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悪戯 4

 

 

 シカマルの顔が近付いてきたと思ったら、急に唇を塞がれてナルトはびっくりする。角度を変えて重ねられる唇に声が漏れた。

「ん…あ…」

 薄っすら開いた口の間から、シカマルの舌が侵入する。熱いそれに絡め取られながら、意識がぼうっとするのを感じた。シカマルの手は、ナルトの襟の合わせと後頭部に固定されている。逃げようとしても逃げる事も出来ない。シカマルの行為を甘受してしまう事になるのだが、ナルトにとってもその行為事態が嫌な訳ではなかった。ただ、単純に驚いてしまったと言うだけ。

「ちょ…シカ…」

 息をつく間にシカマルの名前を読んでみるのだが、答えは熱い口づけだけであった。

「ふ…あ……んっ」

 身体がゆっくりと布団の上に倒される。やっとシカマルの唇から解放されて、荒い息を整えていると自分を覗きこむシカマルの瞳があった。寝そべったナルトの両脇にはシカマルの腕があり、じっとナルトの事を見つめている。

「あの…シカマル?」

「どした?ナルト」

 ようやく名前を呼んでもらえて、何故かほっとしてしまった。

「いきなりキスすんだもん…びっくりしたってばよ」

「一緒に寝ようなんて、ナルトから大胆に誘われたら嬉しいだろーが」

「一緒に…て、寝るって…眠るってことじゃねえの?」

「ん?それも込みで寝よう…だろ。普通」

「ふ…ふつうか?」

 ナルトは真剣に考える。その様が可笑しくて、シカマルはつい笑ってしまった。

「そーゆうとこ、可愛いよな。お前…」

「む。可愛いとか言われて喜ばねえって!オレは男なんだから〜」

 不満そうに頬を膨らましたナルトに、ちゅとキスをする。そのまま首筋に唇を移動した。ぴくりと反応したナルトは、ちらりと視線をシカマルに送った。彼はとても嬉しそうと言うか楽しそうである。ナルトの浴衣の合わせを肌蹴ながら、悪戯な指先を胸元に滑らせる。その間も、シカマルから啄ばむ様なキスを送られて、ナルトは意識がぼうっとなるのを感じていた。彼に愛される行為が心地よくて、思わず目を瞑る。キスをされるのは嫌いではない。寧ろ好きだと言える。抱きしめ合ってお互いの温もりを感じるのもいい。その先へ進んでしまっても、シカマルの事が本当に好きで、彼を求めているんだと言う事が認識できて、恥ずかしくても気持ち悦い。心も身体も全部がシカマルという存在を受け止めようとする。その時間はナルトにとっては心地よいものなのだ。

「あ…んっ」

 両方の乳首を同時に責められて、思わず声が漏れる。ナルトがどうすれば弱いのかはシカマルにとってはお手の物だ。片方を親指と人差し指で弄り、片方は舌先で愛撫する。

 風呂で湯あたりしたのとは違う意味で、シカマルの与えてくれる快感に酔ってしまっている。シカマルは素早く腰帯を解いた。着せるにも脱がせるにも丁度いい浴衣という寝間着は、前を肌蹴てしまえばすぐに肌を重ねる事ができた。もちろんナルトの腰帯も同様に解く。寝乱れたようなナルトの痴態を見て、シカマルは眩暈を覚える。こんな顔をさせているのは自分なのだという優越感と、自分を誘ってくる瞳に満足そうに笑みを作った。ゆっくりと脇腹を摩るようにして、掌を移動させる。その間も、胸の突起を口に含み先を舌で苛める。

「あ……ああ…ん…っ、あ」

 どこもかしこも感じてしまう身体が、ビクンビクンと跳ねる。ナルトの下着の中に手を滑らせると、中心で息づくものからは先走りが零れていた。

「感じやすいな…」

「はっ…ん…あ…だって…」

 ナルトの腰を上げて下着を脱がせると、まだ完全に勃ちあがっていない性器がぷるんと現れる。その先の割れ目を擦るようになぞると、ナルトが甘い吐息を漏らす。ナルトの陰茎が形をもってくるのを楽しみながら扱くと、手の中のものがぴくぴくしているのが分かった。

「足、開けるか…?」

 ナルトは素直に両足を立ててから開いた。いつもなら嫌がる行為なのだが、快感の波に飲まれている時のナルトは従順に近い。

「そん…な、強くしたら……出る…てばぁ…」

 ナルトの言葉を聞いて手の動きを止めたシカマルは、はぁはぁと息を切らすナルトの頬にキスをする。

「出してえだろ?」

「……シカマルは?」

 自分だけが快感に溺れている事がナルトにとっては嫌だった。ナルトが乱れる様を見て十分に興奮してしまっているのだが、ナルトは直接的な刺激の事を言っているらしい。

「気にすんな」

 シカマルは言うと、目尻にたまった涙を舌先で掬う。それから身体を移動させた。ナルトはそれだけで、シカマルのしようとすることが分かる。

「やっ…シカ!」

 両足をいっぱいに開かされたその間にシカマルの息を感じた。そう感じた瞬間に、ねっとりと絡みつく舌の感覚がダイレクトに伝わってくる。口でするこの行為をナルトは嫌がる節がある。だけれど。シカマルからしてみれば頭の先から足の先まで愛しいナルトなので、全てを愛撫したいのだ。手でするのとは違う感覚でナルトを追い詰めれば、苦しそうなそれでいて歓喜のような声が聞こえる。

「は…や…や…んっ…アア…ああ…」

 根元から先にかけて、丁寧に舌を這わせる。興奮して大きくなった先を舌で弄ってやると、内股が引きつっているのが見えた。口に含んで上下する単調な動きに、ナルトがぶるぶると震えた。

「いけよ…」

「う…は…ん、あ……」

 ナルトはどんどんと高みに追いやられる感覚に背をのけぞらせる。勢いよく口の中に放たれる物をシカマルは口に含んだままでナルトの身体を反転させた。そのまま腰だけ高く上げる態勢を取らせる。

「あ…やっ!」

 口に含んだ生温かい体液を、後腔の中に入れるように少しずつ口から出した。人差指と舌先で器用にナルトの中に入れて行く。もちろん全ては無理な話である。だから、指先でそれを絡め一緒に後腔に入れた。入り口は狭くシカマルの指の侵入を阻むが、奥まで挿入すると絡みついてくるようにその指を求める。中の熱い肉襞を擦るように、ナルトの感じる場所を探し。

「………あ……ンン…や…っ……」

円を描くようにぐるりと人差指を動かし、中指は鍵状にして感じる部分を擦る。

「ああ……は…ン…あっ……ああ…シカ…」

 中を解すように抽出を繰り返しながらも、的確にナルトの快感を呼び起こすように指の本数を増やす。開かれた後腔の隙間から、先程シカマルが中に入れた残滓が滴る。その淫猥な光景がシカマルの欲望に火を灯すのだが、枕に顔を埋めているナルトは気が付く事はない。

「や…っ、も…シカマル!……はぁ…」

 シカマルは覆いかぶさるようにして、ナルトの耳元で囁く。もちろん、ナルトの中に埋めた指の抜き差しを繰り返し、ナルトに肌の擦れる意識を植え付けた。

「ナルト…悦いか?」

「シカ…もう、…」

「ん?ちゃんと言えって…」

 シカマルの声が甘い。甘い甘い危険な毒のように、身体全体に侵食していく。下肢に溜まる熱の解放と、指とは違うものが欲しい。素直に口に出来ないのは、最後まで残っている僅かな理性の所為だ。

「ナルト」

 名前を呼ばれる度に、遠のきそうになる意識に快感が重なり頭がどうにかなりそうだ。

「挿れて…くれってば……んっ、…あ…シカマルが、もっと…奥に欲しいって…ばよっ…」

 指だけでは物足りない。それだけでは満たされない。ナルトにはそれは嫌というくらい分かっていたが、直接口にすると、泣きたいくらい恥ずかしくなる。

「もっと…奥か?」

 言葉にするのも億劫で、必死になってこくんと頷く。

「シカ…っ、欲しいってば…」

 甘えるようなたどたどしい口調は舌っ足らずでまるで子供のようだ。貪欲に自分という存在だけを求めて欲しい。シカマルはナルトの懇願するような声に満ち足りた気分になる。ゆっくりと指の存在を認識させるように引き抜くと、代わりに熱く滾るモノを収縮する後腔に当てる。緩やかにそれをナルトの中に埋め込んでいった。

「んっ…く…はああ……っ」

 性急にことは進めない。少しずつナルトの中に入る事で、ナルトの内壁が自分のものに絡みつくのを楽しむ。それは、ようやくナルトと一つになれるという悦びを伴う。まるで獣のような態勢は普段は好まないが、今の気分にはぴったり合っている気がした。

 ナルトの全てを侵食したい。食らい尽くしたい。逃げようとする腰をがっちり捕まえて、最後は一気に突き入れた。

「ああ…アア…あ、あっん…あ、あ…」

 息をするのも惜しむくらいに、ナルトに溺れる。鼻から抜けるような甘い喘ぎ声が自分を狂わせる。ただ身体が求める、性的な行為ではなく、お互いの存在を、思いを認識するための行為。性を紛らわせるだけならば自慰行為だけで十分だ。だけれど、人と人が触れ合う温もりと、引き出される熱い欲望という愛情は、身体を重ねる事で得られる、満ち足りた愛の形だと言える。

 仰け反るナルトの背中に、キスを降らせる。自分のものだと言う刻印を刻みながら。唇が離れる度に散る赤い花弁に、生々しい優越感を感じるのだ。

「ナルト…」

「あっ…シカマル…っ!」

 大きく腰をグラインドさせながら、うねる白い背中を見つめた。それを掻き抱くように腕の中によせて、ぴったりとナルトにしがみ付いた。

 いつも、ナルトと言う一人の人間に固執してしまう。口にはしないけれど、きっと自分の方が彼を求めている。だから、姑息な手を使っても彼を手中に入れたい。抱きしめていたい。喘ぐ声も、甘い吐息も全て飲み込んでしまいたい。偽りもなにも必要がない、今と言うこの瞬間に熱い迸りをナルトの中に注ぎ込んだ。

 大きく息をついているナルトを背中から抱きしめる。

「…ん、シカマル…」

 振り返ってシカマルを見つめる大好きな青い瞳が、快感によって潤んでいる。蕩けてしまいそうな視線を向けられて、ナルトの言いたい事が分かった。ナルトの身体を正面から抱きしめて、口づけをを落とす。

「あ…シカ…」

 ちゅっちゅっと瞼に頬に唇に、キスを送る。ナルトは唇を合わせるという行為が好きなのだ。安心するのか、細い腕をシカマルの首に回して身体を引き寄せた。

「こんな無理ばっかして…明日は、合同演習だってばよ?」

 拗ねたような口調。それでも、肌を重ねた事にたいする不満は口にしない。もちろんナルトも同意の上でのことなので、彼なりに満足しているのだ。

「だから、俺が一緒だから…めんどくせえこと、考えんな」

「む〜っ。なんだってばよ、ソレ」

「今はお前の事だけ考えたいって事だよ」

「…うん」

 寝乱れたように皺くちゃになった浴衣でナルトを包んだ。

「怖くねえだろ?」

「考える暇なかったってばよ?」

 くすくすと笑うナルトの声。何故かそんな些細な事にシカマルの心も癒される。

「抱いててやるから、寝ろよ」

「ずっとだってば…?」

 少し遠慮がちな科白にシカマルは笑顔で返事をする。

「問題ねえな…」

 受け止める側の方が疲労を感じるのは確かな行為であり、すやすやと眠りにつくナルトの寝顔を見ながら、シカマルは知らずと優しい笑みを浮かべるのだった。

 求めても、求め足りないような乾いた感情がナルトの体温を感じるだけで安堵するのだ。ささくれだった神経が、安らぎを求める。夢の中に行ってしまったナルトには届かない思いなのかも知れないが。

 

 

 翌日の合同演習では、バテにバテたナルトを密やかにフォローするシカマルが、業とらしくない距離でナルトの近くに居た事は言うまでもない。

 

 たまには、悪戯心も、

 恋情の隠し味。

 

 

 

 

  

 

 

 

 

なんてーか、たまには(?)……

って感じに進んできた話なんですが(-_-;)

いたしてるだけ?

いやいや、違いますよ。

愛を確かめ合ってんです。

シカの悪戯大成功の巻。