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勘違い大作戦!!

 

 

「ハイ。今日の任務、これにて終了!」

 カカシの前に集まったカワイイ下忍たちは、げっそりとした顔をしながら担当上忍の顔を見つめる。いや、睨みつけていると言っても過言では無いだろう。声には出さないが、面々心の中で思っている事は同じなのだ。Dランク任務は単調作業である。もちろん、下忍になったばかりのサスケ、ナルト、サクラにはその上のランク任務は与えられる事は無いに等しい。迷い猫の捜索、とある大名家の草むしり、子守に犬の世話…それが任務と呼べるのかどうなのかも疑わしいくらいだ。それに、「任務」の間カカシは愛読書であるイチャイチャパラダイスを手放す事はなく、一人涼しく気の木陰で寛いで居たりする。なのに、一瞬でも気を抜けばそれはしっかりとカカシにばれており、キツイお叱りを受ける事になるのだ。気を抜きたくなる任務なのに、気を抜く事は許されない。

「それじゃ、俺は報告があるから…マタネ!」

 そう告げると、カカシは三人の前から姿を消してしまった。

「……ねぇ、今日探した猫って、この前も探したわよね?」

 サクラの声は地を這うように暗い。

「それは言わない約束だってばよ、サクラちゃん…」

 答えたナルトの声にも覇気がない。サスケは答える事すらうんざりするのか、むっつりと表情を険しくしているだけだ。

「波の国から帰ってから……前にも増して、単調作業が増えた気がするのは気のせいかしら?」

「だから、サクラちゃん…それは言わない約束だってばよ………」

 二人の乾いた笑いを無視したように、サスケは背中を向ける。

「あ!サスケくんっ、帰るの?」

 もちろん、それを目ざとくチェックする事を怠らないのがサクラの日常である。その声に一応振り向いたサスケはぶっきら棒に頷いた。

「ああ、帰る」

「じゃあ、途中まで一緒に帰りましょ」

 これも毎回繰り返される会話の一つだ。だが、今日のサスケは違った。サクラの後でつまらなそうにしているナルトの姿をじっと見つめて呟く。

「ウスラトンカチ。お前はここにずっといるつもりかよ?」

 急に水を向けられたナルトは驚いたように顔を上げる。いつもなら、さっさと帰ってしまうサスケの後から、サクラが楽しそうに話しかけ、そのもっと後ろの方でナルトがとぼとぼと歩いているのだ。もちろん、三人の帰る場所は木の葉の中心部なので、帰り道もおのずと同じになる。一緒に帰るも何も目的地は似たようなものなのだから、一緒に帰りたくなくても一緒になると言ったほうが正しい。

「オレは…もちろん、帰るけど…」

「なら、ちんたらするな。行くぞ」

 俺様口調は変わらないままサスケが顎をしゃくった。ナルトは呆けた顔をしながら、じっとサスケを見つめる。

「サスケ…悪いもんでも食ったんだってば?」

 自分にはいつも無関心な彼が、急に話しかけてきた事を不思議に思って言葉にすると、鋭い視線がナルトを射抜く。

「ちょっとアンタ!私が作ってきたお弁当に文句でもあるわけ?」

 本日の昼食はサクラお手製の特性弁当。ナルトは否定する意味で慌てて両手を振った。

「誤解だってば!言葉のアヤってやつだってばよ!!」

 サクラは不満あり気な顔でナルトを睨みつけたまま。所詮女の子に口では叶わないものだ。サクラがぶつぶつ文句を言って、それをナルトが必死に否定する。

 そんなありふれた光景に、何故かイラっとしたサスケが口を挟んだ。

「いちいちうるせえな、お前ら。帰るぞ」

 ぴたりと文句を口にしていたサクラのそれが止まる。ナルトは内心ほっとしてサスケに視線を移した。すると、なぜか彼と視線が合った。合ったのはいいが、すぐにそれはそらされてしまう。ナルトはいつもとは違うサスケの態度に、首を捻りながらサクラと二人で先に歩く背中を追ったのだった。

 

 

 

「じゃあ、サスケくん。また明日…って、明日はお休みかぁ」

 サクラの顔が一瞬曇った。明日は久々の休みであり、任務がないのだ。任務があればスリーマンセルとして行動する三人は行動を共にするが、そうでなければ個々の時間を過ごす事が常となる。

「じゃ、明後日!またね〜」

 彼女は極上(ナルト視点から言わせると)の笑みを浮かべながら、かわいく手を振る。サスケはいつものように軽く返事をして、さっさと背中を向けてしまった。ナルトからしてみれば、これだけサクラから好意を寄せられているサスケが羨ましい限りなのだが、彼はそう思って居ないらしい。鼻にかけない態度は女子からはクールだと見られ、本人の知らぬところで株があがっていたりするのだが、サスケにしてみれば関係のないことなのだろう。

 ナルトはため息を着きながら、アパートに帰るために歩き出す。そして、ふと気が付いた。なぜか、視線の先にはサスケの背中があるではないか。方向的には同じようで、少し違う。いつもなら曲がってしまう道を彼はどんどん真っ直ぐに歩く。それは、ナルトの帰り道でもあった。

「おかしいってば…」

 いつもなら、一人でさっさと帰ってしまうくせに、わざわざ誘うような事を言ったり、いつもと違う道順で帰っているサスケ。声をかけようと思えば、十分出来る距離なのだが、なぜかそれをためらってしまう。そんな風に思っていたところで、急にサスケが振り返った。もちろんナルトの歩みもぴたりと止まる。

「おい、ドベ。なにしてんだよ」

「なにって…家に帰るとこだってばよ」

「なら、さっさと歩けよ。ウスラトンカチ」

「べっ、別にサスケはサスケで帰ればいいじゃん!」

 いつもならは、ここで辛辣な嫌味の一つでも飛んでくるのだが、今日のサスケはやっぱり違った。むっとしながらも、じっと同じ場所から動こうとしない。ナルトは居たたまれない気持ちになりながら、てくてくとサスケの元まで歩いていく。

「おい。い…一緒に帰ろうぜ」

「…は?」

 ナルトは一瞬耳を疑う。あまりに驚いてまじまじとサスケを見つめてしまった。

「嫌なのかよ」

「嫌じゃ…ないけど、今日のサスケってば……なんか、いつもと違って調子狂うってばよ」

 最後の方はナルトの独り言に近い。困惑した気持ちが思わず言葉となって、口をついてしまったのだ。

「行くぞ」

「行くってどこに?」

「帰るんだろ?」

「でも、サスケのうちってあっちじゃなかったっけ?」

 十字路に差し掛かって、サスケが行こうとする方向と逆の方を指差したナルトは、じいっとサスケを見つめる。

「…………ラーメン食ってこうぜ」

 ナルトは思わず背筋が凍りつきそうな寒気を感じる。サスケの言葉を頭の中で反芻してみた。

サスケとラーメン。サスケとラーメン…サスケとラーメン……?サスケとラーメン?!

やっぱり、今日の彼はおかしいのだ。絶対におかしい。サスケの口から、誘い文句のような言葉が出る事自体なにか間違っている。

「…いや、あの…」

「はぁ?嫌だと?」

「違う…その、オレ、今日財布忘れてきたんだってばよ!……今度、サクラちゃんも一緒に行こうってば!」

 ナルトからしてみれば、咄嗟に口にしたとは言え、最高の逃げ口上の……はずだった。

「ンなこと心配すんなよ。俺が持ってるから、カンケーねえだろ」

「えええええっ!サスケの奢り?」

 ナルトはぶんぶんと顔を振る。本来ならば、「奢り」と言われれば二つ返事なのだが、相手がサスケである。

「文句あるのかよ」

 ふいっとナルトから視線を外したサスケの頬が少しだけ赤い。ナルトはなんだか不思議な気持ちになった。いつも、「バカ」だの「ドベ」だの、加えて「ウスラトンカチ」しか口にしないサスケが、まるで照れたように視線をそらしている。ナルトは正直困ってしまった。素直に受けるべきか、逃げるべきか。もしかしたら悪い夢を見ているのかもしれない。

「う〜ん…」

 思わず声に出して唸ってしまうと、サスケの視線が鋭いものに変わった。ナルトは思わず言葉を失って、どうしたらいいのか分からない状況にたじたじになるしかない。

 サスケは内心、苛立ちを感じていた。ナルトを誘う所までは上手くいったはずなのに、肝心のナルトの態度は腰が引けている。彼の大好物であるラーメンを持ち出したというのに、食いつきが悪い。今までの自分の考察から言えば、両手離しで抱き着いて喜んでくるはずである。イルカ相手にはいつも熱烈に抱擁を繰り返しているではないか。自分はどこで間違ったのか、皆目検討がつかない。とりあえず、逃げ道をふさぐ事には成功しているので(と、サスケは思っている)アクセスは間違って居ないはずだ。なのに、目の前のナルトは、どう見ても気乗りしないと言った風だ。

「ちっ、おかしいじゃねえか」

 デートと言えば、まずはメシ。そう考えた結果がこれでは立つ瀬が無い。

「お前、俺と一緒じゃ嫌なのかよ」

 その言葉一つ一つがキツイ物言いになっている自覚はサスケにはない。

「……お、奢りなら…行こっかな」

 ポツリと呟いた声は観念したかのような覇気のない声。もちろん、ナルトとラーメンにごきつけたサスケにはそんなナルトの気持ちは完全無視である。高笑いをしたいのを堪えながら、口元に笑みを乗せる。それがまたナルトからしてみれば、不適な笑みに見えるのだから、彼の努力は虚しいものだ。しかも本人にその気がない所が、すれ違いの始まりでもあるのだが。サスケは汗ばむ手を握りなおして、ナルトの手を取る。呆気に取られたナルトは、急に引き寄せられてバランスを崩してしまった。そして、気持ちとは裏腹にサスケの身体に体当たりした形になってしまう。難なくそれを受けとめったサスケは、天に昇りそうな気持ちを味わいながら、ナルトの身体を受け止める。

「なっ、なにフラフラしてやがる…」

 抱きとめた体が、思ったよりも細い事に胸の鼓動が高鳴るのを止められない。

「あ…悪りぃってば!」

 慌てて離れようとするナルトを制止して、握った手にぎゅっと力を込めた。それに、益々ナルトの顔から血の気が引いていくのだが、もちろんサスケにはそんな事は目に入っていない。第二段階成功!だと心の中でガッツポーズを取る。

「照れてんじゃねぇよ…」

「普通、恥ずかしいってば!オレ、別に逃げねぇし…」

「保障はねえな」

「男同士で手ぇ繋ぐの、めっちゃ恥ずかしいってばよ!」

 サスケは心の中の声はこうである。「バカヤロー。デートに手を繋ぐのは当たり前じゃねえか、ウスラトンカチ!まぁ、照れてるお前も可愛いけどな…」

ぐいぐいと引っ張られて歩くナルトは、捕獲された小動物のように動揺している。もちろん、ナルトに「デート」などという単語は一切浮かんでこない。言うなれば、サスケの嫌がらせにしか感じないのだ。それでも、素直に着いていく事に決めたのは、心底サスケの態度に慄いているからに過ぎなかった。サスケが感じているような甘い雰囲気など微塵もない。

ずんずんとサスケに引きずられるようにして歩いて、見慣れた暖簾を目にしたナルトは心底ほっとした。さっさとラーメンを食べて、サスケとさよならしなくてはいけない。

 カウンターに横並びに座って、サスケがメニューを見上げている。その横顔は普通に見えた。

「おい、お前のおすすめはなんだよ」

 ナルトに視線を移したサスケの顔が妙に近く感じる。思わずナルトが離れると、ずいっとサスケの顔が近づいてきた。

「なに逃げてんだよ」

「に…逃げてねぇってば」

 本当は逃げている。いや、逃げ出したい。至近距離にある整った顔が、妙に怖く感じる。人間、いきなりかわろうと思って変われるものではないのだ。もともと無愛想な表情をしている上、整った顔をしているものだから、人からは冷たい雰囲気で見られる事が多いサスケである。

「オレ、味噌ラーメンにしよう!うん…そうするってば。一楽のラーメンはなんでも上手いってばよ。サスケは何するってば?」

「お、俺か?そうだな…お前のおすすめは味噌か」

「味噌以外もうまいってば!」

 サスケの機嫌は上々である。まるで、恋人同士の会話みたいではないか。ほくそ笑むのを止められないほどに。

「おいおいナルト〜。いちゃついてねぇで、早く決めやがれや」

「おっちゃん!ちょっと待ってくれってば。サスケは一楽デビューなんだってばよ?」

 カウンターの向こうで笑う親父は、珍しく連れを伴ってきたナルトを茶化すように笑う。だがすでに隣でぎゃーぎゃーとうるさいナルトの声は、サスケの耳には届いていない。

「い…いちゃつく…っておい、俺たちそんな風に見えんのかよ。それって、お似合いカップルみたいな…感じ?いくら俺たちがお似合いでも、人様の面前でいちゃつくはねぇよな…いや、落ち着けよ。俺。認められてるって事だろ。周知の事実?既成事実はこれから作るとこだってのに…やべぇじゃねえか」

 思わず心の内が口をつくが、もちろんナルトにそれが届く事は無い。親父とラーメン談義を続けるナルトにはサスケの声は蚊の飛ぶ音よりも小さいのだ。

「で、サスケは結局なんにするってばよ?」

 顔を覗きこまれてサスケはたじろぐ。自分から接近するのは構わないが(心の準備をしてからなので)相手からされるのは別だ。体温が上昇するのを感じ、思わず水を一気飲みする。

「俺も…味噌に、する。……ナルトと同じで

「おっちゃん、味噌ふたつね!」

 見事にサスケの言葉尻をスルーしたナルトは、もうすぐ食べられる味噌ラーメンの事で頭一杯なのである。サスケは、「ちょっと待て、どこまでお前ウスラトンカチなんだよっ!」と叫びだしたい気分になった。勇気を振り絞っての一言を見事スルーですか?さり気無く、名前呼び捨てですよ?と言う感じなのだ。

だがサスケは、ふふふ…と笑う。どこまで知らん振りを続けるつもりか知らないが、今日は問屋が卸さない状況まで追い込んでやる予定なのだ。

「今に見てろよ、ウスラトンカチ…」

 

 

 サスケの一日は、始まったばかりなのである。

 

 

 

 

 

 

 

しルル様より、リクエストいただいたサス→ナルです。

勘違いしてんでしょう。私…サス→ナルっぽくない??

また続いてますよ。また…はぁ。

サスケ、どうすんでしょうね。こんだけ熱く片思いで(一応、思ってます)

違うのかな。サス→ナルじゃないかもしれない。

どうしよう(大焦)

ゴメンナサイ!