不動産

 

 

 

DIVE

 

 

「シカマル、お茶でも飲んでいかねえ?」

 隣を歩いていた恋人は呑気に笑いかけてきた。

 シカマルの心境は早く二人きりになれる場所に帰りたい…と言ったところ。その気を知らずか、ナルトはにかっと笑いかけてくる。この笑顔に非常に弱いシカマルである。外面はクールに彼と相対しているが、本当は違った部分も自分の中にある事をナルトと付き合う事で知った。

「お茶って、なんか食いてえって事か?」

「ま、コバラも減ってんけど……なんとなく?」

 特に理由もない“思いつき”というやつだろう。ナルトは返事をしないシカマルの腕を引っ張った。

「シカマル、団子がいい?ケーキとかのがいい?」

 ナルトがいい。…なんて、口にできる訳もなく。シカマルは一応考え込むふりをしてみる。

「…俺は腹減ってねえし、お前の行きたいとこにしろよ」

 シカマルの言葉を聞いて、真剣に悩みだしたナルトの頭を思わずぐりっと撫ぜる。ナルトは驚いたように目を丸くしてシカマルを見つめた。

「どーしたんだってばよ?」

「べつに…何もねえよ」

 無意識に恋人に触れたいと思っただけの事。ナルトは、へへっと笑ってシカマルの腕をもう一度掴んで引っ張った。

「んじゃ、今日は甘栗甘はやめてケーキにするっ!」

 いくつになってもナルトの甘いもの好きは変わらない。間食好きのナルトの事だから、食事とは全く別腹なんだろう。それにいつも付き合える訳ではないので、たまの我儘だとシカマルも頷いてしまうのだが。

 

 

 ナルトに連れられてやってきたケーキ屋は最近木の葉にできた店らしい。シカマルも知らない間に、こうやってどんどんと新しい店が増えていくのだ。

「…ンで? 今日は誰から聞いたんだ?」

「へ?なんで分かるんだってばよ?」

「どうせ、美味いとか聞いて飛びついた口だろ?」

 シカマルのいう事は、ずばりそのもの。

「えっと…サクラちゃんもヒナタも美味いって言ってたから」

 スイーツ系の情報源は大抵女だ。ダイエットだなんだと口うるさいくせに、甘い物には目がない。その矛盾した考えが不思議なのだが、どちらにしろ女という生き物を理解するのは難しい。

「なんにしよっかな〜」

 ショーケースを見渡すナルトの瞳がきらきらして見える。シカマルは苦笑しながら、ショーケースの横を抜けると、奥が喫茶コーナーになっているのを確認する。洒落た造りは、いかにも女の子が好きそうな雰囲気にまとめられていた。

「お客様、お持ち帰りですか?店内でお召し上がりですか?」

 にっこりと店員に話しかけられたナルトは、ケーキから店員に視線を移した。

「あっと…じゃ、食べ――――― 」

「持ち帰り」

 シカマルが、ナルトの言葉を途中で遮る。

「へっ?…シカマル?」

「お前、すげー食いてーのあんのか?」

「特には考えてなかったけど……なんでも美味しいって聞いたから」

 ナルトは小首を傾げている。じっと青い瞳に見つめられたシカマルは、先程わいてきた衝動を思い出しながらショーケースの中を見つめた。

「イチゴのショート、チーズケーキ。季節のタルト、モンブラン。あと、ザッハトルテ」

「おひとつずつでよろしいですか?」

 にこやかな店員ののんびりとした問いにシカマルは頷く事で答えた。ナルトはテキパキと箱に詰められていくケーキを見ながら、シカマルの行動力にあっけにとられている。どれも、ナルトが迷っていたケーキたちである。それを視線だけで判断したという事であろうか。ただ驚いているナルトを尻目にシカマルは支払いまで済ませてしまった。

 ドアを開けるとチリンと鈴が鳴る。

「ほらよ」

 箱をシカマルから渡されたナルトは、はっとした。

「シカマル、ごめん!ケーキの金……」

「気にすんなよ。別に奢ってやる」

 自分はナルトを美味しくいただくのだから問題ないと、心の中で付け加えた。

「えー!いいのかってばよ。すげえ嬉しいって。あんがと」

 満面の笑みで返されればこれくらいの出費は痛くも痒くもない。惚れた弱みと人から笑われてしまいそうな心境を嘲笑してしまう。自分がまさかこんなに他人に優しくなれるものだと思ってもみなかった。興味が惹かれるということ自体、シカマルの中では青天の霹靂である。適当に、好きでも嫌いでもない誰かと結婚して、理由もなく子孫繁栄に勤しみ、老後は孫にでも看取られながらあの世にいけばいいくらいの人生設計は目の前の恋人を捕まえた瞬間から、音を立ててガラガラと崩れた。

 シカマルにしてみれば、それが不満かと言えばそれは違う。生きているという事を充実できる毎日に感謝したいくらいだ。面倒だったはずな事が面倒でない。煩悩に支配されて、恋人を貪る事を考えてしまう自分を誰が想像しただろうか。こんなに可愛いと思える存在がこの世に存在するのかと、たまに何かに対して問うてみたいくらいだ。自問自答しても、ナルト以外自分の心を揺らす存在はどこにもありはしない。

 彼の全てが、琴線に触れる。

「…やべーな」

 ナルトという存在が欠乏している。酸素不足の魚のように、あっぷあっぷだ。情けないくらいに、欲しくてたまらない。ただ、傍にいるだけで体温を感じているだけで幸せだと満たされる事もあるのに。この湧き上がる欲望の矛先は、ケーキの箱を嬉しそうな顔をして持っている童顔に向いている。

「あ。そー言えば…」

「どしたの?シカマル…」

 シカマルはふと思い出して、自分の強引さを反省した。

「お前、茶飲んで行きてえとか言ってたよな?悪りぃ…持ち帰りじゃなくて、あそこで食いたかったじゃねえのか?」

 イートインを望んでいるナルトを無視して、お持ち帰りを決定(かなり強引に)してしまったのはシカマルだ。

「いいってばよ。シカマルはあんま腹減ってねえって言ってたじゃん。オレも夕飯の後の楽しみにケーキとっとく!」

 シカマルは屈託なく笑うナルトに、一瞬クラリと眩暈がしそうになる。デザートが別腹という感覚すらも、他の奴らなら手前の勝手な都合だろうと言い放てるが、ナルトに対しては思考すら可愛く見えてしまって……また、自分の切羽詰まった状況を思い知らされた。

「やり切れねえな…こりゃ」

 シカマルの呟きが聞こえないのか、ナルトは今にもスキップしそうな足取りで帰路についていた。

 

 

 

欠伸をかみ殺す恋人。

 食事を済ませて満腹になったら、急に睡魔が襲ってきたらしいナルト。少しだけぼうっとしているナルトが、隣に座っているシカマルに身体を預けた。

 シカマルは自分に寄り掛かるナルトの重さに愛しさを感じる。暖かくなっている触れた部分。心地よいというか幸せをふと感じてしまうような瞬間。

「眠てーのか?」

 ナルトはちょっと首を傾げてシカマルを見上げた。

「眠たそうに見える?」

「いや、なんとなく」

 欠伸を見た事はこの際口にしない。広くはない部屋にしても、二人くっついている理由なんてどこにもないのだけれど。…とソコまで考えて、理由が十分に存在することにシカマルは気が付いた。恋人と肌を寄せていたい、その存在を温もりを感じたいと言うのは寄り添う理由に値するだろう。

 こうやって柔らかい感情の中で漂っていたい気持ちの時もあるが、たまに衝動的になってしまう瞬間もある。それは理由なく溢れてくるもので、止められそうで止められない。自分の感情全てを受け止めてほしいと欲してしまいたい時がある。ずっと、自分の中で蓄積されたこの感情が理性の防波堤を超えそうな気がしていた。

 一時間後の予定はいらない。好きな人と一緒に同じ空気を吸っていられればソレでいい感じ。

 明日の事も何も考えたくない。ただ、寄り添うこの存在に全てを埋め尽くされたくて……

 それが、衝動へと変わるのだ。

「なぁ。ナルト?」

「ん〜?」

 まったりとした返事を返してくる身体を抱き寄せた。

「シカマル?」

 見上げてくる顔を見て、顎を捉える。それと同時に唇を重ねた。ちょっと慌てたようにバタバタしたナルトだが、舌を絡め取られて貪られるような口づけを繰り返される度に、弱々しくシカマルの上着を握る手にも力が抜けていく。

「ん…っ、あ…」

 唇を離すと甘い声が漏れる。

「ケーキ……食うんじゃなかったのか?」

「だって」

「どうした?」

「……シカマルってば、意地悪だってばよ」

「あんだけ、食いてえって言ってたのにな。夕飯の後にすんじゃなかったっけ?」

 唇を尖らせるナルトは、まるで小さな子供のようだ。

「明日じゃダメ?美味しくなくなる…?」

 なのに、囁く科白は十分にシカマルを誘惑するソレで。このギャップが堪らない。計算でない所がまたシカマルのツボに入る。

「ンな事ねえだろ?」

 触れるだけのキス。繰り返す内に、薄っすらと開く桃色の唇。その間から見える紅い舌。粘膜がふれる柔らかい誘引。引き合う銀色の糸。触れて絡めて、吸って、そして交わる。

 ナルトの腕がシカマルの首に回る。角度を変えながら口づけを繰り返し、力の抜けるナルトの身体をそっと横たえた。

「ナルト…」

 見上げてくる青い瞳が潤んでいる。涙の膜の張った艶めく宝石に、ただ捕らわれる。しっとりした頬を撫ぜて、上気して赤くなった首筋に指先を滑らせる。せつなげに細められる視線だけでも、下半身に直結する快感に変わっていった。

「…シカマ…っ、……っあっん…っ」

 パジャマの釦の隙間から指先を入れて、胸の飾りを愛撫した。すぐに尖ったそれを人差し指と中指の間に挟むとナルトがきゅっと唇を噛むのが見える。反対はパジャマの上から布越しに刺激をした。

「い…っ…やぁ…っあっ…」

 嫌じゃないくせに、その言葉は煽るための作戦だろうか?そんな狡い事を快感の中に沈みそうなナルトが考える訳もないのに。口元には無意識に笑みが浮かんでいて、その唇を首筋に当てた。

「すげー可愛いな」

 深層心理に食い込んでくるようなナルトの喘ぎ声に、早く彼の中を感じたいという性急な欲求が起こる。

ナルトの両手がシカマルの頬を包んだ。そっと顔を上げられて、唇を求められた。快感を素直に追う恋人が愛しくて可愛くて堪らない。その間も主張をし始めた乳首への愛撫は止めない。震えているのは唇だけではなく、生暖かい舌も同じだ。

「んっ…んっ……」

 飲み込みきれない唾液が唇の端から洩れる。浅い息を吐きながら、ナルトが自分の上衣の釦を外した。

「ちゃんと…触ってほしいってばよ…」

 懇願しているのは言葉だけではなく、その視線でも。どこまで自分を焦らせば気が済むのか…。ふっと笑って胸元に唇を落とす。舌先で熟れた果実を転がすと、ナルトの背中が甘美にしなった。その隙間に手の平を滑らして、背筋から腰へ滑らかな肌触りを楽しむように上下させる。

「お前ん中に、早く挿れてーよ……」

「は…っ…あんっ、んっ、いいって…シカ……挿れていいってば…」

「バーカ」

 このまま自分の欲望をねじ込めば、ナルトの身体を傷つける事になる。そんなバカな事は絶対にしない。苦痛が快感に変わるなんて趣向は持ち合わせていない。できるならば、ナルトには蕩けるような快哉だけを与えたくて、その中で自分だけの事だけを考えて堕ちて欲しい。

 ナルトの衣服を剥ぎ取るのと同じく、シカマルも自分の着ているものを脱ぎ捨てた。触れ合うのは肌だけでいい。そのまま交わって溶けてしまいたいのだから。

 腰から双丘にかけて指を滑り込ませたシカマルは、ぴくぴくと反応するナルトに再び煽られているような感覚に陥る。まだ固いすぼまりを指の腹で愛撫した。ゆっくりとゆっくりと、ナルトを傷つけないようにソコが開花するのを待つ。じれったいような愛撫にも意味があるもので、少しの触れ合いだけでも感じてしまうナルトの身体が面白いように反応した。

「あっあっっ…んっ……んっ…も、挿れ、…てっ!」

 摩擦される事で緩んでくる蕾が、シカマルの指を受け入れようと綻んでくる。ナルトの変化を気にかけつつも、胸の突起への愛撫もやめない。舌先でつついたり、転がしたり。開いているほうの手で、たまに乱暴に弾いたりするだけで、ナルトの声が甘く甘く蕩けていく。囁きに近いような吐息のような喘ぎ声も、少しずつ嬌声に近い物に変わり、ナルトの中を駆け抜ける悦楽の波を視覚だけでも感じる事が出来た。緊張がほぐれた後腔に、そっと指を一本滑り込ませる。まだキツイナルトの中を、緩く抜き差しを繰り返しながら奥へと進めていった。彼の感じる場所は知り尽くしていて、すでに固くなっている性感帯をぐっと擦り上げる。

「や…っ…んっ!!」

 急激な刺激に驚いたナルトの孔がきゅっと締まった。浅い抽出を繰り返しながら、指先では円を描くようにしてコリコリとした部分を解し、快感を植え付ける。

 すすり泣きにも近いナルトの掠れた声が、聴覚を刺激してそれを興奮につなげる。身体の緊張がほぐれてぐったりとした所で、二本目の指を一緒に挿入した。狭い内壁もシカマルの指にしっとりと馴染む。

「ふっぁ…うっんっ…ああっ…あっ…んっ……シカぁ…そこ……―――――」

「いいか?」

「うん…めっちゃ、気持ち…悦い……可笑しくなっちまうってばよ……」

「おかしくなっちまえよ?」

 自分の事だけ考えればいい。二人で与え合うこの快感の中へダイブするのだ。赤裸々にお互いをさらけ出して、誰にも邪魔できない世界へナルトを連れて行きたい。

 シカマルの中で溜まっていた欲求がどんどんと深くなる。執拗にナルトの中を犯して、めちゃくちゃにしたい。彼を傷つけたい訳ではない。ただ、自分に溺れてほしいだけ。そして、自分もナルトに溺れたい。息もできないくらいの享楽を味わいたい。それは征服欲にも似ていて厄介な感情だったりもする。

 全てを手に入れるなんて不可能だけれど………今という瞬間を支配しているのは自分でありたい。ナルトの中にあるすべての感覚と感情を全部自分のモノにしたい。どれくらい傲慢なのか、自負している。それでも、求められずには居られない。

 さらけ出して、溺れて、二人で一緒に堕ちていくのだ。その先は、二人でしか行く事のできない楽園。誰にも侵される事のない夢想郷。

「シカ…ぁ…」

 その声すら艶を含んでいて、ナルトが何を望んでいるのかも分かっているのに、無性に意地悪をしてみたくなる。これも、征服欲の一つなのだ。

「ナルト……すっげ中が熱いぜ?」

 粘膜が擦れるくちゅりとした音が、シカマルの指の動きに連動して室内に響いた。それを羞恥する余裕がナルトの中のどこかに残っている。

「足りねーって……ナル」

「はあ…っ……んっ……も、シカっ……」

 ナルトの後腔をぐちゃぐちゃに掻き混ぜながら、その先を待っている自分が居る。

 自ら足を開いて、無意識に揺れる腰つきがやばいくらいにいやらしい。触れていないナルトの陰茎は立ち上がり、その先からは甘い蜜がとろとろと溢れていた。ナルトの腰が濡れるたびに、ぷるりと揺れるナルトの性器が刺激を心待ちにしているようにも見えた。だから、後ろを刺激しながらもそれに触れる。

「やっ!あ…っんっ!!」

 根元から擦り上げて、先でぱっくりと開いた部分に指先をこすり付ける。先走りの体液がシカマルの指に絡んだ。指の腹で敏感な部分を緩くきつく快感を与える。

「ちが……あっあっ……ンンっ…シカマル…っ!」

「ナルト?」

 焦点が合っているのかどうか危うい瞳で見つめられて、ぷつりと何かが弾けたような気がする。

「おねが…っ……シカ、挿れ、て?」

「お前ン中?」

「うん」

 こくこくと頷きながら、ナルトに抱き寄せられた。確かな刺激はあるのに、それだけでは足りない何かがナルトの中を支配し始めている。指をゆっくりと抜く。自分の存在をナルトに知らしめるためにも、中をひっかきながら彼の後腔の悦い所を擦り上げながら。

 カクカクと内股が痙攣していて、ぐったりとしているナルトの目尻から快感の雫が零れた。

 シカマルは直接触れられていないのに、熱く固くなっている熱棒をナルトの孔に当てる。突くように刺激すると、ナルトの切ない声が耳に聞こえた。

「はや…くっ…!」

 くちゅくちゅと孔とシカマルの陰茎の先から零れる愛液の音が淫猥に響いた。くちょりと音を立てて、飲み込まれていく熱い楔。先を滑りこませると、ナルトの孔がきゅうきゅうとシカマルを締め付けた。

「こら、強情張らねえで力抜け」

「も…無理…って」

 ナルトがコントロールする範疇でない自分の身体に、いやいやをするように首を振る。乱暴にねじ込みたいのを我慢しながら、シカマルは浅い抜き先を繰り返す。捻じ込んで、引き抜いて。次にナルトに埋まる時には前よりも奥へそれを進める。馴染ませるように、穏やかなスピードでそれを繰り返した。少しずつシカマルの全てを銜え込んだ後腔が、ぎゅうっとシカマルを締め付ける。一番太い部分だけをクリアすれば、それはすんなりとナルトの中へ入ってしまう。グラインドする前に、腰を使い中を解すように円に動かす。肉壁を分け入るように探るシカマルのモノがナルトの中の緊張を解きほぐしていた。

「ナル……好きだぜ?お前ん事しか考えられねえよ」

 震えるナルトの両腕がシカマルの肩に掛かった。

「シカ……きて。もっと、奥まで……もっと、……して?」

 大胆な言葉でシカマルを誘うナルトはぎゅうとシカマルに抱きついた。その細い身体をシカマルも抱きしめ返す。腰だけを使い、ナルトの奥の方まで突き上げた。

「あああ…っんっ……っ!!」

 少し早く腰を打ち付けると、ナルトの足がシカマルの腰に絡まる。シカマルの動きに合わせて、艶めかしく動くナルトの腰つきが色っぽくて堪らない。清純そうな部分と、大胆なこの相違がシカマルを高揚させていった。

「あっ……やっ…あっあっあっ…ンンっ…シカァ…」

 舌足らずな口調で名前を呼ばれるだけでも堪らない。

「ナル……」

「あ、あ、あ……っ…!いや…っ…も、こわ…っ。あっ、んっ、んっ……シカマル…」

 揺れる振動に合わせて途切れるナルトの喘ぎ声にどんどん興奮が高まる。

「俺だけ見てろって」

「シカ…」

 ぐずぐずと涙を流しているナルトは、壮絶なほどに色っぽい。まるで初めての性を知るような初々しさも持ち合わせているくせに、シカマルを骨抜きにしている自覚はあるのだろうか?

「一緒にイクか?」

「……うん」

 シカマルとナルトの間で擦られてはち切れんばかりになっているナルトの陰茎の根元をぎゅっと握った。

がくがくと揺さぶりながら、ナルトの体液の行道を止める。ナルトの中は収縮を繰り返し、シカマルの楔を受け止めながらも快感を求めて肉襞を絡ませてくる。

「シカ…でるっ!!だめ……も、だめ…っ!あっ、んっ……ああっあ、あ、や…っ!」

 シカマルはきゅうっと陰茎を締め付けられた所で、ナルトの中心でびくびくと震えているモノの拘束を解いてやった。管を通って、表現しきれない快感が走り抜ける。ナルトの中に全てを放ったと同時に、ナルトの陰茎の先からも勢いよく白濁が溢れた。

「は…っあ…っ…シカ…」

「良かったか?」

「―――― シカマルは?」

 きょとんとした顔つきで首を傾げて聞いてくるナルトの頬にキスをした。

「最高に気持ち良かった」

「オレも…死ぬかと、思った…」

 揶揄ではないだろう。まだ力の入らない恋人の身体を抱き寄せると、彼の中で復活した熱を感じる。

「でも、まだ足りねえ」

「え…?シカマル…」

 ナルトも自分の中で誇張している熱の存在を感じる。

「まだイケるか?」

 無理だと言われても、溢れ出て行先を失っているモノをおさめてくれるのはナルトしかいない。

「……シカマル、好き。もっと、シカマルが欲しいってばよ……」

 甘えたような声色にシカマルもにやりと笑う。

「夜は長げーな……」

「んっ…!」

 抉るように再開された抽出に、くちゅくちゅという淫らな音とナルトの嬌声だけが重なった。

 

 

 

 

 ナルトはぱちりと目を開ける。

 規則的な呼吸の主は満足そうな顔をしているように見えた。

 身体が異様にだるく感じる。その原因を思い出したナルトは顔から火が噴きだすのではないかと言うくらいに赤面する。

 何度求めあっただろうか?何度、絶頂を迎えただろうか?

 とんでもない事を口走っていたような記憶が曖昧に残っている。

「……どうしよ」

 恥ずかしくてしょうがない。ナルトがぶつぶつと言っていると、肩を抱く腕を感じる。

「シカマル?」

「おはよ」

「…おは、よ……」

 マトモに顔を見るのも恥ずかしい。裸のままの二人は、一つの掛布団にくるまって絡まるようにして眠っていたらしい。昨夜、コトが始まったのはベッドの上ではないはずだ。ナルトは自分の意思でベッドへあがった記憶がない。だけれど、この場所でもシカマルと身体をつなげた事はしっかりと覚えている。

「どうしたんだよ。身体、きついか?」

 ナルトは無言のまま首を振った。

「ナル?」

「は、恥ずかしいから……!」

「はあ?」

「オレってば、めちゃエッチな事いっぱい言ったし……」

「別に、俺とお前でエッチな事したんだろ?」

「でもっ!!……恥ずかしいんだってばよ〜〜」

 ナルトだけが“恥ずかしい”立場ではないだろう。同じく行為に溺れていた自分だって、ナルト的感覚からいえば、十分に恥ずかしいはずだ。

 だけれど、シカマルの中には恋人と愛し合う事になんの躊躇いもないし、羞恥もなかった。それを告げるとナルトは困ったように眉を寄せる。

「オレ……すごい、エッチじゃない?」

「他の奴の前でそうだったら、許せねえけど。俺の前なんだから、嬉しいに決まってんだろ?」

 ほんの僅かな時間でも、ナルトを独占した事に歓喜している。完全に悦に入っていた。

「どんなお前でも可愛くてしょうがねえよ」

 シカマルは冷蔵庫に仕舞われているケーキの存在を思い出す。ナルトの額に朝の挨拶のキスをすると、ひらりとベッドから抜け出した。

「ケーキ、持ってきてやるから食って元気だせよ?」

「げ…元気はあるってばよっ!」

 それでも、色取り取りのスイーツにナルトの頬がゆるむことは容易に想像できる。

 シカマルは機嫌のいい自分に満悦しながら、ナルトとダイブした捲るめく時間を思い起こしていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

欲求不満なのは、RUIですか?

シカマルですか?ナルトですか?(笑)

季節感ナッシンテキストです〜。

つか、久しぶりにえっちいのが書きたかっただけなのかもしれないです(爆)

シカナルでラブラブって最高っ!!!