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Equation形のない方程式

 

 

 タクシーがゆっくりと見慣れたマンションの前に横付けされる。

「じゃ、お先だってばよ〜」

 扉を開けると、酔いも回りかなりご機嫌のナルトはニコニコしながら車から降りる。

「お…おい、大丈夫か?ナルト…」

 アスマの心配そうな声に、ひらひらと手を振って応えた。

「大丈夫だってば!!アスマ先生、心配しすぎだって〜」

 まだ夜の風は少しだけ冷たい。心配顔のアスマにお気楽な声が降ってくる。

「本人が大丈夫って言ってんだから、大丈夫デショ。じゃあね〜ナルト〜」

「カカシ先生もお休みぃ〜」

 思ったよりも足取りはしっかりしているように見える。エントランスに入る後ろ姿を確認して、カカシは運転手に車を出す様にとにっこり笑った。

 本当ならば、木の葉学園の新任教師の親睦会なのだが、今年の新卒教師の採用がなかったせいもあり、ただの飲み会となってしまった。とりあえず、酔っ払いを自宅まで届ける事にしたアスマとカカシはいつもの如く二次会と称して馴染みのバーに飲み直しにいくのだが……

 ナルトは火照る頬をぱちぱちと両手で叩く。ポケットに入れっぱなしになっていた、カードキーを取り出すとパネルに差し込んだ。

 そこで、なにか大切な事を忘れている様な気がするのだがアルコールのお陰で頭が上手くまわらない。

「なんだったっけな……?」

 唸って頭を捻るが、やはりそれは思いだす事が出来なかった。重厚なガラスの自動ドアが開きマンションの中に入ると、夜も遅くなっていることから辺りはシンとしている。

 そして、自分が重大なポカをやらかしていると気が付いたのは、玄関にある自分のものでないスニーカーを見つけた時だったのである。

 

 

 

 真っ暗な部屋。

 廊下のシーリングのスイッチをさがして、灯りを灯した。一気に酔いも醒めてしまう。きっと、この暗闇の向こう――― リビング ―――― では不機嫌を露わにした恋人が居るはずで……

 “恋人”という単語を頭に思い浮かべて、ナルトは顔が熱くなるのを感じた。部屋の電気を全くつけていないのは、彼の怒りの象徴なのだろうか?

「……シカマル?いるんだろ……?」

 小さな声で名前を呼ぶが返事はない。そっとダイニングに続く扉を開けて、中を伺った。カーテンを閉められているリビングは本当に真っ暗だ。暗いけれど、その中に人の気配を感じる。

「お〜いっ……シカマル〜?」

「―――― 電気つけんなよ」

 ソファのある方向から聞こえた声は、やっぱり…というか、ナルトの期待を裏切らず不機嫌を纏っている。こういう時のシカマルは厄介だ。それも、現状に陥った原因は自分にあり彼の怒りを肯定するしかない。

「ま、真っ暗じゃ何も見えねえじゃん…」

 ぶうたれたように口にすると、シカマルがふっと笑う気配を感じた。

「俺も逆光で先生の顔は見えねーけど?」

「お、怒って…る?」

「先生は俺を怒らせる事したっていう自覚があるってこと?」

 即答イエス。

だけれど、素直にそれを口に出来ないのはナルトの持っている意地っ張りな性格の所為。じっと暗闇を見つめていると、だんだんと視界が慣れてくる。元々、よく知るリビングなのだし僅かな影で家具の配置なども感覚で分かってしまう。

「…う〜〜、あの、な、?」

 真っ暗な室内ではシカマルの仏頂面を直視しなくていいと言う利点はあるが、やはり彼の顔がみえないのも寂しい。

 春の宵のような仄かな暗闇。ナルトはシカマルが腰を落ち着けて居るであろうソファの前まで来ると、ぺたんと座りこんで彼を見上げた。

「今日、あのさ……親睦会があって…――――― 」

「それって事前に分かってた事じゃねえの?」

「へ?……知らないってばよ。カカシ先生は意地悪だから、いきなりこうゆうの決めてんだって!!」

 シカマルは心の中で舌打ちをした。それはナルトの思い違いだ。思い突きで、店を予約しているとは考えにくい。多分、ナルトには故意的に事前に知らされていないのだと推測できる。カカシらしい、ビックリ演出というやつだろう。きっと、いきなり「今夜は親睦会だよ〜」なんて、ぎりぎりになってナルトに告げて彼の慌てふためく姿を楽しんで居るに違いない。カカシがナルトの反応を見るのを楽しみにして居る事は、この一年で学習済みなのだ。

 それにしても……だ。今日は週末。明日が非番である教師にとっては、親睦会という名の飲み会にはうってつけの曜日である。だけれど、前々からシカマルがナルトのマンションに泊まりに来る約束をしている週末なのでもあった。

 一番腹立たしいのはカカシに乗せられたことでなく、自分との約束をすっかり忘れてしまっている彼について。学校では、教師の体裁がある為に過度のスキンシップはナルトによって止められる。それは当たり前の事かもしれないが、シカマルは正常なオトコだ。好きな人を目の前にして、理性と本能の狭間で戦いながらナルトと接している、そう努力して居る。唇を掠め取るだけで真っ赤になって硬直してしまうナルトを見るのが楽しいのもあるが、たまには時も場所も弁えず無茶苦茶にナルトを侵したい気持ちになるのも本当の事。シカマルなりに我慢して楽しみにして迎えた週末は、間抜けな恋人によって貴重な時間を十分に裂かれた。

 しかも、待つ時間と言うのは実際に流れる時間よりも長く感じてしまうもの。苛々しながら何度携帯の液晶画面を睨みつけただろう。仕事が残っていると、背中を押される様にして帰宅させられた挙句、来訪したマンションは人の気配のないガランとした空間。一人暮らしには無駄に広く、贅沢だ。私立校である木の葉学園の給料がどんなに高給なのかは知らないが、一人には堪える広いリビング。

 それでも、シカマルは自分に言い聞かせて必死に我慢していた。彼の帰ってくる場所はここしかないのだし、仕事を片付けたいと言っていたナルトの邪魔もしたくなかった。それもこれも、職務を全うした彼が穏やかな週末を過ごすための「しょうがないこと」だと。

 それなのに、帰宅した彼にはアルコールが入っていた。言い訳は一応しているつもりだろうが、シカマルにしてみればそれは言い訳にはなっていない。

 親睦会とは体のいい逃げ口上で、ただの宴会ではないか。その間、自分の事などすっかり忘れて居たナルトに心底腹が立つ。それも、それが天然だから参るのだ。

 そう、別に宴会に参加した事に憤りを感じた訳ではない。頭からすっかりシカマルの存在をシャットアウトしたナルトにムッとしている。くどいくらいに自分の気持ちを確かめた。

 シカマルはソファ脇にある、スタンドライトのスイッチを入れる。ふんわりとした灯りが、見上げるナルトの顔を映し出した。アルコールの所為で高潮した頬と潤んだ瞳と、上目遣いの恋人に溜息をつきたくなった。

「……ゴメン、あの…」

「連絡、しようとすれば出来た状況だよな?」

「ウン…」

 少しシュンとした声色。

それでも、シカマルを見上げる視線は真っ直ぐであるのに、また内心溜息をついた。

「俺が今日来るって事、完っ全に忘れてたんだろ?」

 思わずきつくなる口調にナルトの眉が顰められる。

「忘れてたのとかじゃなくって……」

「嘘つき……認めろっての!」

「え〜っと…、うん。忘れてたんんじゃなくって、その…」

 往生際の悪いナルトに、シカマルはこめかみに指を当てながら視線を移す。

「ごめんなさい、忘れてました……」

 カカシによっていきなり親睦会の事を聞かされて、どうしても済ましておきたい仕事だけを慌ただしく片付けて拉致されたのだ。空腹のナルトの前には美味しそうな料理と、美味い酒。それで機嫌がよくなったナルトは頭からすっかりと、マンションで待つシカマルの事が抜け落ちてしまっていた。

「俺は、宴会以下ってやつ?」

「ち…違うっ!そんなん、比べれるもんじゃねえの分かってんだろ?シカマルも!」

 十分に、「以下」だと思うのだが必死に否定するナルトは真剣な顔をしている。シカマルは半ば諦め気分でナルトを許しているのだが、今後の事も考えて怒っているふりを続けた。

「よく言うぜ。どうせ、マンションのドア開けるまで、俺の存在すら忘れてたくせによ……」

「下で鍵開ける時、思いだしたってばよ!」

 なんとなく忘れている事があるくらいだと言うのは、この際シカマルには内緒だ。

「へえ…ンで? 先生はどうゆうつもりでいたんすかねぇ?」

「………どうゆうとかこうゆうとかじゃなくって、さ…、その〜」

「用事があったんなら言ってくれれば、来ねえよ」

 これは嘘。帰ってくるならば、きっと時間を潰してでも待っている。ゆっくりと二人の時間を堪能できる貴重な週末なのだから。逃したくなんかない。

「俺はすげー先生と一緒に居られるの楽しみにしてたけど、先生がそうじゃねえんなら、来ねえし」

「シカマル……」

 シカマルもわざと意地悪な事をナルトに言う内にだんだんむかついてきた。ちょっと自分の気持ちに嘘をついている部分もあるが、本当に自分がナルトにとって小さな存在に思えてしまう。

「シカマル、まだ怒ってる」

「…ったり前だろ?」

「どうしたら許してくれるんだってばよ……」

 俯いてしまったナルトの金色の旋毛を見つめ、シカマルは無意識に溜息をつく。それにナルトがぴくんと反応した。

「ごめん…」

 そして、再び顔をあげたナルトの瞳から透明な雫が零れる。一番シカマルの望まない結果に陥って再び内心溜息モノである。

「先生は、俺の事、好き?」

 こくりと頷いたナルトが可愛い。素直で、年の割にはすれていない彼にはいつも驚かされる。思いが通じ合って数カ月。シカマルにとってナルトの存在がどんどんと大きくなっていた。惚れた方の負け、だという恋愛上の方程式は簡単な答えを導き出す。ナルトに好きだと言われる度に慢心していく心と、満たされる感情と。絶対に埋まらないのは彼との年齢差だけで、その事には苛立ちを感じる。学生の自分と違って、彼には社会人なりの付き合いもある事も承知の上だ。それに、仕事だと言われれば我儘を言いたいのを我慢して頷くしかない時だってある。それは、シカマルの精一杯の虚勢なのだ。ナルトを理解している恋人でいたい。子供なんだと思われたくなくて。

 それでも、彼の一番でいたいと思うのはやっぱり自分がナルトよりも子供だからだろうか?

 たまにはそんな気持ちを発散したくなってしまう。

「先生」

 顎にかけた指でその顔を少し上げる。真っ直ぐに自分を見つめる青い瞳に吸い込まれそうになりながら顔を近づけると、最初から決まって居る様にふわりと瞼が閉じられる。誘われているような気分になりながら、唇を重ねた。

 アルコール交りの息は、それでも甘くやはりナルトの味しかしない。そんな咥内に舌を潜り込ませ絡めた。恥ずかしいのか消極的なナルトの舌は奥へいってしまうのだが、逃がすつもりはない。両手でナルトの頬を包む。

「…ん、ん…っ…」

 唇も全て飲み込んでしまうように覆って、息継ぎをするナルトを捕まえた。逃げるなんて許さない。その内に、おずおずと差し出される舌がシカマルのそれに絡まる。必死に、キスを覚えたての子供のように、唇を交わす。角度を変えながらお互い貪る様にして楽しむ。ナルトの細い腕がシカマルの首に回り縋ってきている。快感に弱い彼は、浮遊する自分を繋ぎ止めておくためにシカマルにしがみ付くように抱きついて来るのだ。その姿が嗜虐心を煽っているという感覚はナルトにはないだろう。好きな子を苛めたくなるなんて小学生のみたいな事を考えている自分に、シカマルは嘲笑してしまう。

「俺、すげー待ったんだからお預けとかナシだぜ?」

「…え?……」

 薄手のスプリングコートを肩からストンと落とす。はっとしたナルトが、シカマルの胸を押し返した。

「だ…だめだってっ!」

「は? だから、お預けナシっつたろ?」

「風呂も…入って、ない…」

「構わねー…ンなの、先生の汗なら全然オッケー」

 ナルトの両手を手にして、そっと床に横たえる。見上げてくる瞳は批判的で文句がありそうである。

「変な日本語……」

「そんなトコに拘る先生がわかんねーよ」

 首筋に唇を落とすと、僅かにナルトが震えた。彼の弱い所なんていくらかの触れ合いで脳にインプットされている。なぞる様に舌で舐め上げると甘い吐息が口から漏れた。

「だめって……」

 身体の反応は素直なのに、その口調はそうではない。

「風呂は後で一緒に入ろうぜ?」

「やだっ!シカマル、ぜってーに変な事するもん」

「変な事? 当たり前の事だろ?先生前にして反応しないなんて、その方が可笑しいだろ?」

 むうっと口を歪めて、一応威嚇するつもりで睨みつけているのだろうが、潤んだ青は違う色を纏ってシカマルを誘っているとしか言いようがない。シカマルは悪戯を思いついた子供のようににやりと笑うと、ナルトの首で緩められていたネクタイを片手で抜き取る。

「な…に?」

「ん〜〜?」

 シカマルは拘束してある両手を一つに束ねると、ネクタイで手首をスタンドライトの支柱に括りつける。手首に痕が残らない様に緩く、しかしすぐに解けてしまってもつまらないのでそれらを考慮して手早く作業を済ませる。ナルトは呆然としながら、自分の腕を動かそうとしてみるがびくともしない。物がいいのかかなりの重量があるそれは動く気配を見せなかった。シカマルにとってもそれは好都合である。ここでライトが倒れて来ても興醒めだ。

「なにしてんだってばよ! もうっ!解けって、シカマルの変態っ!」

「はいはい、変態の俺と一緒になってるセンセも同罪」

 一つずつボタンを外して、ナルトの肌を外気に晒す。脱がせる前に拘束してしまったので、胸を肌蹴るのが精一杯だ。それでも素肌に手の平を滑らせる事は可能だし、このビジュアルもなかなかそそるものがある。光源はフロアランプのみで、ほわりと闇の中に浮かび上がる肌色が艶めかしい。首筋から鎖骨の窪みを舐めて、胸の突起を口に含んだ。舌先で突くとすぐにぷくりと反応した。そして唇で愛撫していない方は指先で摘む。

「…あっ、あ…やぁ…んっ…あ」

 固くなったそれを潰す様に刺激すると、びくびくと跳ねる身体がある。感じやすいナルトへの直接的な刺激は反応からも彼の状況をシカマルに知らせてくれる情報の一つとなる。強弱をつけて吸って、たまに甘噛みすると、啜り泣きに近い様な嬌声が上がった。

「…ったく、可愛いーの」

「シカ…や…ってば……んん、アア…んっ」

 唇での刺激を止めないままで、手は下衣に伸ばした。ベルトを外して前を寛げる。下半身で疼いているものには直接ふれないように、下着と一緒にスラックスを抜き取った。自由になった両手で二つの飾りを弄りながら、唇は脇腹を辿る。シカマルが思った通り、ナルトの中心で息づくモノはゆったりと頭を擡げてその先からは甘蜜を垂らし始めて居た。薄い陰毛を手の平でなぞる。そのまま両足を開かせると、内腿の柔らかい部分に唇を当てた。身体のラインを辿る様に、何度も肌の上を行き来する指先。微妙な触れ合いにもナルトの肌が熱くなっていくのを手の平で感じる。何度こうしても飽き足りない。

 ちゅっと音を立てながら、身体のあちこちにキスをする。その度に、肌には紅い花弁を咲かせた。もともと皮膚が薄いのか少し吸うとすぐに痕がつく。それは面白いくらいに。いつかその事をナルトに咎められた事があったのだが、所有印をつけたい雄の本能は止められないのだ。

「ふ…っ…っあっ……」

 肌をなぞるだけで、ナルトの前で起立したモノも震えている。ナルトも与えて貰えない直接的な快感に息を荒くした。

「シカマ…ル……なん、で?」

 その問いが何に当たるのかシカマルにはすぐに分かる。

「ハッキリ言わねえと、何言いたいんだかわかんねえよ?」

「……!な…っ!」

 シカマルは上体を起こして、ナルトの足の間に身体を滑り込ませる。自分も着衣を寛げながら、ナルトに擦り寄る様に頬をくっつけた。頬に当たる唇が震えているような気がした。きっと彼にとって屈辱的な事を言わせようとしているのかもしれない。それでも、与えあう行為をしているのだから、自分だけがナルトを欲しているようなのは嫌なのだ。訳も分からなくなって縋りついて来るナルトも可愛い。年上だとは思えないくらいに。

「腕……手、取ってくれって……」

「へえ、強情だな」

「こんなん、やだってばよ………」

 愛撫されて感じてしまっている事も羞恥だが、この態勢も恥ずかしさを煽る。ナルトの懇願する声に息を吐いた。

「ほかに、言いたい事は?セ〜ンセ?」

「ほか…?」

 シカマルはわざと脇腹を撫ぜる。ナルトが感じる様に指先だけで、つっと。

「あ…っ!」

 脇腹から下腹部へと、そして茂みの中に指を埋める。勃ち上がっている陰茎は愛液によっていやらしく濡れていた。自分がそうさせているのだと思うとシカマルの中にムクリと湧き上がる自尊心。誰にも見せるつもりのないナルトの痴態。こんなにも艶やかに、それでいて艶めかしい姿を瞳の色を。

 ナルトの鼻をすする音が聞こえた。

「も…ちゃんと、さわって……って……」

「風呂入ってねーから、ヤダとかダダこねてたくせに」

「結局、してんじゃんっ!」

 始まっているだから、というのがナルトの言い分らしい。

「先生、我儘だな」

「シカマルっ!」

 くすりと笑って手首の拘束を解くと、ナルトがぎゅっと抱きついて来る。こういう所が、まだ子供っぽくって可愛いと思ってしまう部分なのだが、きっと本人もあずかり知らぬ所だろう。

「あんなん……やだってばよ」

「すげー感じてたくせに」

 憎まれ口を叩くと、シカマルに抱きつくナルトの腕に力がこもる。

「……だって、気持ち良かったのは良かったし」

 でも、足りない。

 本当に欲しい刺激をシカマルはくれない。故意的にポイントを外すようにナルトの快感を高めていっただけで、いつもくれるような直接的な愛撫はされていない。

「でも、」

 ナルトは我慢できないと言った様に、下半身をシカマルにぶつけた。

「ん…っ……はぁ、シカマル……」

「俺は怒ってんだぜ?」

「ごめん…って」

 シカマルの手が、震える下腹部に触れた。ただ触れられただけなのに、ナルトの中にビリッと電気が走るような快感が駆け上がる。

「ア…!」

「先生?……」

 シカマルの手の平に包まれたモノが痙攣して、白濁を吐き出す。特に刺激した訳でもなく、シカマルは触れただけだ。

「……ご、め…」

 息が整わないナルトは虚ろな瞳でシカマルを見つめると、甘えるようにキスを強請った。

「俺こそ……悪りぃ」

 焦らすつもりで苛めていたのだが、自分が触れただけで達してくれた事にちょっと感動してしまった。感動などと表現するのが正しいのかどうかは別として、本当にナルトに辛い思いをさせていたんだと実感してしまったのと、自分に対してこんなに感じてくれた事に。

 ナルトが感じやすい身体であることは十分に知っている。ちょっと悪ふざけが過ぎたかと思いながら、甘えるナルトのキスに応える。最初のキスとは違う労わるような所作で、咥内も優しく愛撫した。

「風呂、入ってなくっても……いい?」

 心配するように聞いてくるナルトにシカマルはぷっと吹き出す。

元から自分は拘らないと言っているのに。

「だから、構わないって言ってんじゃん。先生の全部が好きなんだから……いいって言ってのに」

「シカマル……」

 柔らかい髪を指で梳いて、目尻に浮かんだ涙を指先ですくう。

「やっぱ、俺の負けってな?」

「……?」

 首を傾げるナルトを床に縫い付けたシカマルは、甘い吐息を飲み込みながら汗ばんだ肌に指を滑らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当初予定は、もっと先までステップアップ予定でしたが()

それはまた次の楽しみに取っておく事にしました!

シカがちょっとナルトに意地悪してみました、みたいな話です。

意地悪には続きがあるので、また次の機会に!

シカマル3年生の春ってとこでしょうか?