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Present

 

 

 ナルトは荷物を抱えなおす。そんな様を見て、自来也が眉をひそめた。

「お前はなにを持ってきたのかのう…足らないものは現地で調達もできるだろう。余分な荷物は旅には不要じゃ…」

 呆れたような自来也の声にナルトは反発するように、口をへの字に歪める。

「ムダなもんは持ってきてないってばよ!」

「ほ〜う…にしちゃ、いつもよりそのリュックが重たそうじゃがのう」

 自来也と修行の旅にでるために、木の葉を後にする。自来也の言う通り、余分な物は持ち歩かないのがいいに決まっている。ナルトなりに必要だと思われるものだけリュックに詰めたのだが、師匠の目から見ると、それでも大荷物に見えてしまうらしい。

「ん〜…でもさでもさ、ホントにいらないものは持ってきてないんだってばよ?」

 ナルトはリュックの中をごそごそをやり始める。

「ナイトキャップはないと眠れねぇし、着替えに下着に…あと全財産のガマ口財布だろ?巻物に…」

「言われてみれば、いつもの通りじゃのう」

「だろ?ま、着替えは少し多めに持ってきたけど…」

 ナルトはふと、自分を呼ぶ声に気がつく。顔を上げて自来也の後ろを見ると、知った顔が手を振っていた。

「あっれ〜チョウジじゃん!」

 彼は慌てたようにナルトに駆け寄ると、小さな紙袋を手渡す。

「今日…木の葉を出るって聞いたからね。間に合ってよかった。それは僕からの餞別みたいなもんだよ」

「お〜vサンキュ!」

 ナルトが包みを開けようとするのを、チョウジが止めた。彼曰く「一人になってから見てよ」と言う事らしい。ナルトは気になったが、チョウジの言う通りしようと決める。

 彼と別れて暫くすると、次はいのがやってきた。

「いのまで…なんだってばよ?」

「餞別よ、センベツ!チョウジの事だから、ちょっと抜けてると思ってね。これも持ってきなさい」

 いのから手渡された包みを紙袋の中に入れる。

「なんか、悪いってばよ〜」

「気にすることなんかないわよ。アンタの事だから、何も用意できないと思って…チョウジとも話し合って決めたのよ」

「サンキュだってばよ!いのもいいとこあんだな〜」

「まあね。女の子はこのくらい気遣いがないと。私の事、見直しなさい!」

 にこにこ顔のいのと別れると、サクラが壁に凭れかかっているのが見える。彼女はナルトを見つけると、にっこりと笑ってファンシーな紙包みを渡してくる。

「これ、傷薬よ。チョウジやいのから話は聞いてるから、きっと必要になると思ってね」

「…話って、なんの話だってばよ?」

「あ…餞別の話。私もなにか役にたちたいもの」

「サクラちゃん…」

 ナルトは涙がこみ上げてくるのを必死に押さえる。自来也は二人の子供を交互に見ながら、ナルトにも良い友がいるのだと安心した。

「ななな、ナルトくんっ!」

「あれえ?ヒナタ?」

 いきなり木陰から現れた彼女は視線を右往左往させながら、ナルトにさっと小さな包みを手渡す。

「あの…チョウジくんから聞いて…その、山の中とか手に入らないかもしれないから、それで、あの…」

「ヒナタまで…本当に嬉しいってばよ。サンキュ〜」

 ナルト笑顔を見たヒナタは顔を真っ赤に染めて、気が遠のくのを必死に我慢する。その身体をサクラが支えてくれた。ヒナタは真っ赤になって俯きながら「気をつけて…」と蚊の鳴くような声で呟く。

 ナルトは様々な人からの思いを胸に、木の葉を出立したのであった。

 

 

 

「では、ナルト!わしは情報収集に行ってくるからのう。お前は、風呂に入って寝てろ」

「…エロ仙人、鼻の下伸びてるってばよ?また、若い姉ちゃんと酒でも飲むんじゃねえの」

 自来也はきりりと表情を引き締めると、うんうんと頷く。

「まだお前は子供で、わしのテクニックを分かっておらんのだ。ああゆう場所こそ、情報の源!そして、それを上手く聞き出すのがわしの……」

「あ〜…もう、いいってばよ。風呂入って寝るから、カギだけは持ってってくれってば…」

 旅の第一日目からこれでいいのだろうか。疑問は残るのだが、ナルトにも気負いがあって、いつも以上に疲労感を感じる。とっとと風呂に入って寝てしまいたい気持ちもある。

 自来也の背中を見送って、座敷に敷かれた布団にごろりと横になった。

「な〜んでか…何もしてないのに、疲れたってばよ」

 ナルトは時間を持て余すように、布団の上を左右にごろごろ転がる。子供がつまらなくて遊んでいるような感じだ。そんな意味のない事をしているナルトの視界に、チョウジのくれた紙袋が目に入った。

「あ〜そう言えば…一人になってから見ろとか言ってたっけってばよ!」

 木の葉を出るのは寂しい気持ちもあったが、仲間たちは自分を応援しようとしれくれている。その気持ちがとても嬉しくなって、ナルトは紙袋を引き寄せた。転がっていた所為で、きちんと敷かれていた布団はぐしゃぐしゃになっている。その上に胡坐をかいて座ったナルトは、紙袋の中身を順番に並べた。

「えと、この箱がチョウジ。この色気のない包みが、いの。んでもって、かわいい包み紙はサクラちゃん。最後に、ヒナタがくれたやつかぁ」

 和紙に包まれたそれは見てくれは一番小さいのに、持つとずっしりと重い。

「なんだってばよ?」

 がさりと封を切ると、中から出てきたのは意外な物だった。

「乾電池?……山の中では手に入らないかもしれねえけど、オレの修行に乾電池って必要なのかなぁ…」

 サクラがくれたのは傷薬だと言っていた。必要になるだろうと。それは修行で必要になるのではなくて、チョウジやいのから「餞別」の事を聞いてと言っていた。ナルトの頭の中にクエッションマークが浮かぶ。ナルトは怖々とした気分で、チョウジのくれた箱を開けてみる。中に入って居るものは厳重に何かに包まれていた。ガサリとそれを開く。

「…コレって一体、なんだってばよ?」

 物と一緒にある説明書。ナルトはそれを読むのも躊躇ってしまう。

「初心者でも安心……お手頃、バイブレーター………」

 箱の中身の物は、ファンシーな色目なのにその形はグロいものである。男根そのものの。ナルトは慌てて、いのの包みも開ける。出てきたのはローションとコンドームだった。

「ぎゃあぁぁ――――――――っ!!あいつら…何考えてんだってばよっ!!」

 ナルトは慌てて全てを紙袋の中に仕舞い込む。誰かに見られたら、自分がどう思われるか…というか、自分は仲間にどんな風に思われていたんだろう。

 気分がず〜んと落ち込む。ナルトは真っ赤になりながら、深い溜息をついた。

「どうすればいいんだってばよ〜」

 泣きたい気分になりながら、布団の中にごそりと潜り込む。風呂に入る気分もどこかへいってしまった。仲間に下の世話まで考えられていることが、ひどくショッキングだった。それに、普通友達にコレは渡さないだろう?といった内容だった事に、心底落ち込む。

 

 

 翌朝、暗い気分をひきずったまま宿を後にする。自来也はそんなナルトを不思議に思いながら、ちらりと横目で伺っていたりする。

「お客様〜!!」

 そこへ、先程後にした宿屋の従業員が走ってやってくる。ナルトと自来也は歩みを止めて、振り返った。

「お客様、忘れ物にございます」

 ナルトは血の気が引く思いでそれを見つめた。

「あ…いや、その…それは」

「なんだ、ナルト。そりゃ昨日もらった餞別じゃないかのう。そんな大事なもんを忘れるとは、お前はホントに抜けとる」

 故意的に忘れたとは言えない。ここで自来也に中身の話をする訳にもいかず、ナルトは紙袋を受け取った。

「あ…ありがと、だってばよ…おっちゃん」

 ナルトの笑顔は引きつっていたのだが、誰もそれに気が付く事はない。そして、いつまでもそれを捨てるチャンスがないまま、ナルトは修行を終えることになったのだった。

 

 その餞別が使われる事となったのは、ナルトが木の葉に帰郷した後の話……

 

 

 

 

 

WEB拍手用に考えてた、ばかな話…

チョウジもいのも、サクラもヒナタも真剣なのに。

可愛そうなナルト…

男の子がもらっても困るわなぁ。セクハラに近い心づかいっす。