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Eyes
団子をもぐもぐと頬張る。口の中が全部団子味に変わる瞬間。ふわりと広がった甘さはくどくもなく、それでいて物足りなさを感じさせる事もない絶妙のバランスだと言える。 ナルトは満面に笑みを浮かべながら咀嚼し、渋めに淹れられたお茶を一口飲む。 「うめえっ!やっぱり、団子は木の葉だってばよ〜〜っ」 本当に美味しそうに団子を平らげて行くナルトの勢いに、目の前に座っている美人はくすくすと笑い始めた。いつも豪快なイメージがあるのに、見ているだけならばただの美人だとナルトの瞳には映る。 「なんか、おかしいってば?」 「悪い、そんな事はない。お前が本当に美味しそうに食べるもんだから…なんだかこっちの方が嬉しくなると思ってな」 「ふ〜ん…テマリの姉ちゃん、団子好きじゃねえの?」 「ん?わたしか…?そうだな、好きだ」 「だろ?これだけは譲れねえけど、団子は木の葉が一番だってばよ!」 「分かった、分かった…」 ナルトの子供っぽい口調にテマリは頷いて答える。ナルトは少しだけ不満そうな顔つきになった。 「なんか〜テマリの姉ちゃんの今の言い方、しょうがなくオレに合わせたって感じで〜…なんだかなぁ。ホントはそんな事思ってねえけど、って感じで…」 じっとりと見つめてくる青い瞳にテマリは我慢できないと言うように吹き出した。 「ナルト、どう言えばお前は納得するんだ?別にわたしはナルトの事を馬鹿に居てないし、木の葉の団子がうまいというお前の気持ちも分かっているつもりなんだが…」 「えっ?」 反対に返されてしまって、ナルトは困ってしまう。腕組んでう〜んと唸った。 「そんな真面目に切り返さなくっても……ここはチャッチャと流して欲しいとこだってばよ。やっぱり、テマリの姉ちゃんは我愛羅の姉ちゃんだな。似てるってばよ、その真っ面目〜な性格のトコ!」 ぴっとナルトが人差指をテマリの顔の前に付きだした。 「我愛羅と姉ちゃんは、姉弟なんだなぁ。ちょっと、羨ましいってばよ!」 「似て、いる?」 そんな事を言われたのは、初めてである。我愛羅の姉という立場は誰もが知っている事であるが、「似ている」とは初めての事だ。それをナルトに告げると、驚いたように目が大きくなる。 「ま、姉ちゃんは女だし我愛羅は男だからなぁ。でも、やっぱ似てるってばよ。我愛羅がテマリの姉ちゃんに影響されてんじゃねえの?真面目なとことか」 「そうか…嬉しいな」 テマリの頬が少しだけ赤い。照れているのだろうか。ナルトは二本目の団子に手を出しながら、ふっと我愛羅を思いだす。 「我愛羅って、父ちゃん似?母ちゃん似?」 「…そうだな、我愛羅は姉弟の中でも父に似ているのかもしれないな。面影というか…」 「四代目風影?オレ、見た事ねえや」 大蛇丸の木の葉崩しの際に最期を迎えた父親。テマリからすれば、父親らしいことなどされた覚えはない。ただ、風影の娘だという重圧があった事くらいだ。 「じゃ、テマリの姉ちゃんは母ちゃんに似てんだな!」 「どうだろうか。母は優しくて大人しい…そんな女性らしい人だった。わたしみたいに、男勝りでないし…」 「性格じゃなくって、顔とかだってばよ。きっと美人だったんだろうな〜ってさ」 テマリは自分が美人だと褒められている気持ちになって顔が熱くなった。ナルトはおだてたり、人の機嫌を変に取るようなことはしない。それは同じ班のサクラには無神経だと言われている点なのだが、テマリはそう思わない。口先だけの何かより、真実を語る言葉の方が何倍も嬉しいのだ。だから、弟はナルトに惹かれたのだというのも分かる。 「あっ!姉ちゃんと我愛羅は、目ん玉の色同じだってば!!」 思いだした、と言う様に呟いたナルトはじいっとテマリの顔を見つめる。確かに美しい翠色の瞳は母親譲りということになるだろう。 「我愛羅の瞳はもう少し淡いグリーンだがな。春野サクラもわたしと同じ色の瞳だろ?」 「サクラちゃんとはまた違う色だってばよ。姉ちゃんのはもっと濃くて…なんて言うんだろ。例えとかって上手くねえんだって、オレ。頭悪りぃじゃん?その点、シカマルとかの方が上手に言えるんだろうけど」 ナルトは頭を捻ってみるが、やはり上手い例えは浮かんでこなかった。 「でも、テマリの姉ちゃんと我愛羅の優しい雰囲気は一緒だってば。それって、やっぱ姉弟だからじゃねえの?」 テマリは淡い笑みを口元に浮かべながら、ナルトに自分の皿を進める。「食わねえの〜?」と驚いた様なナルトにくすりと笑いが零れた。 「ダイエットだ!」 「…姉ちゃんには必要ねんじゃねえの?でも、いらないって言うなら貰うけど!サンキュ〜」 美味しそうに団子を頬張るナルトを見ているだけでお腹がいっぱいになる。それに、彼には違うものを貰った気がしていたのだ。心が満たされる感覚。木の葉隠れの里に来ると、ついついナルトを誘ってしまうのは、彼が与えてくれる何かを求めてしまっているからかもしれない。自分とは違い、風影として働く弟は気安く他里を訪ねる様な時間はない。いつも公務に追われている。それを申し訳ないと思うのだが、テマリの持って帰る土産話に顔を綻ばせるだろう。その楽しみがテマリには待っている。 「今度は一緒に一楽に行こうってばよ!」 満腹になったお腹をぽんぽんやっているナルトは、ニカっと笑う。ブイサインをされたテマリは思わず自分もブイサインを作る。 「ナルト、お前はきれいな空色の瞳だな」 ふっと気が付いたように口にすると、ナルトの顔が真っ赤になった。首を傾げると、ナルトは慌てて両手を胸の辺りでぶんぶんと振る。 「なんでもねえってばっ…」 「顔が赤い…なにか言ったか?」 「違う違うっ」 ナルトはふと恋人の事を思い出した。いつも、ナルトに同じ事を言ってくれる人の事をつい思いだしてしまったのだ。ついでに思った事は、頭のいい人種は思考回路も似てくるのだろうか?ということだけ。テマリにそれを言ったらきっと嫌そうに顔を歪めるだろう。テマリはナルトの恋人―奈良シカマルーをうだつの上がらない奴だと思っている。同類嫌悪というやつだとナルトは思うのだが、きっとシカマルも同じような態度をとるだろうから敢えて口にしていないのだが。 「じゃあな!姉ちゃん」 ナルトは口を滑らせる前にテマリに背中を見せた。いきなりナルトが逃げ出すように帰ってしまったのを見たテマリは豪快に笑った。いつも退屈をさせられない。だから、ナルトと共有する時間を作ってしまうのかもしれない。それから、空を仰いだ。今日も木の葉はいい天気だった。
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テマリはすごく好きな女の子なのです。
ナルトとテマリは仲良しさんです…うち設定?
そして、シカマルとも仲良いと(本人たち激しく否定必須)