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始まりの朝 18.5

 

 

「シカマル…」

 ナルトの声に、シカマルが顔を上げた。まだ息が整っていないナルトは、シカマルの顔を確認すると口元に笑みを乗せた。

「好きだってばよ…」

「ナルト」

「だから、大丈夫だってば…」

 シカマルがふっと笑った。ナルトの熱を解放するだけでいいと思っていた。自分の与えた快感に浸るナルトの姿を感じただけでも嬉しい。そんな風に一瞬でも感じた、理性が音を立てて崩れていく。ナルトはいつも容易く自分の中にある全てを侵食する。

「止められねぇって言ったってば…それって、今も変わんねぇ?」

「変わんねえよ…」

 シカマルはナルトの身体を抱えるようにして、ベッドの上に移動する。さすがに床の上でコトを進めるには抵抗がある。ナルトへの負担も考慮して必死に働いた理性がシカマルを動した。

 二人分の重みでベッドがギシリと音を立てる。シカマルは思い出したようにナルトの髪をすいた。汗に張り付いた前髪を掻き揚げて額に唇を落とす。まだ快感の波が去っていないナルトはシカマルの唇にぴくりと反応した。

「好きだ。ナルト…」

「…うん」

 ナルトは心の中に湧き上がる温かい感情に目を閉じる。こんなに幸福な気持ちになれるのは、どうしてなんだろう。今と言うこの瞬間が、堪らなく嬉しい。シカマルに抱きしめられる度にとても優しい気持ちになれる。相手への気持ちを口にするだけで、切なくてだけれど温かい。

 彼が自分に与えてくれるものは、いつも優しくて温かい。それを何と言えばいいのか分からない。分からないけれど、ナルトは今の自分に後悔はしない。

 シカマルがナルトの上衣を脱がせる。そして、自分が着ていた寝間着も脱ぎ捨てた。それを恥ずかしそうに見ていたナルトが視線をシカマルから外す。

「シカマル…あの、電気消してほしいってばよ」

「ん?」

 シカマルはナルトに言われて気がついたように天井を仰ぐ。

「だから、…恥ずかしいってばっ!」

 慌てたように言うナルトが可笑しくて、くすくすと笑う。

「シカマ…」

「分かったよ」

 やっと自分の方を見たナルトの頬に口づけを落とす。素早くベッドから降りたシカマルは、ナルトの希望通り部屋の明かりを消した。それでも、僅かな月明かりが部屋に優しい影を作る。

「ナルト」

 呼ぶと応えるように青い瞳を向けられる。潤んだ瞳がシカマルを捉えた。細い腕が自分の首に回される。そのまま、ぎゅっと引き寄せられてシカマルもナルトを抱きしめる。シカマルは止められそうにない欲望の塊をナルトにぎゅっと押しつけた。

「あ…」

 それに気が付いたナルトが恥ずかしそうに顔を背けた。ナルトを追うように唇を当てる。瞼に、頬に、唇に。辿りついて重なった唇はすぐに深い口づけに変わる。絡まる舌が早まる気持ちに追い打ちをかける。

「は…んっ」

 キスの合間に漏れるナルトの声が甘い。絡め取る舌も甘いような気がした。シカマルはそっとナルトの胸に掌を滑らせる。指先に当たる突起を指の腹で撫ぜると、ナルトが身体を捩る。くすぐったいのか感じているのかシカマルには不明だが、円をかくようにそれを愛撫する。

「……んっ」

 シカマルは指先をぺろりと舐めると、その指で胸の突起を優しくなでる。唾液が指先と肌の摩擦を減らして、ナルトの快感を引き出すように摩擦した。

ぬるりとした感覚と一緒に湧き上がる自分が知らない甘美な快感が、ナルトに初めて胸を触られただけで感じるのだと教えてくれる。自分は女の子でもないのに、胸を愛撫されただけで下半身に直結する熱を引き出す事を不思議に思う。

「あ…シカマル…」

「気持ち…悪いか?」

 ナルトは否定する意味で首を振った。

「感じるか…?」

 逐一聞いてくるシカマルの事を意地悪だと思う。自分の変化はシカマルにも伝わっているはずだ。ナルトは頷くことでシカマルに答える。そうすることが精一杯だった。言葉にすることは羞恥心が邪魔してできそうにもない。シカマルの気配がふっと消えたと思ったら、すぐに胸の辺りに熱い息遣いを感じた。

「シ…シカマル?」

 胸の突起を口に含んだシカマルは、きゅっと吸いながら舌で転がした。

「あ…アア…」

 ナルトの口から思わず吐息に近い喘ぎ声が漏れる。

「や…シカ…」

 弱々しいナルトの指がシカマルの髪を捉えた。それはシカマルの髪に絡まるだけで、力が入っていない。口に含んでいないもう片方は指先で愛撫を加える。震えたナルトの指先はそのままシカマルの項に落ちる。

「はぁ…ンン…っ」

 艶めいた声を聞いたシカマルは確かめるように、ナルトの下半身に自分の手を滑らせる。ナルトの陰茎は熱を持ち始め、シカマルの与える快感に素直に答えていた。シカマルは自分でも気がつかない内に口元に笑みを浮かべる。電気を消すときに持ってきたプラスティック容器の蓋を開けると、中の軟膏を人差指で掬った。身体を移動させて、喘ぐナルトの口を塞いだ。ナルトの舌を味わいながら、ゆっくりと自分の身体をナルトの足の間に移動させる。

 ナルトの瞼が驚いたように開く。そして、シカマルをじっと見つめた。青い大きな瞳は限界まで開かれているといった感じだ。

「ナルト…」

 シカマルはそっとナルトの後腔に人差指を入れた。びくりとナルトの身体が震える。軟膏の助けもあって指一本ならすんなりと孔の中に入れることができる。円を沿うように指を動かして、指先を滑らかに移動させる。

「だいじょ…ぶ、だってばよ」

 ナルトはギュッと目を瞑ると、シカマルの肩に両腕を乗せた。シカマルは入れた指でナルトの中を探りながら、ぺろりと目尻を舐めた。

「泣くなよ…」

「ちが…びっくりしただけ…」

 シカマルは少し力の抜けたナルトの中に、二本目の指を侵入させる。少しずつ解したそこは、なんとかシカマルの指を受け入れた。

「はっ…あ…あ」

 シカマルの指先はナルトが感じる場所を探して、抽出を繰り返した。僅かなナルトの変化も見落とさないように、震える睫毛にキスを落とす。とある一点を掠めた瞬間にナルトの後腔がきゅっと締まる。それを確かめるように指先で摩擦を加えると、ナルトが切ない声を上げた。

「ア…ア、そこ、やだってば…」

 その声には快感の色が伺える。シカマルはナルトの感じる場所を中心にそこを解きほぐす。それがどれだけ、これからの行為の助けになるなんて分からない。少しでもナルトの苦痛を減らす事が出来るのなら、容易い事だと思えた。

「ナルト、俺の触ってくれよ」

 シカマルに囁かれたナルトはそっと目を開ける。その視線を受けて、躊躇うことなくシカマルの下半身に手を伸ばした。自慰すらあまりしないナルトである。どうすればシカマルが気持ち悦くなれるのか分からない。それでも、息づくシカマルの陰部に指を絡めた。稚拙なナルトの指使いにもシカマルの陰茎は反応する。単調な上下運動を繰り返すナルトの指に、ぬるりとした先走りが絡まった。ナルトは自分が興奮しているのを感じた。自分の手淫によってシカマルが感じていてくれる事が嬉しい。

「ナルト…苦しかったら、俺の肩噛んでろ」

 ナルトが意味が分からないと顔を上げるのと、シカマルの指が自分の中から抜かれるは同時だった。代わりにシカマルが自分のものをナルトの後腔にあてがう。

「あ…」

 熱いものが自分に触れている事で、ナルトがこくりと頷く。最初は遠慮がちにしていたシカマルが、ぐいっと腰を推し進めた。

「い…っ!」

 火花が目の裏に散る。ナルトは急に押し寄せてきた熱に圧迫感を覚える。それと、指とは比べ物にならないほどの質量は、めりめりと自分の肉を裂いてくるようにナルトの中を埋め尽くす。息をするのも忘れてシカマルの肩に噛みつく。そうしなければ、彼を否定する言葉が口をつきそうだった。絶対にそんな事はしたくない。シカマルが与えてくれた以上のものをナルトも彼に与えたい。

「く…んん…」

 シカマルがゆっくりと自分のものをナルトの中に進める。その度に身体を引き裂かれるような激痛がナルトを襲った。シカマルの塗った軟膏が少しの潤滑を助けているとしても、やはりそこは何かを受け入れる場所ではない。元々、性交の為に使われる器官ではないのだ。シカマルは百も承知で自分自身の欲望の塊をナルトに穿つ。

「ナルト…」

 シカマルも辛そうな声でナルトの名前を呼ぶ。硬直してしまいそうななるナルトの身体をぎゅっと抱きしめた。肩に食い込むナルトの唇の端から、滲んだ血が滴る。自分が肩に感じる痛みなんて比べ物にならない苦痛を感じているのではないだろうか。そう思っても、自分を止められない。一時も離れたくない気持ちと、初めて感じるナルトの熱が快感を呼び起こす。

 自分を全部ナルトの中に埋めると、震えていたナルトの唇が離れる。両目から溢れる涙が、ナルトの頬を伝う。その涙の一滴さえ、自分を求められているような錯覚に陥る。

「だ……じょぶ、だってば…」

「無理すんなよ」

「だい…じょう、ぶ」

 ナルトは必死に笑おうとする。痛々しい気持ちを感じながらも、今この行為をやめてしまえば反対にナルトを違う意味で傷つけてしまう気がした。そんな感情は、自分に都合のいい言い訳かもしれない。

「動くぞ?」

 ナルトは懸命に頷く。シカマルはそんな意地らしいナルトを放したくない気持ちで、ぎゅっとナルトの身体を引き寄せる。

「んあ…っあ…」

 お互いの汗が混じり合う。最初から、理由なんてないのだ。どうして抱き合うのかも、どうして求めてしまうのかも。ただ、真剣に相手を思い合うからそこに意味が生まれる。理由なんて後付けでついてくるもので、求めあって初めて気がつくものだと実感する。

「シ…カマ…ル……」

 シカマルの汗がぽたりとナルトの頬に落ちた。

「好、き…だってば」

「ナルト」

 それは大丈夫だと言ってくれたナルトの笑顔だった。シカマルはまるでナルトに包まれているような気分になる。快感だけを追うのでなく、ようやくそれに感情が伴う。

 愛しくて愛しくて、好きで好きで堪らない。

「好きだ…ナルト」

 このまま二人で溶けてしまえたらいいのにと思う。この二人の気持ちは、心は別々の物かもしれない。けれど、二人で一つになりたいと心から思ったのだ。相手を思う気持ちも感情も、全てひとつになって溶け合ってしまえればいいのに。お互いに感じていた畏れが、確かな気持ちに変わるのを感じた。

「ナルト…ナルト…!」

 揺れていた二つの身体がぴったりと寄り添う。ナルトは自分の中に放たれた熱いものを感じる。ふるふると震ってしまう身体から自然と力が抜けていくのを感じた。

 シカマルにぎゅっと抱きしめられる。ナルトも残る力を振り絞ってそれに応える。

「…ナルト」

 ナルトは急に眠気が襲ってくるのを感じる。肌を重ねる心地よさを感じ、肌の上で冷えていく汗がひどく心地よく思えたのだ。

「……シカ、マル」

「大丈夫か?」

「なんか、すっごく…眠たいってばよ?」

「そうか…」

「ん…」

 ナルトは本当はシカマルを見ていたいに自然と下がる瞼の引力に逆らうことが出来なかった。そして、ふわりと意識が浮いたような感覚の中で、優しい声で自分を呼ぶシカマルの声を聞いたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけになるのかならないのか?

とりあえず、本編ではすっ飛ばしたトコです。

あんまり、あってもなくてもいいか…?でも書いとくか?くらいです。

でも、かなり辛い思いをして書いたので、楽しんでいただければ…

や…楽しくはないですよね?

ごめんなさい…