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Gradation
海に行こう、そう言い出したのはどっちだっただろう…?
目の前には、青い海が広がっている。夏も終わりに近づいている今では、海水浴をしている人影も見当たらない。まだ、真上に登った太陽はギラギラと強い日差しを放って居ると言うのに。 砂浜の上に座ったシカマルとナルトは特に会話もなくぼうっと、海を眺めていた。その心地よい沈黙を破る様に、ナルトが呟く。 「シカマル〜、海も青いし空も青いのに…違う青だってばよ?」 その手は、さらさらの砂を掌ですくって、それが指の隙間から元あった場所に帰っていく。重力に逆らわない当たり前の光景を目にしたシカマルはくすりと笑った。 「そりゃ…青にも色々あるからな。いいじゃねえか、グラデーションも」 「だってばね〜…すげえキレイ」 白い砂浜に、濃淡のある青い海。その上には、空色が続いて、砂浜とは違う白の入道雲がコントラストを強くする。様々な色が溶け合って調和していた。ぎらぎらと照る太陽に浪間が反射する青もいい。 直射日光を浴びないように木陰にいるのだが、きれいすぎる景色は変わらない。 「ナルト」 「ん?」 名前を呼ばれて、顔を上げる。 その顔を覗き込んだシカマルが優しい笑みを見せた。その笑みにナルトの心臓がドクリと鳴る。するりと頬を撫ぜたのは、潮風でなく彼の指と掌で。その瞬間、もっと鼓動が激しくなった。 シカマルはじっとナルトの瞳を覗きこんだ。自分だけを映す変わらない青。自分だけを見つめる、変わらない色。 「俺が一番好きな色は、……お前の色なんだぜ?」 「オレ…?」 「ああ」 空を見上げてその流れる雲が好きだった幼少期。それは今でも変わる事はないけれど、一番自分が好きな色がナルトの瞳の色だと、最近は確信している。 金色の髪は太陽と同じ色で、光に透けて見えるのがきれいだ。光があるときも、月明かりでも、その瞳の色は趣を変える。誰も知らない、きっとナルト自身も知らないシカマルだけが知っている秘密の様だ。憂いを含んで艶を乗せて見つめてくる瞳も好きだ。言葉でなく視線で求められると、下半身に熱い熱が溜まる。乱暴に抱きしめて、その全てを奪いたい衝撃がどこかで生まれる。 「オレの色って?」 意味の分からないナルトは、眉間にシワを寄せながらシカマルの袖をちょんちょんと引っ張る。 「ナルト色」 「なんだってばよ、その説明。意味わかんねーってば」 ぷうっと膨れた頬を指先で突くと、ナルトが噴き出す。くすくす笑いながら、項垂れる様にシカマルの身体をぎゅうと抱きしめる。 「おかしいの〜…シカマル」 「うっせーよ」 「ホントの事言われてるから、うるせえって思うんじゃねえの?」 「減らず口」 シカマルは一石二鳥の手を思いつくと、それを本能で行動に移す。抱きついてきているナルトは、まだくすくす笑いをやめない。だから、その身体を白い砂浜に縫い付けた。驚いたように見つめてくる瞳は、やっぱり自分しか映していない。ぱちぱちと瞬きを繰り返した瞳に唇を落として、それから頬を辿り、本来の目的を達する為にナルトの唇を探す。 奪った唇は、甘くて。 「シカマル…?」 もうこんなにも、声が甘い。この熱気にやられてしまったような、溶けてしまった様な、甘い甘い声。その声が自分の名前を呼ぶ。それにはどんな意味が含まれているのか。それを考えるのもシカマルの楽しみの一つだ。 「は…っ…あ…」 再び口付けを落とすと、鼻から抜ける様な声がシカマルを誘う。絡めた舌は熱い。火傷しそうに、なのに蕩けてしまいそうに甘くて。毒を孕んでいるように、身体の奥に侵食していく。歯列を割りながら口内を犯しつつ、掌がナルトの身体を辿る。 「ナル…」 「あ…はっ…ぁ…」 「どうした?」 上着越しにシカマルの指がナルトの胸の飾りを愛撫した。震える肩が可愛い。指先に触れる感触をぐりっと撫ぜる。 「や…っ…だめだ…って!…ンンっ…」 シカマルが上着のファスナーを下ろして、Tシャツをたくし上げる。布越しに刺激された赤い果実が白い肌に映える。親指の腹で愛撫しながら、片方を口に含む。 「シ…シカっ…!」 否定しているのか肯定しているのか。ナルトの声に重なる妖艶な雰囲気が太陽の下だと言う罪悪感を払拭してしまう。ぺろりと赤い舌が乳首を舐め上げると、びくりとナルトの身体が震えた。傷つけないように歯を使って刺激すると、甘い嬌声が漏れる。 「や…ああ…っ、ン…あっ」 ナルトは浮遊する身体の感覚に、身体も頭も意識すらどこかへいってしまいそうな気になっていた。今見えるのは、緑に生い茂る葉とその隙間に見える青い空の色だけ。身体はシカマルの指と舌と唇と、彼全体で上り詰める。吐く息が熱い。熱くて熱くて、触れられている個所から溶けてしまいそうになる。口から洩れる声も甘ったるい。それを発しているのが自分なのか違うのかも分からなくなる。 シカマルの手が遠慮なく下衣に伸ばされた。それを拒む事もできない。どこかで望んでしまっている。シカマルに触れられる事と、彼と一緒にどこかに昇りつめたい気持ちが。 交差する感覚の中で、下半身に直接的な刺激が与えられた。 「あ…んっ…やあ…シカマル…ってばっ!」 身体は拒んで居ないのに、理性の端で何かが警告している。チカチカ瞼の奥で光る黄色信号。卑猥な指の動きに、すぐに反応してしまう素直な身体が熱をため込む。 「シカ…マ…」 唇を奪われた。それ以上の言葉を飲み込む為のシカマルの作戦だ。だがすぐに言葉とは裏腹の応えるような舌の動きに口の端が笑みの形を作る。 「ナルト…」 唇が触れたまま名前を呼ぶと、ゆっくりとその瞼が上がる。 「二人で、溶けちまおうぜ…?」 シカマルの声が言葉になって脳髄に響く。それは甘い甘い誘惑。 「あ…」 「ナ〜ルト…」 「シカマ…んんっ…」 見開かれた青がうっとりと瞼の奥に隠れる頃、二人は砂浜に身を預けた。
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この話は、元ネタがあります。
ブログでたまにSSなどを書いているんですが、その一つです(笑)
いつか清書しようとか思って書いた、軽いシカナルでした。
そのSSは爽やかに二人で海を眺めてるだけなんですが…
なんですかね〜手を加えたら、ほのかにピンク色になったさ!
ちょっと笑える。
時間のある人は元ネタも読んでみてください。笑えます!