不用品 処分 ネイルサロン

 

 

 

Milky way

 

 

「シカマル、サマ―バレンタインって知ってる?」

 突拍子のないナルトの問いに、シカマルは首を傾げる。

「ンなの…知らねえよ」

「今日って、その日なんだってばよ。サクラちゃんが言ってた」

「七夕だろ?」

「七夕だけど、サマ―バレンタインなんだって言ってたけどなぁ?」

 ナルトはう〜んと考えながら、急須の中身を湯呑に注ぎ入れた。それをシカマルに渡して、ベッドの上に座っていた彼の隣に腰を落ちつけた。ずずっとお茶を飲んで、はぁっと息をつく。任務で疲れた身体がほっこりと温かくなる瞬間だ。

「それで?サクラは何の日だって言ってたんだよ…そのサマーなんとかっての」

「……大切な人にプレゼント渡す日なんだって言ってったってばよ。シカマル、欲しいもんとかある?」

 大切な人と言われて、すぐに頭の中にシカマルの顔が浮かんだ。だけれど、彼の欲しいものがなんなのかちっとも浮かばなかったのだ。それならば、直接本人に聞くのが早い。サマ―バレンタインの由来がどうとかは関係ないのだ。日頃から世話になっている人や大切な人に贈り物を渡して感謝の気持ちを伝える、それがとても素敵な事のように思えてしまっただけ。どうせならば、シカマルの喜ぶ顔がみたい。不器用な自分にはサプライズなんて似合わない。と言うか、現実的に無理だ。

「決まってんだろ?そりゃ…」

「え!?決まってんの?」

 大きな青い瞳が零れそうなくらい目を見開いたナルトを見て、シカマルがくすりと笑う。

「わかんねぇのかよ?」

「…分かんねえってばよ」

 少ししょんぼりしたナルトが、ふいっとシカマルから視線を逸らした。拗ねた子供の様な分かりやすい態度にシカマルは恋人の肩を抱き寄せる。

「ば〜か…俺の欲しいもんつったら、お前しかないだろうが。ちっとは分かれよ」

 耳元で囁くとぴくりとナルトの身体が反応する。それから、頬を赤くしたナルトがちらりとシカマルを見上げた。

「お…オレ?」

「嘘言っても得はねえし?」

「や…あの、物とか…ねえの?」

「なんだよ、不服か?」

 ナルトはふるふると首を振る。

「違うってばよ…オレなんかでいいのかなって」

 ナルトの言い方には不満は残るが、シカマルは謙遜しているナルトの唇にキスを落とした。

「お前以外欲しいものなんてねえよ」

 真実を口にする事に何のためらいもない。恥ずかしそうにしているナルトを見られた事には満足だ。そっと瞼に隠れてしまった青い瞳に誘われる様に、もう一度唇を重ねる。舌が触れて熱い吐息が重なった。

「ん…」

 鼻から抜けるような甘い声。ちゅ、ちゅっと啄ばむように唇を吸いながら、その身体をベッドに沈める。もちろん、ナルトの手から湯呑を奪う事は忘れない。自分の物と一緒にコトリと床の上に置いた。

 仰け反る首筋を辿る様に唇を這わせる。

「は…あ…っ」

「ナルト…好きだぜ」

「シカマ…ル」

 掠れた声が甘くて、シカマルの心を歓喜させた。潤んだ瞳が自分だけを捉える瞬間に悦に入る。ナルトには何の気なしの言動にも、シカマルは彼を愛しいと感じてしまう瞬間の一つだ。

「お前を、俺にくれよ」

 シカマルが度々口にする本心だ。本気でそう思っている。誰の者にもならない、誰からも拘束される「火影」を目指している彼を、自分だけの者にしてしまいたい。心のどこかでそんな醜い嫉妬心がむくりと首を擡げる。身体が繋がっても、心が繋がらない行為ならば意味がない。ナルトが自分を求めて、シカマルもナルトを求めるから成り立つ行為。

「ナル…」

「あ…んんっ…」

 シカマルの掌が身体を這うだけで、ナルトは奥の方からせり上がってくる熱を感じた。彼にキスされるだけで、名前を呼ばれるだけで、求められるだけで、素直に嬉しい。シカマルの首に腕を回して、彼を抱き寄せた。

「シカマル…オレも、好きだから……」

 好きだけでは足りないから。ぎゅっとシカマルに抱きついた。

 

 

 

 

 シカマルはくったりしているナルトの身体を抱き寄せる。まだ熱を持っているナルトは、するりとシカマルに擦り寄った。汗によって冷やされた彼の体温が心地よい。

「悪りぃな…任務明けだったのによ」

 どうにも自分の理性を制止できなかった事を少しだけ悔やむ。

「そんなの…大丈夫だってばよ」

 胸の辺りでくすりと笑った気配を感じる。シカマルの指が汗で張り付いた前髪をすく。それから、ゆっくりと髪を撫ぜた。

「あのさぁ…シカマル」

「ん?…ンだよ」

「織姫と彦星の話って知ってるってば?」

 シカマルは今日が七夕だった事を思い出す。今はサマ―バレンタインというイベントまで重なった日である事も。

「あんな話…単純な話だろ?」

「オレ…知らないから」

 サクラには知っていると虚勢を張ってしまったが、七夕なんてものに縁のなかったナルトには興味がない部類のもので、気にもした事がなかった。シカマルはぽんぽんとナルトの頭を撫ぜた。

「織姫と彦星が結婚すんだけどよ…ま、仲が良すぎて働き者の二人がぐうたらになっちまったんだよ。それを織姫の父親が怒って、二人を天の川で隔てたんだ。その二人が一年に一回会う事を許されたのが、七夕だな」

「…一年に、一回?」

「七夕に雨が降ると、天の川の水量が増えて川を渡れねえんだっけかな、確か」

「二人は……会えねえの?」

「そーゆう事だな」

 シカマルも小さな頃に読んだ絵本か何かの内容くらいの知識しかない。大雑把に話してしまったが、ナルトは急に黙り込んでしまった。不思議に思って名前を呼ぶと、ナルトはぎゅっとシカマルに抱きついてきた。

「オレ…シカマルと一年に一回しか会えねえのとか、我慢できないってばよ」

 そんな事はシカマルだって同じだ。ナルトの思考回路に思わず笑ってしまった。

「頑張って任務遂行だってばよ!シカマルと会えなくなるのやだし…」

「おいおい、俺とお前は織姫と彦星か?」

「オレはマジだってばよ。シカマルも任務頑張らねえと!」

「わ〜ったよ」

 シーツをナルトの肩まで引き上げて身体を抱きこむ。そして、ふとシカマルは思い出したようにナルトに欲しいものはないか訊ねた。ナルトはぎょっとしたように目を開けてから、シカマルを見上げて顔を赤らめる。

「なんだよ、言いにくいもんなのか?」

 ナルトはぎゅっと目を閉じて、シカマルの胸に顔を埋める。

「……オレ、も…シカマルが欲しいから、貰ったから…いいんだってばよっ!」

 小さな声で早口でまくし立てる様なナルトの科白にシカマルの頬も自然と緩む。嬉しい事を言うナルトの耳に唇を落とした。

「お前、明日は休みだよな?」

「そうだけど…シカマルは任務じゃねえの?」

「…もっとお前をくれよ」

 耳の裏側を吸いながら、舌でぺろりと耳朶を舐める。ビクンとナルトの身体が震えた。

「シカマル…」

 艶を含んだ声が自分の名前を呼ぶ。シカマルはナルトの身体をシーツの上に張り付ける。その両手が少し震えていた。けれど、二人の視線は外れない。どちらからともなく目を閉じて、唇を合わせた。舌を絡めて飲み込めない唾液が口の端から洩れる。

「シカマルが………欲し…」

 最後まで言わせる余裕もない。少し荒々しくナルトの唇を奪った。

「は…ン…っ」

「ナルト…」

 冷えた身体が再び熱を持つのに時間はかからない。指先も唇も全てでナルトを感じながら、シカマルは自分の放った白濁の残る後腔に指を進める。

「あ…っんっ!」

 ぬるりとしたものを指先に感じた。粘膜を刺激するようにナルトの中に指を埋め込む。

「ンン…はぁ…っ、も、いいから……シカ…」

 無意識の誘惑に、シカマルは熱いものをナルトの中に進める。

「ん…っん、は…あ、ンンっ」

 一瞬逃げる様なナルトの腰をぐいっと密着させた。ゆっくりとナルトの中を犯しながら、おかしくなるような感情に心が満たされる。

 甘い声が嬌声が、シカマルの鼓膜を刺激してどんどん自分が昂るのを感じた。

「ナル…」

「ああ…んっ…シ…カマル、シカマル!」

 汗で滑る身体を密着させて、腰をぐいっと押し付けてナルトの悦い場所を刺激する。よじる身体が艶めかしく感じた。

 

 何度抱き合っても、足りない何か。

 

 今日は晴れている。織姫と彦星も逢瀬を堪能している頃だろう。

 

 絡まる足の指先が震えていた。

 ナルトはシカマルを一杯に感じながら、愛しい恋人の身体を抱き寄せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

七夕に書きたかったお話。

シカナルに飢えているRUIのリハビリ話とも言います。

なんだか、久し振りにシカナルを書いて少し満たされた()

なんか、赤文字指定になちゃったけど(^^