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monopoly
心の奥深くに染みついたソレ。
その感情の名前を知っている。知っていて、知らないふりをして。 目を瞑るのだ。 自分の心の中にある、どす黒い感情なんて見たくもねえし。 シカマルは口元に笑みを浮かべて、深く煙を吸いこんだ。風に紛れる紫煙の行方に興味はない。 いつものように、携帯灰皿にフィルタを押し付けて火を消す。
寝ているナルトを起こさないように、そっと部屋の中に入る。ベッドに眠る大切な恋人は、情事の疲れの所為かぐっすりと眠っていた。汗で張り付いた前髪をかきあげて、月明かりに映るあどけない寝顔を見つめる。心が喝える。身体じゃなくて、心がカラカラに乾く。 何度抱いても、何度その声で自分の名前を呼ばれても……飢え続ける、心の奥底。この感情を満たしてくれるのは、夢の中にいる恋人でしかない。時々、バカらしくなるくらいナルトという存在に振り回されている。苛々して、そんなエゴイスティックな自分にうんざりして、それでもフリダシに戻れない。結局は、そんな自分に酔いしれるのだ。勝手だと思う。自分の感情を押しつける自分に呆れてしまう。 じっとナルトを見つめていたら、そっとその瞼が開いた。 「…シカ、マル…?」 掠れた声に、どこからわき上がるか分からない優越感。シカマルはナルトの眠るベッドに潜り込んだ。すりっと身体を摺り寄せてた虚ろな身体を抱き寄せる。 「外、行ってたってば?」 「あ?…ああ」 シカマルが自分の前で煙草を吸わない事を知っているナルトは確かめるように、シカマルの首元に顔を寄せる。 「部屋の中で吸ってもいいってばよ?」 「俺が嫌だって言ってんだろ」 毎回繰り返される同じような会話。男にしては細い指がシカマルの唇を撫ぜた。 「……シカマル」 「なんだ?眠てえだろ…眠っていいから。ホラ」 ぎゅうっとナルトを抱きかかえると、ふうっと息を吐いたナルトが胸元に顔を寄せる。ナルトは冷たくなってしまったシーツに、シカマルの温もりがない事が不満だった。きっと彼はそんな事は知らない。些細な事なのだけれど、シカマルを独占したい気持ちがいつでも湧き上がる。 「シカマル」 「どうしたんだよ?」 ナルトはシカマルの指を手繰り寄せる。微熱を持ったような身体の熱が、その冷たい指先を求める。 「オレの事、嫌いになる?」 突拍子のない言葉に、シカマルはくすりと笑う。 「お前が、その理由をくれるんなら」 「嫌いになる?」 「なれたらな……」 なれるはずがない。好きな理由も、求める理由も、明確な物は何一つないのだから。 「おめぇは知らねえかもしんねーけど…俺は思ったよりしつこい男だぜ?」 「すぐにめんどくさがるくせに…」 「ナルトに対しては…そんな事思った事ねえよ」 本心が口をつく。自然と口をついた事を不思議に思う。腕の中で身じろいだ身体が、むくりと起き上がってシカマルの胸の上に乗る。しっかりと開かれた瞳の奥に、シカマルは魅入られた。 「オレはシカマルの事、嫌いになれねえし…」 「ああ…」 頬に掌を滑らして、そっと撫ぜる。うっとりとした様に目を閉じたナルトが、頬を染めながらシカマルに唇を求める。赤い舌がシカマルの理性を食いちぎるようだ。 求めても、求めても飢えている心が鎌首をもたげる。この毒々しいくらいの感情でナルトと言う人間を縛ってしまいたい。 「シカマル…大好きだってば」 「俺は大好きだけじゃ足りねえ…」 「う…んっ…あ、シカマル…」 ナルトの後頭部を固定する腕に、ナルトは素直に従いシカマルの唇を吸う。まるで子供が飴玉を舐めるように、シカマルの舌を絡め取った。 「なぁ…シカマル、今だけでいいからオレのもんでいてくれってば…」 心をざわつかせる科白にシカマルの感情が昂る。裸のままシカマルの馬乗りになったナルトが、熱くなっているシカマルの中心部に指先を絡める。焦らす様に撫ぜる指先に、理性の枷が壊れる音が聞こえた。ナルトの指がシカマルの乳首をさわりと愛撫する。そのまま唇を寄せて、舌先で快感を呼び起こそうとする。ダイレクトに下半身に響く行為にシカマルが「う…」と唸った。そんな姿を見て妖艶な笑みを見せるナルトに視線が釘付けになる。シカマルの手を導いて、ナルトは熱くなっている自分自身に導いた。 「触って…?気持ち良くしてくれってば…」 シカマルは透明な体液を零す陰茎の先っぽに爪先を立てた。 「あ……あっ、ん…シカマル。いい…すっげえ気持ちいい」 ぬるりとするその潤いに手助けされて、シカマルは固くなったナルト自身を下から擦り上げた。 「あ…んっ」 仰け反る首筋にキスの雨を降らせる。震える指先はシカマルの肩に固定されて、潤んだ瞳はシカマルから逸らされる事はない。 「オレのこと…見てってば」 「ナルト…」 ナルトの稚拙な手淫が、シカマルの昂りを愛撫した。単純に扱かれているだけなのに、十分な硬さを持ったそれがナルトが与えてくれる快感の入り口を探している。腰を上げたナルトが、シカマルのモノを後腔に宛がう。シカマルに放たれた残滓が残るソコは、ゆっくりであるがシカマルを受け入れる。 「は…うんっ……あっ、アア…」 ぐいっと腰を下ろすナルトは切なげな表情を見せながら、それでもシカマルから視線を逸らす事はない。 「もっと…奥まで、ちょ…うだい」 呂律の回らない言葉は快感の色に染まっている。 「無理、するなよ」 「してねえもん…」 ゆっくりとシカマルを受け入れる孔が収縮を繰り返しながら、それでもシカマルを飲み込もうとする。一気に突き入れる快感とは違い、馴染ませるように侵入する肉の楔がナルトを快感の波に縫いとめる。 「シカマル…オレ、見てってば………オレのもんに…なって?」 甘える声色にシカマルは下半身に集まる熱が硬さを持つのを感じた。 「んん…」 「ナル…ト」 「はぁ…んっ…シカマル!」 シカマルの塊を全て自分の中に埋め込んだナルトは、優しい笑みを浮かべた。 「シカ…オレだけ見てってば……オレだけ感じてくれってばよ」 懇願のような科白に、シカマルはにやりと笑った。 「ったりめえのこと、言ってんじゃねえぞ?」 ナルトが力を振り絞るように、腰を上げる。そして、ゆっくり抽出を繰り返す。己自身の重みでシカマルを飲み込む。ぎゅっとシカマルを絡め取る肉の襞。擦りつけて、自分のいい場所を探す。一つに溶け合う様な感覚に声が漏れた。 「…っ、ん、あっ…ああ…シカ…もっと、欲しい」 くてんとシカマルに抱きついたナルトは荒い息を吐きながら、シカマルの胸元に情の印を刻む。汗ばむ肌に舌を這わせて、じっとシカマルを上目づかいで見つめる。 「オレってば、全部、シカマルが欲しい」 「ば〜か…俺もに決まってんだろ?」 「ホント?」 「だから、お前にフェイクは必要ねえの!」 ナルトはうっとりとした瞳でシカマルを見つめる。彼が言いたい事は口にしなくても分かってしまって。乾いた心を潤す、清純な泉のようで。 ナルトの腰を両手で固定したシカマルは、ぐいっと自分自身をナルトに押し付ける。彼の望むように彼の奥底を擦り上げる。どうすればナルトが弱いのか、そんな事はシカマルは本能で知っている。 カクリカクリと揺れる裸体に、荒く息を漏らす唇に、シカマルは釘付けになる。身体全体でシカマルを求めて離さないナルトに、心が満たされた。 「ナルトっ!」 「あ…あん…ああっ……シカ!や…もっと、奥まで欲し…もっともっと、滅茶苦茶にしてっ!」 「くっ…ナル……」 「シカマル…シカっ!もっと、シカマルをオレにちょうだいってばっ!」 今だけ、なんて言葉は必要ない。今までも、これからもナルトと言う人間に依存してどっぷり漬かっているのは自分なんだと自覚しているから。 「ナル…」 「シカマ…あっや……ンン、あんっ…はっあ…アア、あ…っ」 吐き出された熱が、ナルトの中にとくりとくりと放たれて。ぎゅうっと後腔に力を入れたナルトは、その一滴もこぼさないように、身体を震わせる。 「オレのこと…嫌いに、ならないでってば…」 「ばかやろ…」 疲労にくったりするナルトの身体を抱きしめる。 「ンな事…できそうにねえんだよ…」 「シカ…シカマル…」 甘えるように名前を呼ぶナルトの唇に自分のそれを合わせる。一つになっても溶けあわない心があるから、それを確かめる為に何度も何度も求めあう。
心の奥深くに染みついたソレ。
その感情の名前を知っている。知っていて、知らないふりをして。 目を瞑るのだ。 自分の心の中にある、醜い独占欲から目を背けたい。 心が喝える。身体じゃなくて、心がカラカラに乾く。 何度抱かれても、何度その声で自分の名前を呼ばれても……飢え続ける、心の奥底。この感情を満たしてくれるのは、しっかりと自分を抱きしめてくれる恋人でしかない。 熱い腕と、自分の中の脈打つ楔と。 零れそうになる感情に、名前を付ける。 ナルトは悲しいくらいに張り裂けそうな感情を持て余しながら、震える手でシカマルを求める。 離したくない。離れたくない。 彼を自分の者だけにしたい。
痛いくらいに感じるのは、心の中を埋め尽くす暗い感情。 その感情の名前は……―――――― 消えない、独占欲。
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久々に、色っぽい話など…
結局は、考えてる事一緒なんだよね〜という相思相愛な話(笑)
恥ずかしいねぇ…全くぅ。
しょせんRUIの書くものですから、タカが知れてるのです。