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WILL side shikanaru
「ただいまだってばよ〜v」 ナルトは愛しい人の腕の中に飛び込んだ。ここは自分のアパートの寝室。誰も邪魔をする者はいないので、ぎゅうっと首に抱きついた。さっき会ったばかりだが、こうやって抱き合うのは久しぶりだ。 「大変だったな、我愛羅のこと」 「シカマルも中忍試験で忙しいんだってばよ?」 ナルトを受け止めたシカマルは久々に味わうナルトの温もりを感じて頬を緩めた。 「ああ、クソめんどくせぇ…。でも、お前次の任務入ってんだろ?」 サクラがサソリから聞いた大蛇丸の情報。その情報を元に、天地橋へ向かう。カカシの代わりに隊長を務めるヤマトと、新しくメンバーに加わったサイ。サイの事を思い出して、ナルトは暗い気分になった。 「なんか疲れてきたってばよ」 木の葉に帰ってきて、すぐに砂隠れの里に向かった。顔をつき合わせていても、こうやってシカマルと二人で過ごすのは久しぶりである。 「悪かったな。力になれなくてよ」 「いいってば…シカマルと一緒に行けたら嬉しかったけど、な〜んてな」 一時間後には木の葉を発つ。それまでの僅かな時間だが、こうやって一緒に居られるのだから素直に嬉しい。二人の時間は確実に流れていて、取り巻く環境も変わりつつある。でも、変わらない感情もある。 「大好きだってばよ。シカマル」 シカマルの手が顎に掛かって上を向かせられた。近づいてくるシカマルの気配にナルトは目を閉じた。火傷しそうなくらい熱い口付けが、ナルトを侵食してゆく。 「あっ…ん、シカ…マ…」 舌を絡め取られ、吐息の一つですら飲み込まれてしまいそうな口付け。角度を変えられ深く深く、溶けてしまいそうになるくらいの熱を分かち合う。唇を離した後、シカマルはしっかりとナルトを抱き締めた。 「身長伸びたな…まだ細いけど」 「へへ〜っ。サクラちゃんも驚いてたってばよ!」 嬉しそうに笑ったナルトの顔が急に曇る。シカマルはその急な変化に眉を上げた。 「そう言えば…我愛羅がシカマルに会いたいって…」 「はあ?なんであいつが俺に会いたいんだよ」 「…それは」 我愛羅からナルトの恋人に会いたいと言われたのだ。告白もされてしまった。シカマルになんと話せばいいのか迷ってしまう。 「こ、今回の事、綱手のばあちゃんに礼を言いたいらしいってば…」 「それと俺と会いたいのと、どうゆう関係があんだよ」 「木の葉に来るついでに、シカマルと会いたいんだってば」 「ついでぇ?」 シカマルはすぐにナルトの腹を探るために目を細める。じっと見つめると、気まずいのか顔をそらされた。ナルトは嘘をつくのが下手だ。すぐに顔に出てしまうから、最初からそんな馬鹿な事はしないだろう。考えられる事は一つ。話の確信を口にしてないのだろう。 「お〜い、ナルト。なに隠してんだ?」 「…なんのことだってば?」 「我愛羅が俺に会いたいなんて、百歩譲ってもあり得ねぇ」 言い切るとナルトは困ったようにため息を吐いた。 「だから…その、なんてーかな……う〜ん」 「嘘はついちゃいねぇが、なんか隠してんだろ」 「隠してんじゃなくて、言いたくねーんだって…」 「言えよ」 離れていったナルトの身体を手繰り寄せると、背中から抱き込む。すぐに身体の力を抜いてくったりとシカマルにもたれ掛かったナルトはぽつりと呟いた。 「オレのコイビトに会いたいって言われたんだってばよ。オレの…好きな人はシカマルだろ」 「お、いきなりの反撃!」 茶々を入れると、ナルトの頬が膨らむ。 「悪りぃ、悪りぃ…続き話せよ」 「これで終わりだってば」 「どうしてナルトの恋人に我愛羅が関係あるんだ?」 シカマルの指摘は的を得ている。ナルトは言葉に詰まった。この男はどこまでお見通しなんだろうか。観念した気分になって、仕様がなく事の次第を口にする。我愛羅が自分に好意を抱いていると言う事。上手く伝えられる自信がないので、我愛羅が自分に向けてくれた言葉を素直になぞってみた。 「そりゃあ、熱烈な告白だなぁ」 頭の上でしたシカマルの声は、ちっともふざけた様子はなく逆に関心しているように聞こえた。 「誰でもなくナルトに思われたい…か。思ってても、口に出来る言葉じゃねぇ」 「シカマル?」 「しかも、お前が幸せならそれで満足なんてな」 「シカマルは我愛羅に負けるってば?」 「負けたらどうすんだよ」 ナルトはシカマルの腕をどけると、彼の顔を覗き込む。少し怒ったようにつり上がった青い瞳。 「オレはぜってー負けねぇし!」 ナルトの言葉にぽかんと口を開けたシカマルは、次の瞬間吹き出していた。久々にナルト節を聞いたような気がする。彼の言動はツボにはまるのだ。 「訳わかんねーって。お前、誰と勝負すんだよ」 「あ?」 ナルトは頭の中に浮かんだ疑問符に、う〜っと唸った。シカマルは柔らかい金の髪を指ですくとにやりと笑った。 「お前、時間。あんまないんだろ?」 「……ない」 サクラたちとの待ち合わせまでの時間はどんどん迫ってきている。時計を確認したナルトは、のそのそと準備を始める。忍具の補充はしなくてはならない。 「ナルト」 起き上がったシカマルはベッドの上に座って、ナルトを見つめていた。振り返ったナルトは、シカマルをじっと見る。 「なんだってば?」 「愛してるぜ」 「…!?」 ナルトは手にしていたクナイを思わず落としてしまう。真っ直ぐに床に落ちて刺さったクナイを見てナルトの血の気が引く。 「もうすぐで足に刺さるとこだったってばよ!」 「気ぃつけろ」 「シカマルが悪いんだろーがっ!」 「悪くねーだろ。俺は」 同じ男である我愛羅になぜ愛の告白をされてきたのか知らないが、油断も隙もないとはよくいったものだ。誰とでも仲良くなれる性格は好ましいが、それが恋愛対象であることは好ましくない。シカマルは面倒くさいことになりそうだと、人知れずため息をついた。ナルトとゆっくりとできるのは随分と先になりそうだ。自分よりも忙しいだろうナルトの後姿を見て、「しょうがねぇな…」と呟いた。
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「WILL」は基本我愛羅→ナルトです
でも、シカナル前提なのでシカナルもセットにしよう〜♪
とか思ってしまって(汗)
続くのね…こっちも。