グルメ

 

 

 

 

 衝動的な愛の……

 

 

「ナルト…」

 名前を読んでくれる声が優しい。

「うん」

 だからなのか、思わず先に行動に移してしまっていた。ぎゅうっとシカマルに抱きつく。息を吸い込むと身体中がシカマルの匂いで満たされる。

 

ねえ、こんなに些細な事で幸せを感じるって、やっぱり好きって事だよな?

 

 言葉にしたくても上手く言えない。だから、ナルトはシカマルに抱きつく腕に力を込めた。しがみ付くみたいに胴体に腕を回して、思い切り彼を感じる。胸に寄せた頬に、直接的なシカマルの体温も感じた。

「シカマルに会えて、すんげー嬉しい!!なんかさ、旅が始まってもう毎日ってくらい色んなアクシデント続きで大変だったんだってばよ」

 聞いてほしい。他愛のない話だけれど、シカマルにだったらどんなちっぽけな事も聞いてほしい。何があって、どう感じて、どんな風だったのかも。

 肩を寄せて寄り添うのもいいけれど、今はシカマルにしがみ付いくみたいに引っ付いていたいのだ。

「……シカマルに会えて、嬉しいってばよ?」

 飾り気もない素直な気持ち。口にして初めて自分が寂しかった事を思い知った。曖昧なほどの計り知れない不安もなかったと言えば嘘になる。航海の間中、困難としか言いようがない事ばかり続きなのである。

「俺も。 お前に、会えて嬉しい」

 今二人が交わす感情に、駆け引きなんて必要がない。そんな時間も惜しむくらいに、お互いの事を感じていたのだ。

 それが刹那でも。瞬間に与え合うこの熱情は偽りのない本心だから……―――――

「俺はお前に弱みとか見せたくねえと思ってる」

「なんで?」

 くすりと笑ってしまった。真剣に告げられて疑問符だけが頭の中に浮かんだ。

「そりゃ、惚れた相手に手前のみっともねえ姿なんかさらしたくねえだろ?精一杯に虚勢張っててえってのが本音だっての」

「オレにとっちゃ、どんなシカマルだってすんげー好きで好きでたまんねえから関係ないのに」

 頼りない自分でも頼られたら嬉しい。必要とされたい。存在も全部全部。全てを自分で満たす事は無理だと分かっているけれど、それを望んでしまうのは我儘なのだろうか?

「オレが情けねえ姿見せたら、シカマルはオレんこと嫌いになる」

「…ンな訳ねえだろ」

 シカマルがふっと笑った。

「だったら、オレも同じだってばよ。シカマルがなんか感じたり、思ったりとかしてる事、全部知りたいとか思うんだって」

 どんな些細な事でも構わない。人の心を全て知るなんて無理だと十分に承知している。叶わぬ望みでも、やっぱり行き着く先は自己中心的な愛の形でしかないのだ。

与えられた部屋にはシカマルと二人きり。やっと二人になれたと言っても過言ではない。

 ナルトは懇願するような瞳をシカマルに向けた。その上目づかいな視線にシカマルは柔和な表情を見せた。言葉にしなくても視線だけで伝わる事がある。

 ナルトの顎をひょいっと上げて、薄く開いた唇に自分のそれを寄せる。しっとりと柔らかい感触を懐かしく感じ、舌を絡めた。

「…ん…っ、あ…っ」

 指先が首筋をくすぐって。性感を誘うような悪戯な愛撫。夢中になって唇を交えながら、もっと的確な熱が身体の中心に集まる。

「シカマ……」

「分かってるから、黙ってろよ」

 口唇から首筋に鎖骨に移動する唇。舌先で肌をなぞられて、ぞくりと背筋に走る快感の疼き。

 ナルトの上衣のジッパーを下げる音が、いつもより淫猥に聞こえるのはどうしてだろうか。滑る手のひらが胸元を割り、愛撫するように肌を撫ぜる。

「……っ、あっ…」

「あんま声出すなよ。聞こえちまうぞ?」

「そんな…の、考える……よゆ―――――ないってばよ」

 途切れる言葉に甘い吐息が交じる。

 もっともっと、満たされて。浸食する熱に身を任せたい。熱い滴りが指先に絡まり、糸を引いて性感を知らせる。尖った胸の蕾に歯を立てられて、ナルトはきゅっと唇を噛んだ。

 もう、言葉なんて要らない。

 だから、もっと確かな熱が欲しい。

「ン…っ、シカァ……あっンン…」

 体温の上昇で汗ばむ素肌。身に着けている衣服が邪魔になり、性急な昂ぶりに慌てて洋服を脱ぎ捨てた。

 太陽が昇ったら、消えてしまう夢のような。唇も舌も指先も、全ての細胞も。ざわついた血液が上昇するようにお互いを貪り合った。

 唇が離れて、細い唾液の糸が二人を繋ぐ。

「シカマル……っ!」

 首に腕を絡めたナルトは、欲望の象徴をシカマルにこすり付けた。

「随分と積極的なことで?」

 シカマルにも余裕の欠片も存在していないのだけれど、意地悪な気持ちがむくむくと湧いてきて思わず言葉で羞恥を煽ってしまう。

「ばか…っ」

 泣きそうな上ずる声で名前を呼ばれることに優越感を感じながら、シカマルも限界の来ている熱の塊をナルトの中に突き立てた。

 反り返る弓型の背中を腕で支えながら、かくかくと揺する身体を支える。仰け反った首筋に歯を立てて、己の所有印を刻み付けた。正気を取り戻したナルトが憤慨する事は分かっているが、止められない衝動に突き動かされて欲張りになる自分が居る。

 ナルトの後腔の収縮に意識を持っていかれそうになりながら、狂ったように二人で踊った。

 簡素的なマットレスがぎしぎしと鈍い音を立てるけれど、最後には何もかもが真っ白になり二人を繋ぐ肉の摩擦から生まれる甘美な疼きに全てを支配される。

「ナル……」

「は…は…アア、あ…っ……シ、カ…」

 愛してる、と囁いた声はナルトの耳に届いただろうか。絶頂を迎え、くったりとする身体を抱きしめた。骨が軋むくらいに抱きしめて、ナルトの中で復活する己の塊の存在を感じてしまう。底のない尽きない欲望に苦笑してしまった。

「付き合えよ、煽ったのはおめーなんだからよ」

「や…無理だ…って、もぉ…あっ…んっ」

「馬鹿言えよ、銜え込んで離さねえぜ? 抜くにも抜けねえっての」

 目尻から生理的な涙を零したナルトは、言葉の代わりにシカマルの肩に歯を立てる。

 朝日が昇るまでの僅かな間。お互いの熱に支配されるのも悪くない。

「あ、あ、あ、…あっ…や、ンン…っ」

 涙交じりの鼻にかかったような嬌声。シカマルは愛しい身体を抱きしめて、甘い匂いを吸い込んだ。

 

    ★★

 

 その頃、甲板では――――――

「あ…アオバ、なんだかいつもより揺れがひどく感じるのは気のせいか……―――― ううっ」

 海面にせり出すようなガイは、背中をさすられながら折角の夕飯を海の中にリバース。

「まぁまぁ、若いってのはいい事ですよ」

「青春まっしぐらだ、な……うええええ――――……っ…ぐ、ぐるじい…」

 ヤマトは苦笑いを浮かべながら、重い溜息をついていた。

「全く……若いって言ってもですね。もう、なんて言うか……はあ」

 ヤマトはこめかみに指を当てながら、ぶつぶつと口の中で文句を垂れ流す。

「いい加減にしてほしいですよ、ほんとに……」

「まぁまぁ」

 大の男三人が白ける空と海を眺めていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何が衝動かってRUIの頭の中であります。

つか、多分妄想の世界。

止められなかったさ。1時間クオリティなので、誤字脱字はいつものこと!

お許しを(笑)

アニナル第451話「閉ざされた航路」の後の話を妄想してみた。

だって、あんなシカナルのその後がこうならない訳ないでしょ!!

 

修正してみた(笑)だって、誤字脱字のレベルを超えてしまったんだもの(T_T)