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Clover −幸せの帰る場所

 

 呼び鈴が鳴った。

 ナルトは不思議に思って、すぐにドアを開ける。アパートの廊下に突っ立っているシカマルを見て、ナルトは驚きながらも笑顔になった。

「シカマル!任務、終わったんだってば?」

 少し服装が草臥れて見えるのは、任務終了後だととれる。

「おお、まぁな…ところで、お前メシ食ったか?」

 聞かれてナルトは返事に困る。ちょっと早い夕飯をと思い湯を沸かしていたのだ。

「ま、まだだけど?」

「外に出ねえか?」

 珍しい事を言うシカマルにナルトは首を傾げる。彼はどちらかと言うと家でまったりしたい派である。う〜んと考えていると、薬缶がぴーっと鳴った。湯が沸いた事を知らせてくれたのだ。それを耳にしたシカマルは苦笑して「また、ラーメンかよ?」と呆れたように呟く。

「む。いいじゃん!一人でメシなんだし、ラーメンで上等だってばよ」

「お決まりの言い訳だな。とにかく、火ぃ止めろ」

 煩い音が広くない空間に響いていた。ナルトは慌ててガスコンロへと向かう。その後ろをのんびりとした歩調でシカマルが付いて来た。

「ナルト〜、シャワーだけ借りるぞ」

 勝手知ったるなんとでシカマルは衣服を脱ぎながら風呂場へ消えて行った。本当にさっとシャワーを浴びるだけで出てきたシカマルは、バスタオルでごしごしと頭を拭いている。ナルトはなんとなく習慣のようにシカマルにお茶を振る舞う。

「お、悪りぃ…」

 そう言いながら湯呑に口を付けるシカマルの顔が、なんだか嬉しそうだ。任務が終わって木の葉の里に帰ってきたんだと知らせてくれる新緑の味。ナルトも最近では一人でもお茶を飲む事が増えている。バスタオルを頭に被ったままで座ったシカマルの顔をじっと見て、ナルトは恥ずかしい気持ちになった。毛の先からぽたりと落ちる雫までもが、何故か色っぽく見える。半乾きの髪を一つに括ると、シカマルはバスタオルを首からかけた。ズボンは履いているが上半身は裸のままだ。着痩せするシカマルの体躯は実際筋肉が程良く付いていて男らしい。ナルトはそんなシカマルの姿を直視するのが恥ずかしくなる。

「ナルト、何食いてえ?あ、一楽は抜きでな」

 そんなナルトの気も知らないで話しかけてくるシカマルに、ナルトはふいっと視線を外した。

「なんだ?そんなにラーメンが良かったのか?」

「ち…違うって。シカマル、早く何か着ないと風邪ひくってばよ?」

 シカマルは首を捻る。風邪をひくような季節ではない。少し顔を赤らめて俯くナルトに視線を向けてにやりと笑った。

「な〜に照れてんだよ」

「そんなんじゃねえし!」

「ふうん?」

 シカマルは立ち上がるとナルトに近づく。頬を染めたままで上目づかいに自分を見てくる青い瞳は、十分にシカマルを誘惑していた。

「してねえの…?」

 耳朶に口を寄せて囁くと、ナルトの肩がぴくりと震えた。

「し…してねえもん」

 ナルトはぎゅっと目を閉じると、シカマルの身体を押し返す。シカマルはくすりと笑うと、ナルトの後頭部に手を掛けて引き寄せた。

「たまには外でメシでもとか思ったんだけどよ……たまだから、部屋でゆっくりするのもいいかもしんねえな?」

「え?」

 大きく見開かれた青い瞳に吸い込まれるように、唇を合わせる。すぐに舌を絡め合ってお互いの熱を伝えあった口づけに、ナルトがぱちぱちと瞬きした。ちょっと困った様な顔をしながら、ぎゅうっとシカマルに抱きついた。

「シカマルってずっりぃの〜」

 何がそんなに狡いのかシカマルには不明だが、確かに分かっている事は一つ。

「ナルト〜」

 名前を呼ばれるのが好きなナルトは、むうっと膨れてシカマルを見上げてきた。

「どうすんだ?」

 シカマルの口を塞ぐようにぶつかってくるナルトの唇をシカマルは難なく受け止めて、お返しとばかりに口づけを深くする。崩れるようにシカマルに身体を預けてくる愛しい恋人を抱きしめて、シカマルは自分が帰るべき場所に帰ってきた事を実感する。

「ん、…あっ」

 色を含んだナルトの吐息がシカマルを高みに連れて行った。

 

 

 首筋の柔らかい皮膚に情愛の痕を付けて。

 世界に一つだけの幸せの象徴を、刻みこんで。

 

 

 

 

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外食もいいけど、二人でまったりもいいかなぁとか…

ナルトは、無意識の誘惑になるとは気づいていません(*^_^*

けっこう、自分自身が気に入ってる話のひとつなのでした()