ユニフォーム ボクシングジム

 

 

 

Morning KISS

 

 

 ナルトはふと目が覚めた。

 外は薄らと明るくなっている。昨夜は任務の疲労から、すぐにベッドにもぐりこんでしまった。風呂上りの寝ぼけ眼な時に、シカマルが来訪したのだが「先に寝るかも…」と一応告げておいて、その通りになったのである。

 すっきりした頭と、少しだけ軽く感じる身体。ぐっすりと眠ったおかげで、疲れが吹き飛んだという所だろう。虚ろに夢ごこちな感覚に、抱き寄せられて暖かかったのを覚えている。それは、一緒にベッドに眠っているシカマルが自分を抱き寄せてくれた時なんだと、うろ覚えにも感じる事ができた。

 洗いざらしの髪を下したシカマルの表情が隠れているのが残念でならない。シカマルが起きてしまうかもしれない……そう思いながらもそっと長い前髪を掻き上げてみる。黒髪の隙間から見える切れ長の目尻。規則的な呼吸を繰り返す彼は起きる気配がない。

「シカマル……疲れてんだってばね」

 自分と同じく任務明けなのだから疲労も同じだろう。ナルト以上かもしれない。小隊長を務めるシカマルは部下への配慮やらなんやらで、人一倍気を使っている様に見えていた。本人に問うと「ンな事ねえよ」なんて返事が返ってくるのだが、多分、彼なりに神経を研ぎ澄ませているはずだ。それが、DランクやCランクの任務であろうとも、どこで危険が待ち受けているかなんてわからない。部下たちの最低限の安全を確保するために、面倒臭い体裁を装いながらも、彼なりに任務を遂行しているはずだ。

 ナルトは腹這いに寝ころびながら、シカマルの顔をじっと見つめる。

 いつも遅くまで寝てしまうせいで、こうやってシカマルの顔をじっくり見ることも少ない。それでも、カーテンの隙間から朝日が入り込んで来るころには、意外と規則正しいシカマルは目をさますのだろう。

 ほんの少しだけの贅沢。

 誰にも邪魔されないで、シカマルを独占できる特別な時間。思わず、ふふっと笑った所でシカマルの瞼がゆっくりと上がった。

「おはよ、シカ」

「ああ…も、朝か」

「昨日、遅かったんだってば?」

「そうだな。一応、報告書だけまとめてから寝た」

「大変だってばね」

「…ンなことねえって」

 やっぱり口癖になっているような科白を聞いたナルトはくすりと笑う。

「シカマルは頑張ってるってばよ。オレから見ても、すげーなぁって思うもん」

 シカマルは口元に笑みを乗せた。

「褒めてもなんも出ねえぞ?」

「そりゃ残念。一楽のラーメン期待してたのにな〜」

 心にもない事を口にすると、体制を変えたシカマルがナルトを抱き寄せる。

「ま、任務中は……熟睡できねえのが難だな」

「そうなの?」

「これでも気ぃ使ってんだよ。気配とかよ…なんか過敏に反応しちまうってか」

 その割にはナルトがシカマルに触れた時、彼が起きる気配はなかった。疑問を口にすると、シカマルは皮肉っぽい笑みを浮かべる。

「お前ん傍だと、安心して熟睡できんだよ。不思議とな」

 ぽつりと呟かれて、ナルトは頬を赤らめた。きゅっとシカマルの胸に顔を寄せながら、どきどきする気持ちを止められない。

「なんかさなんかさ…それって、オレが特別みたいな感じ?…なんてのは言い過ぎ?」

 シカマルがふっと笑った。

「特別だぜ?」

 茶化したように口にした言葉をあっさりと肯定されたナルトは息をのみこんでしまう。

「なんだかな……お前と一緒だと、余分な力抜けんじゃね?」

「特別?」

「そうだな…」

 ナルトを喜ばせる言葉を口にしたシカマルは、腕の中のナルトを抱く腕に力を入れた。

「報告書の提出は午後からでいいし、もうちょっと寝かせてくれよ」

「うん…」

「悪りぃな。ホントはメシくれー連れてってやりてえけど」

「いいってばよ!オレは、シカマルの特別なんだからっ!」

 特別という言葉に力を入れると、シカマルの意識がまた沈んでいくのが分かった。穏やかな顔つきで眠りについた恋人に、ナルトは触れるだけのキスをする。

 

 彼が休息を終えて目覚めた時、おはようのキスをしよう。

 ナルトは心に決めて、シカマルの腕の中でそっと瞼を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだか、日常の他愛のない一コマを書きたくなってしまいました。

いいな〜。シカナルいいな〜。もう、最高!(笑)

ふんわりラブラブな雰囲気でv