかしら…」 サクラの声に重なる様に赤丸がワンと鳴いた。キバもくすりと笑う。 「なに?」 「ようやく到着見てえだな。あいつらの匂いすっから」 「……そう」 キバと赤丸の嗅覚に苦笑したサクラは、いのと顔を見合わせて口元に笑みを乗せた。こうやって同期の仲間が集まる事は殆どない。たまたま、この夏祭りに花火大会が重なったのだが、賑わいを見せる里が浮足立っているように感じた。国の中でも大規模な部類に入る花火大会である。名のある花火師が腕をふるう為に集まっている。 「お〜いっ!ここ、ここ!」 ヒナタ達の姿を確認したキバが手を振った。いつもと変わらない姿で登場したシノに隠れる様にしてヒナタの姿が見えた。暑苦しい…としか言い様のないシノとは別にヒナタは浴衣姿である。長い髪はアップされて、髪飾りが付けられている。控え目な彼女らしい色合いの浴衣に、赤い髪飾りがよく映えていた。 「あの…ごめんなさいっ。私が…その、遅刻しちゃってシノくんまで巻き込んじゃったから……」 「ヒナタ、今日はめかし込んでんじゃん」 キバの言葉にヒナタは顔を真っ赤にして俯いてしまう。 「せっかくの花火大会だから……その」 照れたように笑うヒナタを尻目に、いのが渇いた笑みを見せる。 「キバ…私もサクラも浴衣着てるじゃないの!なんでヒナタだけ褒めてんのよ」 「は?褒めてんとか、そんなんじゃねえよ」 「まぁまぁ…いの!」 サクラが宥める様にいのの袖を引っ張る。 「…ったく、女心が分かるオトコはいないのかってのっ!」 「サクラちゃんは、何着ても似合うってばよ?」 いのの視線がギロリとナルトを射抜いた。 「うるさい!サクラバ〜カ!」 「いのってば僻みっぽいってばよ〜」 パチパチと火花の散るいのとナルトの間に、にゅっとイカ焼きが登場する。いのはじっとそのイカ焼きを見つめた。もちろん、イカ焼きはチョウジが差し出したものだ。 「いの、お腹すくと苛々するからさ。食べなよ、おいしいよ。ここのイカ焼き」 ぷっとシカマルが吹き出す。いのはぷうっと膨れながら、イカの姿焼にかぶりついた。その瞬間、ぴゅーっという独特の音が響く。そして、夜空に舞いあがる大輪の花。 花火大会が始まりを告げる、一番花火だ。 「きれい!」 ぱあっと広がる花火が消えた頃、どおんという音が響く。しゅうしゅうと言う音が聞こえたかと思ったら、河原に大きな木の葉マークが浮き上がった。それから様々な形を象った模様が浮かび上がった。 「お!めちゃくちゃキレイに見えんじゃん」 河原に来なければこの仕掛け花火を見る事は出来ない。わーっと歓声が立ち上がって、打ち上げ花火が始まった。 「キレイだってばよ〜!」 感動してタコ焼きがつま楊枝に刺さったままになっていた。 「ナルトくん、タコ焼き…落ちそうだよ?」 「わっ!マジだ…サンキュ〜ヒナタ」 ナルトの笑みを見たヒナタはぶんぶんと首を振った。花火でなく、自分に向けられた視線が恥ずかしい。 「ナルトくん、浴衣なんだね」 「ああ、シカマルんとこのおばちゃんがさ。用意してくれたんだってばよ」 「……に、に…似合ってると思う、よ」 「そっかな」 照れたように笑ったナルトの顔を見たヒナタは、真っ赤になりながらこくりと頷いた。 「ヒナタ〜、ナルトには孫にも衣装ってやつよ!」 にしっと笑ったいのに、ナルトはむくれる。 「それは、いのの方じゃん!」 「よっく言うわね〜。カワイイ女の子捕まえてほざいてんじゃないわよ!」 いのとナルトの下らない言い合いには、このメンバーは慣れている。また始まったくらいにしか思っていないのだ。ただナルトといのの間に挟まれたヒナタだけがオロオロしている。キバは肩をすくめる。 「ナルト〜…いちいちうるせえって。いの…まぁ世間では、たで食う虫も好き好きって言うだろ?趣向の問題だって」 「趣向?あんたのその言い方も気になるんだけど……」 その言葉は自分に向けられているのか、ナルトに向けられているのか。いのは無理やり思考回路を都合のいい方に転換する。 それを感じたサクラがくすりと笑った。 「キバ…そのなんとかの虫ってなんだってばよ?」 ナルトの問いかけにキバは大袈裟に溜息をつく。ナルトは慌てたように周りを見渡す。自分を取り囲む仲間の面々がぷっと吹き出した。 「ナルト、ちょっとは勉強しなさいよね」 「……だってよ」 それでも、なんとなく説明しにくい雰囲気がある。サクラはそれ以上は口を噤んでしまった。 「あ!打ち上げ花火、連続に変わったみたいよ?ナルト、見てみなさいよ。きれいだから」 「な〜な〜、サクラちゃん」 ギロリとサクラに睨まれたナルトはむうっと顔を歪める。そのまま顔を横に向ける。ぱちっとヒナタと視線があった。彼女はいつもの如く顔を真っ赤に染めて俯いてしまうのだけれど。 「ヒナタ、教えてくれってばよ」 「そ…それは、その…あのね、たでってすごいまずい草があるんだけど、それを好き好んで食べる虫もいるって事から、人の好みは十人十色って事って……あの、分かるかな?」 ナルトは呆然としてしまった。 「……それってば、オレがめちゃまずい草ってこと?」 「そんな事ないよ!」 ヒナタは驚いたように顔を上げる。ナルトは眉間にしわを寄せながら、ヒナタにタコ焼きの包みを渡す。 「ナルトくん…?」 「やるってばよ。うめえから!」 「え?あの…あの」 キバといのを睨みつけたナルトは、ふいっと仲間の輪を抜ける。誰かに名前を呼ばれたけれど、振り返る気になれない。その肩を誰かに強く掴まれる。 「おい、聞こえてねえのかよ…」 振り向くと、機嫌の悪そうなシカマルの顔。 「悪りぃ…聞こえてなかった」 「ばれる嘘つくなよな。どこ行くんだ?」 「便所!」 ナルトはシカマルから顔を背ける。 「分かりやすい嘘だな、おめーはよ」 「……うるせえってば」 シカマルは俯いたナルトの手を取る。自分たちの周りにいる人影は、皆花火に夢中である。二人の事を気に留める者はいない。そのままナルトの手を引きながら歩く。素直にシカマルに従ったナルトは、とぼとぼと広い背中を見つめながら歩いた。 そのまま、どれくらい歩いただろうか。シカマルの歩みがぴたりと止まる。 「シカマル…?」 「ここからは仕掛け花火は見られねえけど、打ち上げなら見られるぜ?」 「…え?」 そこは人ごみから随分離れている。人っ子一人見当たらない。だけれど、轟音と共に打ち上がる光の輪は見る事が出来る。 「ほんとだってばよ〜…」 ナルトは笑顔になりながら、暗い夜空に浮かんだ大輪の花を見つめる。子供のようにはしゃぐナルトの横にシカマルは腰を下ろす。 「シカマル、何時の間に穴場みつけてたんだ?すげえな!」 「ん〜…それなりに、リサーチ済み」 口元に満足そうな笑みを浮かべたシカマルが、袖から煙草のパッケージを取り出す。白いフィルターを銜えて、慣れた様に煙草の先に火を灯す。ふうっと紫煙を吐いてナルトを見上げた。 「おい、ナルト」 「ん?」 シカマルに視線を向けたナルトは機嫌が直っているようである。 「いのと絡むのはいいけどよ…いちいちめんどくせえ事、考えんなよ」 「そ、それは…」 ナルトは少し思い出したようにむすっとしてから、シカマルの隣に腰を下ろす。 「別に、気にしてなんかねえってば」 「おめえが、たででもいいだろ?それが好きで食う虫もいるんだからよ。ま、俺はモノ好きな虫ってことか?」 自分の言葉にくすりと笑ったシカマルが、ふいっとナルトに視線を向ける。ナルトは大きな瞳を見開いていた。打ち上がった大きな花火の光がその頬を照らす。少しだけ赤くなったほっぺた。 「だろ?」 「……シカマル」 「それにお前が、色んな虫から好かれる植物でも俺は困るぜ?」 「は、恥ずかしいってばよ!」 ナルトの手がシカマルの口を塞ごうとする。だが、その手をシカマルに止められてしまった。 「バカ、煙草吸ってんだろ?火傷するっての」 「だってシカマルがめちゃ恥ずかしい事言うから……」 シカマルは観念した様に、煙草の火を消した。 「全く…なんで反応がこんなに可愛いのか、わかんねえな。それも、俺限定か?」 近くにあるナルトの顎に手を掛けて上を向かせる。薄っすらと開いた唇に自分のそれを重ねた。ゆっくりと味わうように、舌を絡める。 「ん…っ」 鼻を抜ける様な声が、シカマルの心をくすぐった。ナルトの手はシカマルの浴衣の合わせをしっかりと握っている。角度を変えながら口付けを交わしながら、その身体を押し倒した。 「シ…シカマ…!」 抗議の声を上げようとしたナルトの両手をぐいっと地面に押し付けた。そのまま唇を離すと、至近距離で見上げてくる潤んだ瞳がある。 「シカマル…?」 瞼に、頬に唇を滑らせて、また甘い唇を探す。 「あ…んんっ…」 シカマルはナルトの腰帯に手を掛けると、すっと帯を解いた。するりと胸元に掌を滑り込ませると、赤い胸の飾りを指の腹で愛撫する。 唇はシカマルによって塞がれているので、喘ぎ声まで聞く事は出来ないが、震えて力の抜けて行く身体の反応でナルトが感じている事が分かった。唇を解放したシカマルの悪戯な舌が首筋から鎖骨を丹念に舐める。 「は…あっ…んん…だめ、だってばよ!こんな…」 外で性交に及ぶ事を良しとしないナルトは、きゅっと唇を噛みしめてシカマルの愛撫に耐える。その姿が加虐心を煽ると言う事を分かっていない。 「分かってる…最後までは、しねえよ」 続きは帰ってからゆっくりでいい。だけれど、少しでもナルトを感じたい。そんな感情が湧きあがってくるのだ。本当ならば、場所なども弁えずに彼を抱いてしまいたいのだけれど。 「ナルト…悦いか?」 返事はできない。その変わりに、シカマルの手の中にあるナルトの陰茎は鎌首を擡げて、その先から透明な液体を流していた。根元から先までぎゅっと擦られて、ナルトの顔が仰け反る。 「ん…っ!」 単調な刺激を与えながらナルトの顔を覗きこむと、高潮した頬に生理的な涙が伝うのが見えた。それを舌で掬って、ちゅっと目尻にキスをする。 「もう、ガチガチだぜ?」 「は…あっ…あ…っ」 「ちょっと触っただけなのにな?」 先端を突くように刺激すると、びくびくと手の中でナルトのモノが震える。ナルトの一部でありながら、素直な反応を見せる性器が遠くない解放を待ち望んで居る様に感じた。 「いきてえか?」 耳元に息を吹き込むように囁くと、ナルトの肩がびくりと震えた。瞼をゆっくりと上げたナルトがシカマルを見つめて、唇を寄せてくる。擦り寄る様にしてくるナルトを愛しく思い、その指に力を入れる。 「シカ…」 舌っ足らずな声が脳髄に響いて来るようだ。シカマルは身体をずらすと、ナルトの下半身に顔を埋めた。温かいそれを口に入れると、ぴくぴくと震える先端から先走りが溢れた。口の中でナルトの味を堪能しながら、硬くなった性器に舌を絡めて吸ってやる。 「や…あっ……あっ…シカマ…ンンっ……っ」 筋を通って出てくる精液を最後の一滴まで残さない様に喉を鳴らした。はぁはぁと苦しそうに喘ぐナルトは肩で大きく息をついている。 「シカマルってば!」 呼ばれて顔を覗きこむと、首にナルトの腕が絡みついてきた。ぎゅうっと抱き寄せられて、その体温を感じる。 「…ンだ?」 「今は……こうしてえの…」 息をシカマルに寄り添いながら整えたナルトは恥ずかしそうにしながら、そっとシカマルを見つめる。 「だから、なんだって」 何か言いたそうな顔をしているナルトを見て、シカマルがくすりと笑った。 「あの…だから!シカマルも……」 自分だけが感じてしまった事に罪悪感を覚えるのか、それとも彼なりに盛り上がっているのか、ナルトの手がシカマルの浴衣にかかる。 「俺は後のお楽しみに取ってんだよ」 「…へ? あ、そうなんだってば?」 「まぁな。今夜はお前を帰すつもりねえし」 ナルトは真っ赤になりながら、無言のまま頷いた。その金色の頭をぐりっと撫でる。瞳から零れおちそうな青い光がじいっとシカマルを見つめる。 「好きだってばよ? シカマル…」 「終わっちまったな、花火」 シカマルの言葉にはっとしたナルトは、慌てて空を見上げる。 「あ〜!ホントだ……」 きっとクライマックスを迎えていただろう打ち上げ花火を見逃してしまった。覚えているのは地面を通じて響いて来る音と、シカマルに飲み込まれるような熱い浮遊感だけ。 「見逃しちまったってばよ」 「来年もあるから、いいんじゃねえの?」 「うん…」 来年も、こうやって花火を見に来られたらそれはそれで嬉しい。ナルトはそこで、仲間の存在を思い出した。そして、肌蹴た浴衣の前を合わせてシカマルに手を合わせる。 「オレ…一人で着られねえもん」 「別にいいって。俺ができるから」 その心算でナルトの浴衣を肌蹴たのだ。一人で上手く着られる事ができないナルトが、自分の前から居なくなってしまわない様に。もちろん、彼にそんな事ができないと知っているのだが。自分だけのものにしたい。その存在を自分だけのものにしたい。 皺くちゃになった浴衣を整えてやりながら、シカマルはナルトの額に唇を寄せた。 「シカマル…?」 「ん?」 「どうしたってばよ?」 「ああ、俺もお前が好きだぜ?」 ぎょっとして辺りをきょろきょろ見渡したナルトが、真っ赤になりながらこくりと頷く。 「サンキュだってば」
暫くして仲間と合流した二人は、他愛もない会話を交わしながら興奮の残る人ごみをすり抜けて行く。ひとつの屋台で足を止めたナルトは、袖の中から白い包みを取り出した。屋台に並ぶナルトの背中を見つめたシカマルは、ふっと笑う。これで、またナルトの株が上がってしまうのだろう。 ナルトが買ったのは、ひめりんごの小さなリンゴ飴。真っ赤な飴でコーティングされたリンゴをヨシノとシカクは嬉しそうに受け取るのだろう。それは、予想しなくてもそのまま現実となるのだ。 打ち上げ花火についてチョウジに訊ねられて、しどろもどろに応えるナルトの背中を見つめながらシカマルは満足そうに歩いた。 「たで食う虫も好き好きねぇ……」 「なんだよ、的を得すぎて反論しようもねえんじゃね?」 隣でキバがにやりと笑った。シカマルは肩をすくめる。 「どうだかなぁ?」 ひょうひょうと答えたシカマルは、神社を抜けて仲間たちに手を上げて別れる。もちろんその隣には、リンゴ飴を持ったナルトがチョコチョコとついていった。
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ふと気が付いた。サイを登場させるのを忘れている!
きっと彼が居たら、また違った意味で面白い展開になったのでは…?
しかも、シノは名前しか出て来てません(笑)
夏祭り、おまけバージョンいかがでしたか?
当初の予定ではもっとエロ色が濃くなる予定でしたが、なんだかライトタッチな感じ?
やりたい事(なんかソッチ方面で)80パは削り気味(^^ゞ
帰宅したナルは美味しくシカに頂かれるのでしょう(笑)
いのとナルトは書いてて楽しくて。
どっちかと言うと、サクラよりいのの方が下らない事でナルトと言い合うイメージが…
そして、ヒナたん贔屓はRUIの趣味なので。