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桜の花が咲いたら…
桜の花が咲いたら、一緒に花見にでも行こう。
どちらからそんな事を言い出したのかは、覚えていない。シカマルだったかもしれないし、ナルトからだったかも。そんな事は別段と意味がない。 なんとなく、一緒に過ごす時間の「理由」を作って、後付けした設定みたいなもんだ。
月明かり―――――― …
見上げると、いくつもの灯篭の間に桜の花が満開に咲き誇っている。まるで、今と言うこの瞬間を見てくれと言わんばかりに、風に揺れていた。 ずっと桜を仰いでいたナルトに、小さなおちょこが手渡される。それを受け取ると、シカマルが任務先から買ってきたという地酒が注がれた。 あんまりアルコールに強くないのに、今日は口にしてしまう。 きっと、桜の花と月明かりに酔っているのだ。深夜と言う事もあり、日中ならば人でごった返す木の葉の桜スポットもひっそりとしたものである。 「…なんか、甘いってか呑みやすいから、呑んじまうってばよ」 ナルトはおちょこの中身をぺろりと舐めて、シカマルに視線を移す。辛口の酒が好きな癖に、今日の酒はナルトに合わせてか甘口である。喉越しがいいのと、口の中にふんわり広がる甘みについつい酌が進む。 「お前が好きそうだなって思ったからな…」 ナルトはなんとなく嬉しい。自分の好みを知ってくれている彼にも、こんな風に二人で居る事も。 「桜……きれいだってばね〜」 のんびりと呟くと、くすりと笑うシカマルの気配。 「そうだな」 「シカマルってば酒ばっか呑んでねぇで、桜も見ろってばよ」 「見てる見てる」 「なんか、嘘くせーの…」 酒の肴はコンビニで仕入れてきたつまみで、大したものはない。それでも、なんだかんだ言いながら二人で酒を酌み交わしていた。絶対に成人するまで酒は飲まないと言っていたナルトは、本当に成人してから酒を飲むことになり、それはそれは周りの者に迷惑をかけたらしい。無茶な呑み方はしないし、人に絡む訳でもないが、自分の限界量というのを把握出来てなかったのだ。呑まなかっただけで、実は呑める口だと周知から認知されてしまった。だけれど、酒の誘いをなるべく断っているのは、シカマルがいい顔をしないから。それを言ったらすぐに否定しそうだけれど、本当にそうなのだ。女の子と呑みに行くのはいいのに、どちらかと言うと男と呑みに行く事を嫌っている節がある。こんな自分に興味があるのはシカマルだけだと思っているのだけれど、彼はそうではないらしい。ナルトからしてみれば、目が濁ってるとしか言いようがない。 「あ!そう言えば、キバが今度みんなで呑みに行こうって言ってたってばよ?」 「なんか、チョウジも似たような事言ってたっけな?」 「久し振りに皆で呑みに行くのもいいってば」 「まぁな〜」 こうやって二人で呑むのとは違う楽しさがある。いっぱいバカを一緒にやった同期だから、昔に戻ってどんちゃんやれるのだ。決まってそんな飲み会は、シカマルの家でやる事になる。それは、呑み潰れる者が気兼ねなくごろ寝できてしまうと言う、気が休まる場所だからだと言えた。 でも、こうやって二人で過ごす夜も好きだ。 今も二人を邪魔するものはない。月と桜だけが二人を見ているだけ。たまに暖かい風が吹き抜けて、春の匂いがいっぱいに広がっていた。 シカマルと視線がふと合う。言葉はないのに、目線だけでお互いの考えている事が分かるような気がする。不思議とそれが間違いだとか勘違いだとかは思わない。ナルトはそっとシカマルの手を探る。ちょっと冷たい指先に自分の指を絡めて、その唇にキスをした。向き合うでも隣り合うでもない二人の微妙な距離が一気に縮まる。 舌が絡まって、甘いテイストの口づけを交わす。酒に酔っているのではなく、この雰囲気に酔っていた。啄ばむ様に繰り返される口づけ。時に舌を絡め合い、唇を愛撫しながら深く交わった。 「…はぁ…んっ」 「ナルト?」 いつの間にか抱きしめられていて、シカマルの長い腕の中に身体がすっぽりと収まっていた。 「酔ったかも…」 「口当たりがいいから、いつもより進んだんだろ?」 そう言いながら耳朶を含む熱い唇。 「ん…」 「ナルト…」 囁かれるように名前を呼ばれて、甘い息が漏れる。 「シカマルが一緒なんだから、酔っても介抱してくれるってばよ?」 「まぁな…」 離すつもりはないと、ぎゅっと抱きしめられた。シカマルの手がナルトの上着のファスナーを下げた。ちょっと驚いて顔を上げたナルトが批難を込めた瞳でシカマルを見つめる。 「ちょ…シカマル!」 「分かってるよ。外は、嫌なんだろ?」 「うん…だってばよ」 外でコトに及ぶなんて、ナルトには考えられない。過去に一回そんな事があったが、その時は憤死してしまいたいくらいな気分で落ち込んだものだ。 「ちょっとだけ…」 そういって、アンダーの上からナルトの胸を探る。すぐに見つかった胸の突起を布越しに愛撫する指は、的確にナルトの快感を呼び起こす。 「あ…シカマ…」 首筋に降りてきた口唇。ぺろりと鎖骨を舐められてビクリと反応してしまう。それから、きゅっと吸われる甘い痛み。首筋を中心としてシカマルが所有印をナルトの肌に残していく。いつの間にかアンダーの下に入っていた掌が、ナルトの悦い場所を弄った。 「あ…やっ…シカ…あっ…」 ちょっとだけと言っていた割には、シカマルの愛撫は大胆になっているような気がした。息が荒くなる。潤んだ瞳でシカマルを見上げれば、優しい笑顔を返された。 「も…ズルイってばよ」 そんな表情を見せられたら、本当に嫌だとは言えない。この行為を甘んじてしまいそうな、そんな弱い自分が心の中をチクリと刺す。ナルトはむうっと膨れながら、シカマルを押し返した。もちろん、無理強いするつもりのないシカマルは容易く離れてくれる。それからナルトは心を決めたように、シカマルの下衣に手を伸ばした。 「ナルト?」 反対に驚いているのはシカマルの方だ。いつも自分ばかりが驚かされて流されているのだからという悪戯心がむくりと起き上がる。下衣のホックを外し、ファスナーを下げるとナルトはそっと顔を寄せた。ナルトとの触れ合いで大きくなっていたシカマルのモノを口に含む。最初は先だけをぺろりと舐めて、口の中に広がるシカマルの味に満足して、舌を這わせる。下から上に筋をなぞるように、ねっとりと舌を這わせる。何度もそれを繰り返し、どくどくと脈打つ陰茎を口に入れた。ちゅっと先を吸いながら、舌先で溢れ出る体液を掬う。割れ目に舌を這わせると、シカマルがぴくりと反応した。 「んん…は…」 舌でシカマルの欲望を絡めとりながら、口の奥の方まで含んだ。本当は苦手な行為なのだが、相手がシカマルだと思うと素直に当たり前の行為として受け入れる事が出来た。自分の口の中で大きくなってビクビク反応するシカマルを直に感じると、自分の身体も熱くなってくる。自分がシカマルを気持ち悦くさせているのだと思うと、心臓の鼓動がうるさいくらいに早くなる。飲み込めない唾液が口から滴って卑猥な音となった。 シカマルは自分の下半身で上下するナルトの金色の髪を不思議な気持ちで見つめていた。テクニックがある訳でもない稚拙な行為が、いつものナルトと重なり自分を興奮させている。悦い所を掠める度に身体が反応する。無意識に漏れるナルトの声も、くちゅくちゅという淫らな音に重なり相乗効果となっていた。時折、自分を見つめてくる青い瞳が潤んでいて堪らなくなる。柔らかい髪を撫ぜながら、欲望が弾けそうな気配を感じた。 「は…ナルト……もう、いい。出るから、口離せ」 「やらってばよ〜」 銜えたままで喋るから、その振動すら快感となってシカマルを襲う。シカマルの欲望を吐き出させようと、ナルトの動きが早くなる。シカマルは、きゅうっと下半身に熱が集まるのを感じた。 「ナルト…」 どくりどくりと脈打って口の中に放たれる物を、ナルトはじっと動かないで受け止める。シカマルはポケットから和紙を取り出すと、ナルトの口の前に差し出した。 「ほら、吐き出せよ」 「んんん〜〜」 ナルトは両手で口を押さえたまま、首を横に振った。 「おい。飲まなくてもいいからなっ…」 「う〜〜〜〜〜〜っ…」 こくりと喉を鳴らしたナルトが、ふうっと息を吐く。空気が喉に入った瞬間、ケホンとむせ込んだ。 「……そんなん、やに決まってるってばよ」 「ばか…」 慣れても居ない癖に、こうやって意地をはるナルトが可愛くて愛しい。頬を赤らめたナルトは恥ずかしそうに視線をシカマルからそらしている。それでも肌蹴た上着の下に見える自分の残した所有印が白い肌に咲く花弁の様に見える。 シカマルはそっとナルトを抱き寄せた。その行為にはナルトは逆らわない。その反対に、シカマルに体重をかけて身体を預ける。 「愛してる…」 チンケな言葉だと思う。好きだとか愛しているとか。言葉では何とでも言えてしまうから。それでも、そう口にしてしまうのは、心底腕の中にいるナルトの事が愛しいからだ。 好きで好きで、愛しくて愛しくて。 どんな言葉でもこの気持ちを伝える事はできないから、抱きしめて額に唇を落とす。目尻から零れた透明の雫を舌で掬って、唇を啄ばむ。 「花見はまた今度ゆっくり…な?」 「え?」 「外は嫌なんだろ?」 そう言われて顔を赤くしたナルトがこくりと頷く。たまに大胆になる恋人を抱きしめたシカマルは、月明かりに照らされる桜の花を仰ぎ見た。
今夜は、愛しい恋人を離してやれそうにない。
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花見にでかけて、コレかい!(-“-)
いや〜ま〜困ったもんですね。
初めてのナルトからのご奉仕話になっちゃったんですけど。
それが書きたかった訳ではなく!!(強調して主張!)
夜桜を見ながら、酒を飲む二人が書きたかっただけなんです。
流れです、流れ…
昼間見る桜も圧巻ですが、夜桜も素敵なんですよね。幻想的で。
ちっとも幻想的じゃない話ですが。
結局は、らぶらぶってことで (*^^)v