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七夕
「よく降るなあ…」 窓を伝う雨粒を見つめながら、シカマルが読みかけの本をパタンと閉じた。今日は七夕だ。つい数日前、木の葉でも大きな笹が飾られた。子供たちが色とりどりの短冊に願い事を書いて吊り下げていたのを思い出す。 「去年は晴れてたってばよ?」 「よく覚えてんな、お前」 シカマルは素直に驚いてナルトの顔を見やる。ナルトはへへっと照れたような笑みを浮かべながら隣へと移動してきた。ナルトの部屋の彼のベッドの上。読書を終えたシカマルの腰にナルトがぎゅうっとしがみつく。そんな恋人が可愛くて、額の髪を梳きながらちゅっと唇を落とした。一瞬、吃驚したように目を見開いたナルトだったが、その先を強請るようにそっと瞼を閉じる。吝かでないシカマルは誘われるままナルトの口唇に自分のそれを寄せる。誘われるように除いた赤い舌を絡めとり、口づけを深くしていく。 「…ん…っ、ふ…」 上唇と下唇を交互に唇に含み、舌先で腔内を犯していく。深くなるキスにナルトがとろんとした視線をシカマルに送った。青い瞳には涙の膜が張り、いつもよりもその色を濃くしているような気がする。 「去年…」 「ん?」 掠れたナルトの声が艶を帯びている。 「たまたまシカマルが里に居なくてさ」 七夕の話の続きをしてくれるらしい。柔らかい金糸に指先を絡めながら、シカマルは話を聞くことにした。 「でっかい笹の下に露店とかいくつか出てて、サクラちゃんとサイと三人で回ったんだってばよ」 「へえ、そんな話知らねえな」 「七夕飾りがいっぱい風に靡いてて、めっちゃキレイだったんだって。せっかくならシカマルと一緒に見たかったなあって思って、去年の事覚えてた」 つっとシカマルの指がナルトの耳朶にかかると、くすぐったそうに体を捩る。だがそれもすぐに性感に変わり、誘われるような視線をナルトから送られた。 「彦星と織姫は逢瀬を楽しんだってのに、俺たちは仕事で離ればなれなんだから皮肉なもんだよな?」 「ん〜…でもオレ1年に1回しか会えねえのとか我慢できねえってばよ」 「なら任務にも励まねえといけねえな」 可笑しそうに口にするシカマルの言葉にナルトはくすりと笑うと、シカマルの頬に掌を滑らせる。 「今日は休みだってばよ?」 「せっかくの雨だしな。空の上の二人の代わりに楽しむか」 揶揄する言葉に真っ赤になったナルトは再びシカマルにぎゅうっと抱き着く。 「照れてんじゃねえよ」 「恥ずかしいってばよ」 「そんな事考えられなくしてやるよ」 「シカマル!」 抱きしめられ逃げ場所も全て奪われて、唇を貪り合う。
雨はやまない。 二人の熱はすぐに一つになって蕩けていく。 |
2015/07/10